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43話



「へいへーい!誰のことを忘れさせないようにするんだってぇ?」


「死ね!」


「どわ!?今一瞬だけ身体強化使ったな!」


「使ってない!ちょっと身体の使い方を工夫しただけだ!」


「化けもーーガバァッ!」


いつも通りの日常に戻り、俺がリサを挑発して案の定負けるという図が出来上がっている。そしてそれを眺めるバカ達(兵士達)


ただ1つ変わったとすれば、


「こい!サユリ!」


「行きます!」


イースニルの勇者達が俺の訓練に参加するようになった。自分達から参加させてくれないかと頼み、それをリサが承諾した。もちろんお姫様達にも相談して。


ユイは後衛向きなのでフィアに教わっている。サユリさんは勇者らしく万能型。コウキは聖騎士的なジョブで主に前衛を担っている。光魔法も使えるので、場合によっては簡単な回復もできるし中距離魔法も使える。


今はサユリさんとリサが戦っているのだが....化け物だよね。サユリさんは木剣を使っているのだが時折木剣

が消える。いや正確には見えないくらいの速さで振るっているのだが....。


それについていくリサはもっと化け物だ。身体強化はおろか、スキルなども使っていない。


対するサユリさんは聖剣こそ使っていないものの身体強化全開のスキルも使っているように見える。


「もうリサさんが魔王退治に行った方がいいんじゃないですかね....」


「それな....」


そもそも俺たちなんかが出る幕なんてなさそう。努力しようとしてもこんなのを見せつけられちゃあたまったもんじゃないね。


ほら、今もサユリさんが『飛剣!』とか『○○流、一角獣!』とか言ってる。飛んだり消えたりもうわけわからん。アクション映画だよ。


あっ、サユリさんが首に木剣を添えられた。勝負アリだな。リサの勝ちだ。


「よおし!僕も燃えてました!次、お願いします!」


「いいぞ、来い!」


「うおおおお!」


サユリさんと戦闘を終えたばかりなのに、コウキとの戦闘を始めるリサ。勢いよく突っ込んだはいいが軽くあしらわれ、悪いところを指摘されながら剣を打ち込むコウキ。


別にコウキが弱いわけではないのだ。サユリさんみたいなチートを貰えなかったとはいえ、転移によってある程度力をつけた上に、元からの性能がプチチートだ。地球では文武両道でさぞモテただろうに。


実際ステータスにも剣術スキルがついているし、成長補正も所持している。それだというのに足元にも及ばないリサとは一体。


「若者は元気だねぇ」


「ソラさんもまだ若いじゃん。.....いや、えとぴちぴちだってー!」


「ん?んん?いやまあそうだけど」


何故言い直した?


「私たちじゃ足元にも及ばないねー!」


「いやいやいやいや」


ホントそんなわけ無いから。消える斬撃なんて使えないし、飛ぶ斬撃も出来ない。せいぜいセコイ手を使って初見の相手を倒せるくらいが精一杯ですよマジで。


「もっと頑張らなきゃ....!」


まぁ頑張ってもらう分にはいいんだけど程々にね。というかそれより、


「サユリさんのキャラがなかなか安定しないよね」


「ふぇ?」


なんというか....無理やり元気なムードメーカーを演じているような気がする。


「しょんなことないよ?じゃなくて....ないってばー!」


「落ち着け、ブレまくってるから」


「うぅぅぅ....」


「で、実際のところどうなの?」


「あはは、もうほとんどバレちゃってるし言うね。ほら、私ってソラさんに助けられたよね」


「い、いやー....どう、でしょうかねぇ?」


「その時に一目惚れしちゃったんだ」


「うおぇえ!?」


「まるで王子様みたいに綺麗で、カッコよくて....。ピンチを助けられたら女なんて簡単に好きになっちゃうんだよ?それでね、好きになってもらおうと思っていろいろ考えてみたんだ」


ちょ、待って....。一目惚れの後から話が入ってこない....!は?え、なに?サユリさんって俺のこと好きなの?急過ぎない?突然のことで頭がショート寸前なんですけど。


「それでね、元気な女の子が私の学校で人気だったから真似してみたの。ずっとハイテンションでいるだけだったから意外と簡単だと思ったんだけど、やっぱりソラさんの近くだと緊張しちゃうなぁ」


「お、おう....。そうだったのか」


「あ、返事はまた今度でいいよ?待ってるから」


「この話って2人は知ってんの?」


「ユイちゃんとコウキ君?もう話したよ?ちょっと呆れられちゃったけど」


「へ、へー」


「え、なに?じゃあアイツらサユリさんが俺の事好きなの知ってたの?」


「まぁ多分そうだと思うよ。はっきりと好き!って言ったわけじゃないんだけどね」


おおう....。なんか恥ずかしいな。


「あと、サユリさんっていうのもやめてくれるかな?」


「なんで?」


「だ、だって....私だけ『さん』づけって距離を感じて嫌だから」


「あー、了解。サユリ。俺のこともソラでいいぞ」


「うん!でもいきなり呼び捨ては流石に恥ずかしいから、ソラくんでいい?」


「別になんでもいいさ」


元気だなぁ....本当に....。でもこんな美少女が俺の事を好いてくれるなんてな。信じられん、今にでも隕石とか降ってくるんじゃないか?....異世界だし普通にありそうで怖い。


「テメェ、ソラ!訓練中に桃色の空間を作ってんじゃねぇ!」


「吐き気がするぜ!死ね!」


「なんでお前ばっか....。もげろ、禿げろ、爆ぜろ」


....みんなの視線が痛い。


「だが敗者の戯言など聞こえんわ!フワハハハ!」


「ダブルスラッシュ!」「ムーンサルト!」「トリプルアロー!」


「うおおおおおお!?」


この馬鹿ども((兵士))サユリさんが居るのにスキルを使って攻撃して来やがった!?...え、避けれる?さいですか。




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