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31話



部屋に戻り、服を脱ぐ。ずっと美少女2人の体液でベトベトだったので気持ち悪かった。


ふと思ったけど『美少女2人の体液でベトベト』って文章にするとエロいな。実際はひたすらに気持ち悪いけど。


「セレスぅ、洗濯頑張ってくれぇ」


「分かりました。言われるまでもなく」


「よろ〜」


そう言って自分はベットに倒れ込む。ぁぁぁぁ至福〜。柔らかき感触が私を抗いがたき眠りへと誘う〜。


「ふ、服を着てください!」


「うえぇぇ…すぴー」


「寝ないでください!」


「ううん?服ちょうらい…」


「っ!わわかりました。どうぞ」


「あざぁすぅぅ…すぴー…寝てませよぉ」


「もう……手を上げてください。…ほら手を通して……よし、おやすみなさいソラ様」


「あり…がとう。セレス…」



☆☆☆☆☆☆☆☆



「んん〜!」


気持ちのいい朝だ。昨日は疲れてたからなぁ、すぐに寝ちゃったんだろうな。覚えてないけど。


窓を見るとまだ太陽が昇っていないので薄暗い。時計を見るとまだ四時だ。それでももう9時間は寝たんだよなぁ。結構早めに寝た分早く起きてしまった。


「ん?」


セレスが机の上で、寝てしまっている。もしかして途中で起きるかと思って俺のことをずっと見ていたんだろうか?だとしたら申し訳ないことをしたな。


せめてものお礼にベットで寝かせてやろう。机だと身体が痛そうだし。


セレスを抱き上げ、ベットに寝かせる。昔は妹にやったこともあったんだが、その、意外と大きめの胸が身体に当たって大変だった。着痩せってこういう事なのかと初めて知った。


「ん…」


あ……。


運び方が悪かったのだろう。セレスが瞼を開ける、そして目があった。超至近距離で。悲鳴でも上げられるのかと思い覚悟し、目を瞑る。


「ソラ様…」


「ぉわ…!」


そしたらなんとセレスが俺の首に手を回し、引き寄せる。バランスを崩しベットに倒れ込んでしまう。


胸を揉みしだく…みたいなラッキースケベを起こさないように注意しながら手をつく。するとセレスを押し倒したような状態になった。


さらにそこからセレスが寝返りをうち、腕に巻き込まれて僕もベットに転がる。完全にベットに横に寝てしまったが、腕を離していないのでセレスの顔が目の前にある。あと数センチで唇が触れ合うくらいまで。


こうして改めて見るとセレスって美人だよなぁ。整った顔にツンとした鼻、今は閉じてるけどキリッとした目で…。ヤバイ!ドキドキしてきた!


俺だってオタクになった(悟りを開いた)とはいえ年頃の男子だ!流石にこのシチュエーションはヤバイ!


何がヤバイってさっきから俺の胸にムニュムニュと当たってるアレとか!何入れてんのこれ?服の中にでもスポンジでも詰めてんじゃねえのかというくらい柔らかい!


口も規則正しい呼吸をしていて綺麗な唇が動いてるしヤバイ!


ねえなんなの?目があった後に『ソラ様…』とかあれか?誘ってんのか?もう理性とかではなく生物としての本能がヤバイって!


「セレスぅーセレスぅ…!」


周りに迷惑にならないように小さめの声で呼びかける。するとうっすら目が開き、今の状態を確認した後ーーー!


「ううん……」


「ちょっ!」


さらに密着してきた!首から手を離したと思ったら脇の下に手を入れがっしり抱きついた後、足まで絡ませてくる。頭も俺の胸にスリスリとして一番落ち着く場所を見つけたのか、うっすらと笑みを浮かべてまた寝てしまう。


「すぅ…」


「………………」


バカ可愛い…。いつもクールなセレスが小動物みたいに抱きついてくるとかすごく可愛いですっ!もう完全に性欲は吹っ飛び、理性も吹っ飛んだ。片手は背中に添え、もう片方でセレスの頭を撫でる。


するとさらに笑みが深まった気がした。守りたい、この笑顔。




俺は日が昇るまでセレスの頭を撫で続けた。



☆☆☆☆☆☆☆☆



「んん……ふあ……?」


あ、起きた。ヤベ、夢中になって対策を全くしていない。現に目があった今でも頭を撫で続けしまっている俺がいるよ。


「んぅぅ…」


今度は両手を背中から胸へと回し、服を掴んだ。また頭をスリスリさせ……


「すぅ……」


二度寝した。もうちょっと撫でてもいいよな…?






「んん〜!…?」


セレスが身体を伸ばそうとして違和感に気づく。そして目がパチリと開き、三度目が合う。これは完全に目が覚めたな。


「夢…」


「…夢じゃないぞ。おはようセレス」


「えっ、あ、おはようございます……?」


目をパチクリさせ、視線が上から下へ、下から上へと動く。現状を確認したようだ。


「何を…?」


「お前机で寝てただろ?だからベットで寝かせてやろうかと思ったんだが、こうなった」


「そう、ですか。あの、気持ちいのですが頭を撫でのやめてもらえませんか…?」


「あともうちょっとー」


「ん…仕方ないですね」


よし、寝ぼけてるのか知らんがお許しが出たぞ!もっと至福のひと時を……!


しかし、寝ぼけてるとはいえなんでだ?疑問を感じ下を向いて見ると、頰を赤く染めたセレスと目があった。セレスはギギギ…と顔を下に向け、ポスンと胸に収まる。……可愛い。普段とのギャップが萌える!


思わず抱きしめてしまう。


俺は後のことを考えずに頭を撫で続けた。


それがいけなかったんだろう。ここで自重してやめておけばあんなことにはならなかったのに…。




☆☆☆☆☆☆☆☆




「ソラ!起きてるかい?今日は勇者パーティーで魔物討伐にってなにをやってるんだお前は!?」


ノックもせずにやってきたのはイースニル王国の勇者…偽勇者?いや一応召喚されたんだし勇者なのか?…

ダメだこんがらかる。勇者でいいや。


「ノックくらいしろよ」


「そんなことはどうでもいい!お前は何をしてるんだ!!」


「何って…寝てる」


「…こんな奴が勇者だとわな…いや、もう勇者じゃないのか……。それでも!メイドをそんな風に扱うなんてクズだ!それに…ティアとフィアもいるというのに……!」


何を言ってるのか全く理解できんっ!キャッチボールしようぜ会話の!


「何を怒ってるんだ?」


「…くっ!お前というやつは!もういい!決闘だ!!!」


「はあ?」


「僕が勝ったらティアとフィア、そしてそのメイドさんをもらう!いいな!」


静かにしろよセレスが起きちゃうだろうがよぉ。ほら耳塞いでんのに顔を顰めてるから。


「はあ、仮にやるとして俺が勝った場合のメリットは?」


「3人を好きにしていい。僕が許そう」


この言葉に急速にどす黒い何かが込み上げてくる。


「話にならん。帰れ」


「逃げるのか?」


それでも何とか落ち着かせて、帰るようにいうが何かほざいてくるのだが……。お前それで挑発してるつもりなのか?


「俺へのメリットがないと言ってるんだ。そもそも決闘する意味がわからん」


「貴様っ!いいから来い!」


「ちっ……わあったよ少し待ってろ。外で」


「わかった。逃げるんじゃないぞ」


五月蝿えな早く出てけ。


ガチャリと音がした後、セレスを剥がし…剥がっ、剥がれない!しょうがないので服を脱ぎ、毛布をかぶせて着替える。顔を洗って歯を磨く。


「行ってくるよセレス。ゆっくり寝てろよ」


セレスの髪を撫で、部屋から出る。


さて、これ以上俺をイラつかせることはしないでくれよ?



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