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25話



あれから瞬く間に時間が過ぎ去った…。いや、大げさに言いすぎたな。まあとにかく1週間が過ぎ、ついに今日勇者たちがいらっしゃる。常識的な人だといいなぁ。


この1週間だけど、特にこれといって大きく変わったわけでは無かった。せいぜいティアの暇つぶし相手になったくらいだった。まあ何回かパシリに遣わされた程度だったけど、少しは仲良くなれたのでよしとする。……いや、やっぱり後でやり返しておこう。倍返しだ!


後はちゃんとした服を作るために服のサイズとかを計ったりした。今までは俺が派手なのとか、動き難いのが嫌いだったので後回しにしていた。


それは良かったんだが、セレスに身体中を弄られるのは流石に恥ずかしかった。


「いよいよか…」


自然と口から漏れてしまう。準備をしていただけあって自分が思ってるより緊張しているのかもしれないな。


「はい。ではこちらに着替えてください」


「えぇぇ、もうちょっと後でよくない?」


「ダメです。時間に余裕をもって行動してください」


「でもまだ1時間もあるんだし別にーーわかったから。自分でやるから大丈夫だから!出てって!?」


「そう、ですか。早めにお願いします」


ふう、また危うく男として何か失うところだった。何故少し残念そうなのか。男の身体に興味でもあるのか?…なんか言い方がアレだったな。


さて、着替えるか。






「終わったぞ!」


「失礼します。……お似合いです」


「いまの間は何だ?」


「………」


「おいっ」


「別に見惚れてなんていませんっ」


「えぇぇ」


急なツンデレだなおい。


しっかし…やっぱり窮屈だなぁ。出来るだけ派手じゃないようにお願いしたのでそこらの貴族よりは地味だと思うが、動きづらい!首のあたりとか窮屈すぎる!あぁぁ、ストレス!


「お茶でも飲みますか?」


「いや、こぼしたらマズイしやめとくよ」


「…そうですか」


何故かしょんぼりするセレス。……なんかだいぶセレスの心情が読み取れるようになってきたな、俺。この世界に来て一番成長を感じる。


「まあ取り敢えず駄弁ろう。暇だ」


「仰せのままに」


そうして1時間近くセレスと駄弁り続けた。



☆☆☆☆☆☆☆☆



「こんにちはソラさん」


「ん?フィアか。開いてるからどうぞ〜」


「お邪魔します」


ノックの音が聞こえたので入るように促す。だいたい俺は常にドアの鍵を閉める派だが、今日は来ることが分かっていたので開けっ放しにしていた。


そして足音が近づいて来て、姿をあらわす。


フィアは普段とは違いいつにも増して豪華なドレスを着ていた。胸元が開いており、ポロリと落ちてしまいそうだが、胸が支えている。よくそんなもの着れたなと思う。何か仕掛けでもあるんだろうか?薄い黄色を基調としたドレスだ。

顔にも薄い化粧をしているようで、大人っぽい。一言で表すとーーー


「美しい…」


「ひぇっ?」


「ん?口に出しちゃってたか?悪い、ついな」


「い、いえ…ありがとうございます……。エヘヘ」


顔を赤らめ照れているのがわかる。なんかこっちまで恥ずかしいな。


「ソラさんもしっかり見せてくださいよ。私だけじゃ恥ずかしいですっ!」


「ん〜あんまり気は進まないけど……どうだ?」


どうせ見せることになるし、と思い椅子から立ち上がって両手を広げる。う〜ん、やっぱり派手で落ち着かないなぁ。


あまり良い返事を期待しないで待っていると、フィアは口を半開きにして固まる。なんだか若干頰を赤くしてるし、どうしたんだ?


「とても…似合ってます……」


「ん、そうか。ありがとう」


数秒待ったのちにフィアが答えた。褒められて悪い気はしないな!うん。


「ティアは?」


「あの子はまだ着替えに時間がかかるみたいで…会合には間に合いますので心配しなくても大丈夫です」


「そうか。…その会合なんだが、具体的に何をするんだ?」


「う〜ん簡単に言うと親睦を深めるだけですよ?城内のパーティー用の広間で勇者と一部の貴族たちでパーティーをするだけです。なので特に緊張する必要もないので安心してくださいねっ」


そうか、それを聞いて安心した。挨拶の言葉とか全く考えてなかったし。それにーーー


「俺お偉いさんに対しての喋り方とか知らないんだけど」


「別に問題ないわ」


その時後方からティアの声が。振り向くとドレスを着た…なんだが不機嫌そうな顔をしたティアがいた。


「どうしたんだ?」


「別に…ドレスが嫌いなだけよ。動きにくいじゃないこんなの…。男の人たちの視線も気持ち悪いし」


「前者は大いに共感できるが、もう1つはしょうがないんじゃないか?」


「はあ、もう諦めてるけどね。男なんて大抵そんなもんよ」


「まあそれもあるけど、今のティアは結構魅力的だからな今のティアは」


「『今の』を強調すんじゃないわよ!」


「だんだん俺に対して口調が乱暴になってるなぁ。ちゃんと褒めたんだし文句言うなよ」


「それは…まあありがと。あんたも似合ってるじゃない」


「お世辞でも嬉しいよ。それよりほんとにいいのか?無礼者め!とか言われたりしないよなぁ?」


「あんたは曲がりなりにも勇者なんだから。立場は高い方よ」


「けど、ちゃんと決まってるわけではないので気をつけてくださいよ?相手によっては怒っちゃいますので」


「りょーかい。出来る範囲で善処しまーす」


「だ、大丈夫ですか?」


「俺は人類の可能性を信じる…!」


「かっこいい風に言ってもダメです!」


「大丈夫だって。ほら、もういい時間だし行こうぜ」


「そうね。というかもう始まってるし」


「ええ!?結構余裕持って着たはずなんだけど!」


「レディーの準備は時間がかかるのよ。それに主役は後からくるものよ」


うぅん?そうなのか?まぁ郷に入って郷に従えとかいう言葉もあるし気にしないでおこう。異世界だし地球の常識が微妙に通じないのかもしれない。


「それじゃあ胸を張りなさい!勇者のご登場よ!」




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