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24話


「それで、その会合とやらはいつ、どこでやるんだよ」


「来週に勇者の皆さんに来てもらう事になってます。だからそれまでに飾りつけとか大変で…」


「来週か。ちなみにどんな感じ?男女の割合」


「男2の女2よ」


「ちっ、カップルかよ。イケメン死すべしリア充死ね」


「あんたって女性に興味ないんでしょ?だったら別に他人がハーレム作ったっていいじゃない?この国一夫多妻オッケーだし」


「国公認のハーレムアリかよ。誤解してるようだが別に興味がないわけじゃないぞ。ただ好みのタイプの人が存在しないだけで女性に興味はある。それに他人の幸せはヘドがで…何でもない」


「「……」」


「ソラ様、控えめに言ってクズです」


「何のことだか」


「え、ええと…だからソラさんにはその準備をしてもらいたいんです!」


「……………了解した」


「いまの間は何!?」


「気のせいだ。脱走なんてしないぞ俺は」


「………そう、なら安心ね」


「いまの間は何だ!?」


「そうそう、あなたにはこれをつけてもらうわ」


そう言って出したのは漆黒の腕輪。これをつけろと?怪しいなんてもんじゃないんだが。


「これは何だ?」


「魅力値を上げるための「いただこう」


ティアの手から魅力の腕輪(仮)をひったくり早速つける。パカっと割れるようになっていて、腕にはめる。


「どうだ?イケメンになったか?」


あらゆる角度でポージングする。それにしても魅力値を上げる神器があったなんてな。感謝感激。


「…その、それは隷属の腕輪よ」


「はあ!?お前ふざけんなよ!ちょっ!外れない!?お、おま!はやく外せよ!?」


「まさかこんなにうまく行くなんて思わなかったわ」


「なに!?全てお前の計算通りだと言うのか!?」


「……その、実は超鑑定スキルでバレるかと思ってたけど……つまり予想通りよ!」


「クッソ!まさかティアに嵌められるとはっ!」


「…ソラ様は顔にコンプレックスでもあるのですか?」


「別にそう言うわけじゃないけどイケメンで損はないじゃん?俺はこんなんだから少しでも良くしたいんだよ」


「私はソラ様の顔は好みですよ?」


「マジで!?照れる〜」


「すいません冗談ですのでそのウザい顔を引っ込めてくださいますか」


「…すいません」


上げてから落とす。……わかっているじゃないか、心の折り方を。


「ウザいのは同感だけどその…い、言うほど悪くはないと思うわよ?私は」


「わっ私もそう思います!」


「そう、か…ありがとう」


ティアって意外と優しい一面があるんだな…。これなら俺、頑張れるかもしれない!


「すいません思いの外ダメージが大きかったようで」


「別にいいわよこんな奴」


落とされた。うん、やる気も何もかも落とされた。


「まっ、隷属の腕輪もつけたままだしどうとでもなるわ」


「お、おい…外してくれるんだよな?…ですよね?」


俺のそんな問いかけにティアはニィと口を歪める。

そんなティアの笑顔に…俺は不覚にもドキッとしてしまうのであった。


「嫌よ」


「ちくしょおおお!」


「【黙りなさい】」


「おおーーむぐ!?」


悲痛な叫びを上げていたところを自分の意思とは別に口が閉じてしまう。くっ!これが隷属の腕輪の力か!恐ろしい!


「ふふっ、いまのあなたの立場を理解したかしら?」


「ティア!いい加減にしないと怒りますよ?」


「はーい、【喋っていいわよ】」


「ぶはあ!」


あーやっと口を開けられる。口呼吸最高。


「すごいなこれ。魔法とかも封印されるのか?」


「はい、厳密には魔力を使わせないようにするだけですけど」


「ん?それだと魔力消費のないスキルとか使えるんじゃないか?」


「まあ確かに使われちゃいますけど、そんなスキルに殺傷力は無いですから」


「なるほど。…聖剣召喚」


俺はどの程度まで使えないのかと思い、スキルを試してみる。


「おお、マジで使えん」


これは厄介だな。全く使える気がしない。まるで水を使おうとして蛇口をひねっても、元栓を止められているような感覚。どう言う原理だ?深層意識への介入?それとも魔法を発動させる特殊な器官があるのか?不思議だ。流石異世界。


「と、言うわけなので!頑張ることね」


「すいません、お願いします」


そう言って2人とも帰っていった。ティアの幸せそうな笑い声を残して……。



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