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そしゃげのおうさま!!  作者: 速翼
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7話 軽い女神

僕達は神殿へ向かうため城に入り、地下にある専用転移門(ゲート)の前に来た。この専用転移門(ゲート)は神殿と城を繋ぐ門で、この世界ではかなり貴重なアイテム。消耗品では無いが1度設定するとそこ以外と繋げない為、転移先は容易には決められない。


「神殿ってどこにあるんだ?」

「それは未だ解明されていません。ここに繋がった(ゲート)があるにもかかわらず、どうやって繋いだのか、そもそも神殿はどこにあるのか。何一つ解明されていません。それにこの(ゲート)を使えるのは陛下だけでして。そもそもどんな場所なのかも私には不明です。お力になれず申し訳ございません」


ミラが90度折り曲げて謝罪する。この(ゲート)はゲームにあった神殿をこの世界に繋げるために生まれたこの世界のオリジナルなのだろう。まぁ、ゲームでも神殿は邪なる者は近づくべからず。って言われてたからな、攻略さんがだけど。


「いや、いいよ。別に知ったからといってどうかなる訳では無いし。ただ気になっただけ」

「ルクス様ぁ。私はルクス様の優しさに感動してますぅ」

「そうか。なら僕もミラの献身っぷりに感謝してるよ」

「と、とんでもないです!!私はただルクス様に尽くしたいだけでして、とてもあんな事やこんな事が出来る関係にぃなんてこれっぽっちも...思ってない事は無いですがしかし私は──」


少し感謝しただけなのに、ミラは早口でどんどんと独り言を重ねる。全然終わる気配が無いので取り敢えず一声だけ掛けて神殿に行く事にした。


「じゃ、行ってくる」

「そうですね、子供は20人程は欲しいですね。私も頑張るのでルクス様もいえ、お父さんも頑張って下さいね、なんて。そしてルクス様が子供達に剣を教えているのを私はニッコリと微笑みながら見て──」


ミラの独り言は終わっていなかった。子供はそんなに要らないからな。

僕は(ゲート)に入った。(ゲート)は特別、異次元空間がある訳では無く潜ると直ぐに神殿に着いた。


「なんていうか...うん。神殿だな、うん」


(ゲート)を潜った先すぐに石階段があり、そらを登ると白い石柱、この場所一帯を覆う大きな屋根。見紛うこと無きthe神殿。

石階段を登ると祭壇があった。そこに丸い凹みがある。


「あれに、メダルを置くのか?」

「そうよ」

「うぉっ!?」


何者かにいきなり声を掛けられ心底ビビる。恐る恐る振り返ると緑の長い髪に、露出度が高く全体的に白い服に身を包み、頭の上に淡く光る輪があるいかにも天界の者です。ってな感じの人が立っていた。補足すると出る所は出てる。


「びっくりさせちゃった?ごめんねー」

「誰?人?」

「神です」

「何故タメ口?」

「打ち解けやすいでしょ?」

「ここは?」

「神殿」

「何する所?」

「お祈りする所」

「バストは?」

「秘密」

「ウエストは?」

「秘密」

「ヒップは?」

「怒るわよ?」


後半無意味な質問ばかりでしかも会話とは呼べない会話をするほど僕は落ち着いている。何故なら


「ノーデンス?」

「うん、そうよ?」


『決断のレガリア』で☆1のキャラ『ノーデンス』。☆は1だが絵は可愛いくて、好きなプレイヤーも多かった。しかもノーデンスに装備させたアイテムは確率で進化したり、増加したりする。何気に使えるキャラなのだ。無課金には。


「このメダルでアイテム交換出来るらしいから、やり方を教えて欲しい」


僕はポケットからメダルを取り出すとノーデンスに見せる。


「ああ、はいはい。了解。こっちおいで」


ノーデンスは僕の手を引いて祭壇の前まで移動する。そして両手で僕の腕を持ちメダルを祭壇の凹みに置かせる。両手で僕の手を持ってるのでたわわなメロンも当たっている。


「へぇ、ムッツリか」

「え?」


ノーデンスは悪い笑みを浮かべる。コイツ試してやがった。胸当てはわざとか。


「胸が当たっているのに何も言わないのはこのままにしといて欲しいから?ね?そうなんでしょ?」


くっ、うざい。自ら胸を触らせるなんてどこのエロ漫画だよ。


「あの、それよりメダル」

「今、目逸らした」

「メダルを...」

「別に怒ってるわけじゃないんだからさ」

「...メダル」

「ただ普通の女の子の胸を見たら、君の胸ぐらを掴まれるだろうけど」

「メダル!!」


僕が怒鳴ってやっとノーデンスが黙る。そうだよムッツリだよ。悪いか!!なんて口が裂けても言えない。え?まさか


「まさかこれがメダルの対価?」

「不満?」

「マジで?うわぁ」


僕はショックで座り込む。メダルと交換した対価がうざったいアンラッキースケベだったとは。


「冗談よ、アイテムと交換って自分で言ってたでしょうが。それよりうわぁって何?失礼じゃない?」

「しつこいんだもん。恥じらえよ。揉みしだくぞ?」

「それは引くわ」


ノーデンスは己の肩を抑え軽蔑の目で見てくる。冗談なのだが。取り敢えずメダルの対価はちゃんとあったようだ。



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