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精霊斧士 ~流浪の冒険者~  作者: シャイニング武田
十章 共に立つ者 支える者 石身の勇士編
285/355

二百八十四話 石の拳は黄金の風を切り裂いて

 

 (本物はやっぱ違うな)


黄金の竜巻の中央で、コウユウはそんなことを思っていた。

吹き荒れる暴風により体を転がされ、目まぐるしく体の向きが変わっているというのに、見える景色は変わらない。

どこを見ても金色の輝きが広がっているのだ。

その黄金の輝きを通して、外の景色が薄らと見えるが、視点が定まらないコウユウには何が見えているのか判別できない。

コウユウは竜巻というより、砂嵐の中にいる気分であった。


「はは……」


コウユウは笑った。

否、笑っているのは声だけで、目と口は笑っていない。


(舐めすぎた。まさか、視界がこんなに悪いなんて考えていなかった)


コウユウは、自分の行動を後悔し、戦うことを諦めかけていた。

実はコウユウにはある思惑があった。

水の球体の中で姿勢を保つ修行の最中に考え出したものであり、成功すればリオダイナを倒す可能性は大きい。

それを実行するため、あえて姿勢を保つことをしなかったのだが、誤算が生じた。

それは、視界の悪さだ。

修行の時は透き通った水で行われ、視界は悪くはない。

そのためか視界の悪さは考慮せず、コウユウの思惑は無謀な策となってしまった。

彼女の思いついた策はリオダイナが攻撃してくる瞬間に実行される。

すなわち、リオダイナの位置を把握していることが重要なのだ。


(ここまで来て……あと少しってところでダメなのか……)


コウユウは、ゆっくりと目を閉じた。

彼女にとってリオダイナに勝つには、策を成功させることが唯一の方法。

その実行が絶望的になった今、負けたも同然である。

コウユウは、固めていた左右の拳を解き、終わりが来るのを待つ。

目を閉じたことにより、コウユウは本当に何も見えなくなった。

そんなコウユウには、ある光景が思い浮かんでいた。

それらは、ここ数日の事。

セアレウスと会った日からの出来事だ。


(真面目ぶって説教たれてきて……変なやつだったなぁ)


初めて会った時のことは、妙に懐かしく思え、コウユウは自然と笑みを零した。

ここ数日を振り返ると、いつも自分の傍にはセアレウスがおり――


(ここまで来れたのは、ほとんどがあいつのおかげ……か)


助けられてばかりであったとコウユウは思った。

ふと、コウユウは目を開いた。

この時を待っていたなどということはなく偶然である。

目を開いた時、黄金の輝きが薄いところを通して、コウユウは見た。

観覧席から自分を見るセアレウスの姿を。


(……! 何やってんだ! あたしは! )


瞬間、コウユウは目を見開き、左右の拳を握り締めた。

セアレウスが自分を見る表情は悲痛なものであった。

その表彰を見た時、コウユウは胸に激痛が走った。

自分のせいで、そんな表情をしているのだと。

そんな自分に対して、コウユウは怒りがこみ上がった。


(情けない。あいつの姿が見えないからって! )


コウユウは、右の拳を強く握り締め――


「ふぅ……」


ゆっくりと息を吐いた。

拳を握り締めたのは、それをリオダイナに叩き込むため。

息を吐いたのは、熱くなった気持ちを落ち着かせるためである。

コウユウは、諦めかけた自分の策を実行する準備に入ったのだ。

金色の輝きの中、リオダイナの位置を把握することは困難である。

故に、コウユウは諦めかけた。

しかし、困難というだけで不可能ではない。

視界の悪い中でも、彼女の位置――姿を捉えることができる瞬間が予想できる。

それは、コウユウに拳を放つ一瞬。

その時、リオダイナはコウユウに接近するため、視界の悪い中でも見えるだろう。

コウユウは、その一瞬に反応するために気持ちを落ち着かせ、精神を研ぎ澄ませるのだ。

リオダイナの攻撃に備えるコウユウ。

ここで、彼女以外の者は疑問に思うことがあるだろう。

はたして、風に転がされ、あべこべに体を振り回された状態でリオダイナの攻撃に反応できるのかと。

この疑問にコウユウが答えるとすれば、問題は無い。

何故なら、コウユウはセアレウスとの修行により、悪環境でも姿勢を保つ能力が鍛えられたが、同時に空間認識能力も鍛えられていた。

コウユウは、体が様々な方向に回転している今の状況で、空と地面の方向を把握しており、先ほど見えたことにより、セアレウスがいた方向も覚えている。

すなわち、一度見えてしまえば、位置を把握したも同然なのだ。

やがて、黄金の竜巻が収縮を初める。

その変化を気にすることなく、コウユウは待つ。

そして、目まぐるしく変わる視界の中、コウユウは捉えた。

接近し、拳を引き絞るリオダイナの姿が。


「見えた! 」


その瞬間、コウユウは全身に力を入れ、無理やり姿勢を固定し、思いっきり頭を横に傾け、右の拳を引き絞る。

この時、コウユウの目の前にはリオダイナがおり――


「なにっ!? 」


彼女は驚愕の声を上げた。

自分が突き出した拳が、コウユウに躱されたからだ。


「ぐっ……!」


しかし、放たれたのは、黄金の竜巻の遠心力により強化された必殺の一撃。

拳の余波で、コウユウの頬は切れ、そこから血が滴り落ち、三つ編みを留めていた赤いリボンが解けた。

赤いリボンは空へと舞い上がり、コウユウの髪は広げた扇のように広がる。


「うおおおおおおっ!! 」


思い描いていた時が訪れ、コウユウは雄叫びを上げ、思いっきり右の拳を突き出した。

放たれた拳は、まだ残っていた黄金の輝きを弾き飛ばしつつ、灰色の色に染まる。


「ぐうぅ! 」


コウユウの身外甲を纏った渾身の一撃は、リオダイナの頬に命中した。

流石のリオダイナにも大きなダメージが入ったのは確実だが、彼女は頬に拳を押し付けられつつも、コウユウを睨み続けていた。

リオダイナは、まだ倒れない。

しかし、それはコウユウにとって想定済みのこと。

そして、コウユウの真の渾身の一撃が放たれる。

この一撃をリオダイナに当てることが、コウユウの理想。

彼女の策は、成功したのだ。


石弾破甲撃(せきだんはこうげき)! 」


コウユウは、右の拳を覆っていた身外甲を弾き飛ばした。

乾いた強烈な音と同時に、コウユウの目の前からリオダイナの姿が消える。

否、消えたように見えるほど、彼女の体は吹き飛んだのだ。

数秒も経たず、リオダイナは闘技会場の壁際の地面に落下する。


「ぐあっ! 」


その後、コウユウも闘技会場の地面に落下した。







 今のセアレウスの表情は、悲痛なものではない。

しかし、信じられないといったような驚愕の表情をしていた。

コウユウが一瞬で姿勢を固定したことなど、予想外な出来事を目撃したからだ。


「ははは……やってくれましたね、コウユウ」


やがて、セアレウスは笑いながら、そう呟いた。

この時、セアレウスはコウユウに対して、敗北感を覚えていた。

何故なら、コウユウに意表を突かれたからだ。

コウユウに修行をさせていたのは、リオダイナのアウレア アネモストロヴィロスを凌ぎきるため。

しかし、コウユウは修行で得たものをリオダイナを打ち破る策として利用した。

セアレウスはコウユウに、追い抜かされた気持ちになっていた。

そして、彼女は口を閉じ、真剣な眼差しで落下したコウユウに目を向ける。

まだ戦いは終わっていない。

セアレウスはコウユウを信じ、ただ見守ることを決めたのだ。







 「ぐっ……ううっ…」


足を震わせながらもコウユウは立ち上がる。

そんな彼女の右腕は、だらりと下がり、動かすことはできない。

石弾破甲撃は未完成であり、反動で右腕を痛めてしまったのだ。


「くっ……」


コウユウから離れた壁際でリオダイナも立ち上がる。

彼女の立つ場所の地面は割れ、そこに叩きつけたコウユウの石弾破甲撃の威力を物語っている。

それでも、リオダイナはまだ倒れなかった。

しかし――


「うっ……ああ…」


一瞬、リオダイナの体を崩しかけた。

倒れないものの、彼女に残された力は少ない。

コウユウとリオダイナは共に満身創痍の状態であった。

二人は、まだ戦いは終わっていないと言わんばかりに、互いに近づいていく。

この状況に観覧席は静まり返っていた。

種族の基礎能力で優っている相手に、獅子獣人が追い詰められている光景など前代未聞である。

コロシアムで二人の戦いを見えいる者達は、誰も踏み入れたことのない境地を目の当たりにしているのだ。

この緊張感の中、戦いを楽しむ余裕を持つ者はいない。

そんな中、コウユウとリオダイナは共に攻撃の射程範囲に到達する。

互いに拳を放ち、揃って頬に拳を受ける。

満身創痍の状態であるものの威力はある。

共に苦痛の表情を浮かべるが、まだ倒れない。

二人は悲鳴を上げる体を無理やり動かし、拳を放ち続ける。

互いに殴り合う姿は対等に見えるが、コウユウは右手を使えない。

左の拳を突き出してしまえば、コウユウは無防備になる。


「もらっ……た…」


「ぐうっ……」


その隙を狙って、リオダイナは下から拳を突き上げて、コウユウの顎を殴り飛ばした。

コウユウの体はゆっくりと後ろへ倒れていく。


「ははっ……」


その光景を見て、リオダイナは自然と笑みを零した。

彼女は、これでコウユウが倒れると思った。

それがこれ以上になく嬉しいのだ。

しかし、リオダイナは、すぐに思い知らされることになる。


「くっ……」


後ろへ倒れていたコウユウの体が止まった。

そして、徐々に前に倒れていき、その勢いは凄まじくさせ――


「うらあああっ!! 」


コウユウはリオダイナの額に頭突きした。

二人の頭部に衝撃が走り、共に動かなくなる。

この二人が動かない時間は、ほんの数秒の短い時間ではあったが、誰もが長く感じた。

そして、この長く短い時間の終わりが訪れる。


「この……タフ……め…」


リオダイナがコウユウへ悪態をつきながら、仰向けに倒れたのだ。

勝負の決着は着いたが、役員や観客達は唖然としたまま動けなかった。


「……うおおおおおおっ!! 」


そんな中、コウユウは雄叫びを上げる。

彼女の雄叫びは静まり返ったコロシアムに響き渡る。

雄叫びを耳にした闘技会場の役員はハッと我に返り――


「闘技大会初級クラス優勝者 コウユウ! 」


と、告げた。

その瞬間――


ワアアアアアアアアア!!


今年の闘技大会で一番の歓声が湧き上がった。








 ――三日後。


全ての闘技大会が終了し、表彰式が行われる。

上級クラスから初級クラスのそれぞれ上位三名が表彰された。

上級クラスの優勝者、中級クラスで優勝したベルギアが表彰される中、初級クラスを優勝したコウユウが一番注目を集めていた。

種族、実力共に格上である相手を倒すことは、どのクラスであっても困難である。

それを成し遂げたコウユウは、偉業を成した者として注目を浴びたのだ。

様々な方面から声を掛けられるもコウユウは全て断り、ようやく宿屋に帰ると待っていたのは、豪華な料理の数々であった。

コウユウの優勝を祝った食事会である。

ゴートには、賭けに勝った金があり、それを使って高価な料理を大量に用意していた。

その量は度が過ぎるほど多く、食事会に参加したセアレウス、コウユウ、キハン、ミュレイザー、ミチクサマルが必死に食べてもなかなか減ることはなかった。

ちなみに、この食事会により、ゴートは手に入れた大金のほとんどを使ってしまい、クーティに少しだけ怒られたという。

そして、数日経ち、ゾロヘイドの町を旅立つ日が訪れた。

宿屋の前には、旅立つセアレウス、コウユウ、キハンと見送るゴートとクーティの姿があった。

この場にいないミュレイザーとミチクサマルの二人は、数日前にゾロヘイドの町を出ている。

ミュレイザーはあてもない放浪の旅に、ミチクサマルは故郷を目指すという。


「はぁ……金を落としてれる客が逃げちまう」


「もう、お父さん! こういう時ぐらいちゃんとしてよ! 」


小言を言うゴートにクーティが怒る。


「相変わらずですね……」


「まぁ、ゴートがちゃんとした挨拶をしてきたら、びっくりして飛び上がっちゃうけどね」


セアレウスが苦笑いを浮かべ、キハンが微笑みを浮かべた。


「けっ、挨拶くらいちゃんと出来るわ! じゃあな、小娘共。またこの町に来たら、俺のとこに来るんだぞ」


「皆さん、お元気で。またお会いしましょう」


「はい。また来た時は必ず来ます」


「もちろん、オイラも。元気でね」


セアレウスとキハンは、町の外を目指して歩き始めた。


「ん、またね……リボンありがとう」


少し遅れてコウユウも歩き出す。

彼女の後ろで揺れる三つ編みは、赤いリボンで留められていた。


「……さてと、大会が終わっちまったから、いつもの退屈な日々が始まっちまうなぁ」


「お父さん。お客さんが来なくても、ちゃんとしなきゃダメだよ」


「へいへい」


三人の後ろ姿が見えなくなると、ゴートとクーティや宿屋の中に入っていった。

ゴートの言う通り、闘技大会の無い時期は宿屋の客はさらに少なくなる。

しかし、それは今までのこと。

この宿屋にコウユウが泊まっていたことが知れ渡り、後に有名な宿屋として世界に知れ渡ることになる。




 ゾロヘイドの町と荒野の境目。

その手前でセアレウス達は足を止めた。

彼女達の前に立ちはだかる者がいたからだ。


「リオダイナ……」


コウユウがその者の名を呟き、前に出る。

セアレウス達の前に現れたのはリオダイナであった。


「貴様は何のために強くなろうとしている? 」


コウユウが目の前に立つと、リオダイナはそう訊ねてきた。


「……あたしには、目標としている人物がいる。その人を守りたいのと……」


コウユウはチラリと後ろを見た後――


「勝ちたい奴がいるから……かな」


と言った。


「そうか……はぁ…」


リオダイナは空を見上げるとため息をつくかのように息を吐いた。


「我は、ただ最強というものを目指していた。自分の……ためだけに。今はそうするしかない」


そう言うと、リオダイナはコウユウの横を通り抜けていった。

そのまま歩き去ろうとするが――


「待て。なんで、聞いたんだ? 」


コウユウに呼び止められると、リオダイナは足を止め――


「貴様が強くなろうとする理由を聞けば、貴様のようになれると思ったから……貴様に勝ちたいからだ」


振り返ることなく、そう答えた。


「我の目標は貴様にさせてもらう。次戦う時が来れば、勝つのは我だ。その時まで、さらばだ。コウユウ」


リオダイナは再び足を動かし、コウユウ達から歩き去っていった。

一人歩くリオダイナの姿をしばし見つめた後、町の外の荒野へとコウユウ達も歩きだした。







 荒野に出て少し歩いたところで、セアレウス達は足を止める。


「あたしは、このままユンプイヤを旅する」


「オイラもしばらくはダンナについていくよ」


「そうですか。わたしは、この大陸を出ます。ここでお別れですね」


セアレウスとコウユウは、目指す場所が異なり、別れの時が訪れたのだ。


「えーっ!? オオダンナも一緒に行こうよ」


「そうしたいのは山々なのですが……」


「別のところに行くんだろ? キキョウ? ネリィ? 」


コウユウがセアレウスに、そう訊ねた。

彼女の課題である闘技大会優勝を手助けすることが、セアレウスの目的であった。

その目的を果たした今、次の目的はキキョウかネリーミアのどちらかの協力である。

そのことをコウユウは察していたのだ。


「それは、まだ分かりません」


「そっか。ネリィ……は良いけど、キキョウには気をつけろよ」


「はい? 」


セアレウスが首を傾げる。


「あいつのことだ。きっと、あんたを虐めに来るに違いない」


「あー……はい、気を付けます」


「おい! 適当に流すな! 本当のことだからな! 」


セアレウスの返事が適当に聞こえ、コウユウは僅かに怒鳴る。


「ま、キキョウのことはどうでもいいや。ほい」


コウユウはセアレウスに右手を差し出した。


「この手は……? 」


「握手だよ。その……あんたには色々と世話になったからな……感謝してる」


コウユウが顔を逸らしながら言った。

頬は僅かに赤くなっており、気恥ずかしい様子であった。


「ふふっ、当然のことをしたまでですよ」


セアレウスは、そう言うとコウユウの手を握り握手を交わした。


「へっ! カッコつけて……言っておくけど、あたしはあんたより強くなるからな」


「はい。頼もしいです」


「ふ、ふん! 」


コウユウは乱暴にセアレウスから手を離すと、背を向ける。


「……アニキほどじゃあないけど、あたしはあんたを認めてる。もし……他の二人が否定しても、あたしはあんたの味方だから」


「え? どういうことですか? 」


「……そのうち分かる。またな、セアレウス」


「ダンナ達には、やっぱ何かあるんだね。またね、オオダンナ」


コウユウとキハンと共に、セアレウスの元から歩き去っていった。


「よく……分かりませんが、また会いましょう! コウユウ! 」


セアレウスは、遠ざかっていくコウユウの背中に目掛けて手を振った。

彼女の声が聞こえたのかキハンは両手を大きく振り、コウユウは振り向かず片手を上げて答えてくる。

それらを見たコウユウは満足げに微笑むと、セインレーミアに戻るため、海岸を目指す。

自分やコウユウと同じ別の誰かの元へ向かうために。




十章 コウユウ編 完


次回からセアレウスは誰の元へ向かうかお楽しみに

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