表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊斧士 ~流浪の冒険者~  作者: シャイニング武田
九章 彷徨うアックスバトラー
237/355

二百三十六話 村の番人

 水田にて、奇妙な獣人を倒したイアン達は、その場の後始末を人鴨族の者に任せ、砦の最上階に向かった。

そこで、カモの親分に、奇妙な獣人を倒した事を伝えた。


「ガガアッ! 本当に倒してくれたのか! 」


カモの親分が目を丸くする。

イアン達に退治を任せ、きっと倒してくれると信じていたが、思ったよりも早く終わったことに驚いているのだ。


「うむ。これで、水田に変な者共はいなくなった。村人達も立ち入ることができ、米の収穫ができるだろう」


カモの親分の前に立つ、イアンがそう言った。


「グワァ、ありがとう。これで、ようやく…」


カモの親分は、踵を返す。


「ようやく、村長に水田の立ち入れることを連絡できる…長かった…」


カモの親分は、窓の外に目を向けると顔を上げ――


「…しみじみ……」


と、呟いた。


「「「…しみじみ……」」」


他の人鴨族の者達も、顔を上げ、同じ言葉を呟く。


「……それで、オレ達は今から、フィニイッド村に戻る。ついでに、村長へ連絡もしようか? 」


「ガア…それは、助かる。何から何まで頼りっぱなしで悪いが、頼んだ」


「分かった。そろそろ夕暮れ時になる。早速、ここを出るとしよう」


イアンが踵を返して歩き出すと、ロシとマコリアも彼に続いて歩き出す。

すると、数歩歩いたところで、イアンが足を止め、顔を振り向かせて、カモの親分を見た。


「ところで、おまえ達はずっとこのままでいいのか? 」


そして、カモの親分に問いかけた。


「……ガア…わし等は…」


カモの親分は、口を開いたところで、子分である人鴨族の者達を見回した。

皆、顔を引き締めた状態で立っていた。

その姿勢から迷いは無いという意思を感じ取ることができる。

しかし、カモの親分の表情は曇り出す。

何故なら、気丈に振舞っているものの、皆、瞳を僅かに揺らしているからだ。

カモの親分も彼らと同じ気持ちである。

しかし――


「このままでいよう……それが、村長の……村の人達のためにもなる…」


と、イアンの目を見据えながら、カモの親分は答えた。


「そうか…」


イアンは一言だけ、そう呟くと、顔を正面に向けて歩きだした。

カモの親分は、去っていくイアンの背中を見続ける。

やがて、イアン達は螺旋階段を下り、姿が見えなくなった。


「……グワァ、わし等にできることは、この砦から水田を守るのと――」


カモの親分は、そう呟きなら歩き出す。

すると、南側にある砦の窓に立った。

そこから、フィニイッド村の様子がよく見える。


「ここから、村を見守ることしかできん…これで、充分だ…」


カモの親分は、村を眺めながら、そう呟いた。








 空が赤く染まりだした頃。

イアン達は、フィニイッド村に辿り着き――


「――ということがあった。もう水田に入れるぞ」


村長の家の中で、水田地帯へ行った時の出来事を話した。

以前、村長の家に来た時と、同じように彼等は椅子に座っている。


「そ、そうか……魔物のような者がいたのならば、仕方ない」


イアンの報告を聞いた村長は、安堵した様子でそう言った。

その後――


「それと、申し訳ない。わしが番人達の姿を口にしていなかったばかりに、余計な苦労をさせたようだ。あと、番人達にも…」


村長は、イアン達に頭を下げた。

イアン達が人鴨族との戦闘をした原因は自分にあると、村長は感じていた。


「そうっスね。でも、終わったことだし、もう気にしなくていいっスよ。ね、二人共? 」


マコリアが、ロシとイアンを交互に見る。


「マコさんの言う通りです。終わりよければ全て良し、ということで」


「うむ。それに、ちゃんと手当もしてある。彼等のことも心配する必要はない」


ロシとイアンもマコリアと同じように、村長に自分を責めないよう促す。


「……すまん、本当に感謝する」


村長は、下げた頭を更に深く下げた。

程なく、村長はゆっくりと頭を上げる。


「おぬし達には、何かを差し出さねばなるまい。米が欲しいと言っていたが、それで良いのか? 」


村長は、イアンに顔を向けると、そう訊ねた。


「ああ、米がいい。しかし、米はすぐに用意できないのでは? 」


「いや、実はこの村の西側に、倉庫がある。そこに村の者達が使う分の米が保管されているのだ。そこから、好きなだけ持っていくがいい」


「やった! 好きなだけ、持って行っていいみたいっスよ! イアン先輩」


村長の言葉を聞き、歓喜の声を上げるマコリア。


「ようやく米が手に入る……が、マコよ。ものには、限度というものがある。取り過ぎはダメだ」


「そのくらい分かってるっスよ。さ、村長さん、早速倉庫に案内してくださいっスよ」


「うむ。わしが行かなければ、おまえ達は盗人になてしまうからな。共に行こう」


村長が椅子から立ち上がった時――


「キャアアアアアア!! 」


遠くの方から、女性の悲鳴が聞こえてきた。

その悲鳴を耳にしたイアン達は、一斉に椅子から立ち上がる。


「今のは……村の者の声だ。広場から聞こえてきたぞ…」


村長が神妙な面持ちで、そう呟いた。


「夕方…村人達が畑から帰ってくる時間でしょうか? 」


「うむ…この時間帯になれば、村人は帰ってくる。とにかく、何かあったようだ…」


ロシの問いかけに、村長が答えた。


「つべこべ言っている場合ではなさそうだ。オレ達が広場に行き、様子を見に行ってくる。村長は、そこ以外の村人を」


「分かった。すまないが、そちらは頼んだ」


イアンの言葉に、村長は頷いた。


「ああ。では行くぞ」


イアン達は、村長の家を飛び出し、村の中心部に位置する広場に向かって走り出した。







 イアン達が、広場に辿り着くと、そこには逃げ惑う村人達の姿があった。

走る村人とすれ違う中、イアンが原因を探そうと、広場を見回すと――


「へへっ! 金目の物、食い物を出せ! 」


「ヒャオウ! 」


手に、刀身の短い剣を持った男たちが村人を追い回していた。

彼等の姿は皆、みすぼらしい服装で、その姿と行動から、盗賊であること判断できる。


「盗賊達の襲撃……そんな、この辺には、盗賊はいないはず…」


ロシが、眉を寄せながら、そう呟いた。


「実際に今、盗賊が目の前にいる。村人達を守るぞ! 」


イアンは、そう言うと盗賊の一人に向かって走り出した。


「うひひっ! 」


その盗賊は、村の女性を執拗に追い掛け回していた。

イアンは、その女性と盗賊の間に入り込み、右手に持った戦斧を構える。


「うおっ!? なんだぁ、お嬢ちゃん。俺と戦う気かい? 」


盗賊はイアンを見て、頬を吊り上げる。

どうやら、村の娘だと思っているようだった。


「そのつもりだ、覚悟しろよ」


イアンは、戦斧を振りかぶった後、盗賊の横っ腹目掛けて振るった。

盗賊は剣を縦に構え、軽く受けようとしたが――


「……!? な、なんだ、この力は!? 」


思った以上にイアンの力が強く、簡単に剣を弾かれてしまう。


「ふっ! 」


その隙に、イアンは戦斧を縦に振るい、盗賊の胸から腹を切り裂く。


「――!? 」


盗賊は悲鳴を上げることなく、絶命した。


「…え…あ、ありがとうございます! 」


その盗賊に追われていた村の女性は、イアンに頭を下げて、村の奥へ走り去っていった。


「うむ、次だ」


イアンは、別の盗賊目掛けて走り出した。



「あ、あわわ…」


一人の村の男性が、家の壁に背中をつけ、へなへなと腰を下ろしていく。


「へっへっへっ…」


「やっぱ、弱い奴を狙うに限るよなぁ…」


「観念しな」


その村の男性は、三人の盗賊達に追い詰められていた。


「大人数で、一人に寄ってたかって……恥ずかしくはないのですか? 」


彼等の元に、ロシがやって来る。

ロシの両手には、一本のメルガフロラクタが握られていた。


「ちっ、村の中に戦える奴がいたか…」


三人の盗賊は、一斉にロシの方へ体を向けた。


「構うこたぁねぇ! 」


「数はこっちが上なんだ! 一斉にかかれっ! 」


三人の盗賊は、ほぼ同時にロシへ飛びかかった。

ロシは、その光景を目に映しながら、ゆっくりとメルガフロラクタを振りかぶり――


「はあっ! 」


思いっきり横へなぎ払った。


「「「ぐぅえ――!? 」」」


すると、飛びかかっていた盗賊達の腹が切断され、地面に転がる。


「ふぅ、この程度ですか……さ、もう安全です。早くここから逃げてください」


ロシは、メルガフロラクタを下げ、村の男性に微笑みかける。


「ひっ! 助けてくれーっ! 」


村の男性は、顔を引きつらせ、悲鳴を上げながら走り去っていった。


「……なんか、思ってたのと違いますね…」


村の男性の反応に、ロシは僅かに肩を落とした。


「…さて、まだ盗賊達はいます。頑張りましょう」


ロシは、そう呟くと、村人を追いかける盗賊の元へ向かった。



キーン! キーン! キーン!


村の広場に、連続した金属音が響き渡る。


「うっ、なんだ!? 」


「体が……重く!? 」


その金属音を耳にした盗賊達は、足が重く感じ、うまく走ることができなくなった。


「ふっ! 」


「はあっ! 」


それぞれの盗賊達に向かって、イアンが戦斧、ロシがメルガフロラクタを振るった。

体を切り裂かれ、或いは、体を切断されて、盗賊達は絶命する。


「ひひひ! 一体一体狙うのは、ちょっと厳しいっスからね。マコっちが身体の能力を下げて、あとはイアン先輩とロシさんに任せるっスよ~」


マコリアは、トライアンダッグによる旋律魔法で、盗賊を弱らせていた。

彼女の旋律魔法のおかげで、多くの村人達は逃げ延びることができていた。


「くそっ! おかしな魔法を使いやがって! 」


一人の盗賊がマコリアに目をつけ、彼女目掛けて剣を振るう。


「おっと! 」


マコリアは、その盗賊の剣をトライアンダッグで受け止めた。


ギィィーーン!


その時、剣がトライアンダッグを打ちつけたことによって、強烈な音が発生する。


「……!? ぎ…な、なんだぁ!? 」


その音を異近距離で耳にした盗賊は体を震わせ、身動き取れなくなってしまう。


「それっ! 」


「――!? 」


マコリアは、動けなくなった盗賊の喉に、エストックビーダーを突き刺した。

喉を突かれ、盗賊はその場に崩れ落ちる。


「不快音……マコっちに、武器で攻撃するのは危険っスよ~」


マコリアは、絶命した盗賊に向かって、そう言うと、再びトライアンダッグによる旋律魔法を行使し始めた。

彼等、三人の活躍により、盗賊達は次々と倒されていき、村人も広場から逃げ去っていく

しかし――


「……む!? しまった! 」


北の道へ逃げた村人達を追いかける盗賊達がいた。

イアンは、そこから離れた場所にあり――


「くっ、ここからでは…」


「マコっちの旋律魔法も届かないっス! まずいっス! 」


ロシも遠く離れており、マコリアの旋律魔法も届かなかった。


「……だが、今から走れば間に合うかもしれん。ロシ、マコ、ここは任せたぞ! 」


イアンは、北の道に逃げた村人を救うため、駆け出した。

幸い、村人と盗賊の距離は離れており、盗賊が村人攻撃するよりも早く、イアンが追いつきそうに見えた。


「へへっ! 」


「ここは、行き止まりだぜぇ! 」


村人達が村から出る数十歩手前、そこで村人達の前方に二人の盗賊が現れた。

どうやら、村の外にも潜んでいたらしく、逃げた村人を始末する役目を持った盗賊達のようであった。


「くっ、馬鹿な……まだ、そこにもいたのか…」


突如、現れた盗賊達を目にし、イアンは絶望する。

イアンは間に合わなかったのだ。

このまま彼は、盗賊達によって村人を惨殺される光景を見るしかできないだろう。


「ぐわっ――!? 」


「ぎゃあ――!? 」


人の断末魔が、イアンの耳に入る。


「なにっ!? 」


そして、イアンは驚愕した。

二人の人間の断末魔が発せられたわけだが、その声を発したのは村人ではなく、盗賊達であったのだ。


「ガアアーッ! 村を襲うとは、許せんぞーっ! 」


絶命した盗賊達の側には、カモの親分が立っていた。

彼の手には、打撃部の先端が尖ったハンマーが握られており、それを盗賊達に打ち付けたのだ。


「ガアアーッ! 」


カモの親分は、唖然とする村人達の横を通り抜け――


「ぐえっ――!? 」


「あっ――!? 」


彼らを追っていた盗賊達にもハンマーを打ち付ける。


「おまえ……何故、ここに? 」


イアンがカモの親分の元に向かい、そう訊ねる。


「ガア、砦から村を眺めていたら、盗賊に襲われているのに気づいたのだ。最初は行くのを躊躇(ためら)ったが……」


ドンッ!


「ガアッ! いても立ってもいられなくなった! 」


カモの親分は、ハンマーの柄の先を地面に打ち付けながら、そう答えた。


「ふっ、おまえは……おまえ達は、水田の番人だけではなく、村の番人にもなったのだな」


「ガガアッ! そのつもりだ! 」


「ならば、オレ達はおまえに加勢しよう。共に村を救うぞ! 」


「ガアッ! 」


イアンとカモの親分は、広場に向かって駆け出した。







 ――夜。


フィニイド村は、静寂に包まれていた。

広場には、多くの盗賊達が転がっている。

皆、体のどこかを損傷しており、例がなく絶命していた。

その死体の中に、村の者はいない。

イアン達とカモの親分が盗賊に立ち向かったことで、犠牲者はでなかったのだ。


「「「ありがとうございます! 」」」


村長の家の前に、多くの灯りが灯っていた。

その灯りの一つ一つは、村人が手にした松明である。

彼等は、一人の人物を取り囲んで、口々に感謝の言葉を漏らしている。

村人達が取り囲んでいるのは――


「ガ、ガアッ!? な、何故…これはどういう…」


カモの親分であった。

彼は、何故自分が村人達に感謝されているかが理解できず、目を白黒とさせている。


「何故って、あんたはオレ達を助けてくれたじゃないか! 」


「ええ。それに、あなた達は、私達の水田も守ってくれてるのでしょう! いつもありがとう! 」


村人達は、カモの親分に構わず、感謝の言葉を言い続ける。


「グ、グワッ!? 何故、そのことを……村長! 」


カモの親分が村長の方に顔を向ける。

村長は村人達から遠く離れたところにおり、そこから皆を微笑ましく見ていた。


「すまんな、グァグァーリン。おまえ達を隠し通すことはできていなかったのだ。おまえ達の存在に気づいた者達には、密かに教えていたのだよ…」


村長は僅かに申し訳なさそうな顔をした。


「それで……これでも、おまえ達は姿を隠し続けるか? この村の中に、おまえ達の姿を気にする者はいない。ただ、おまえ達が決めつけていただけなのだ…」


「ガ、ガアッ……そんな…」


カモの親分――グァグァーリンは、村長の言葉を耳にし、涙ぐむと――


「グ…ワァ……うおおおおおおっ!! 」


大声を上げて泣き出した。

涙が溢れぬよう、目元を腕で覆い隠すが、涙はボロボロと地面に滴り落ちていった。


「ふふっ……良かったなぁ…長かったなぁ…」


村長も頬を涙で濡らしていた。

自分達の容姿に悩み、放浪し続けていた人鴨族。

彼等が、ようやく安住の地を見つけた瞬間であった。


「……あれ? そういえば、他にも誰かいたような…」


一人の村人が、この場にいない者達の存在に気づく。


「村長、ご存知ありませんか? 」


その村人は、村長に訊ねた。

すると――


「ああ、いたさ。でも、もうこの村にはいない。米を貰ったら、とっとと出て行ってしまったよ…」


と答えた。


「そうですか……感謝の言葉を言ってませんので……残念です…」


村人はそう呟くと、グァグァーリンの元へ向かった。

村長は、その村人の背中から視線を外し、西の夜空に目を向け――


「やることやったら、すぐに去る……まさに旅人よな…」


と、誰に言うことなく呟いた。







 フィニイッド村の西の草原。

そこに、一点の灯りがあった。

その灯りは、周りを照らす目的ではない。


「よし、そろそろだろう…」


調理するための火によって出来た灯りであった。

イアンは、火にかけていた鍋の蓋を外す。

すると、その鍋の中のは、真っ白に輝く米があった。

彼は、米を炊いていたのだ。


「うわぁ……って、なんだが水っぽいっスよ。やっぱ、水を入れすぎたんっスよ」


鍋の中を覗いたマコリアが、不満な表情でそう呟く。

この場には、イアンとマコリア、ロシの三人がおり、鍋を囲んで座っていた。


「いや、これでいい。これは粥というものだ」


イアンはマコリアにそう言うと、鍋の中に木製のお玉杓子を入れる。

その調理道具によって、粥を掬い、器の中に入れる。


「ほれ、ロシ」


「ありがとうございます。いただきます」


イアンから器を受け取り、ロシは粥を口の中へ運ぶ。


「これは……優しい味だ。何故だが、目頭が熱くなりますね…」


ロシは、顔を俯かせる。

しかし、粥を口に運ぶ手は止まっていなかった。


「お、おおっ…美味いっスか。イアン先輩、マコっちにも…」


マコリアは、両手を差し出す。


「ほれ」


その手の上に、イアンは粥の入った器を置いた。


「へへ…じゃあ、早速いただきますっス」


マコリアは粥を受け取ると、口に運んだ。


「……うん? これは……美味い! なんだろう? 米ってこんなに美味しかったっけ? 」


疑問を口にしながらも、マコリアはどんどん粥を口の中に運んでいき――


「イアン先輩、おかわり! 」


と、空になった器をイアンに差し出した。


「……私もお願いします…」


ロシも空になった器を差し出してきた。


「むぅ……おまえ達、食うのが早すぎるぞ。オレが食えんではないか…」


イアンは、そう言いつつも差し出された器を受け取り、粥を器の中に入れる。

美味いと言われて、悪い気はしなかったのだ。


「ロシよ。しばらくは、粥を食ってもらう。この料理は、病人であるおまえに適しているのだ」


「分かりました」


「マコっちも、ずっとこれでいいっスよ」


「うむ……いや、マコはもっとしっかりした物を食え」


頷きかけたイアンだが、マコリアはこの料理を食べる必要はない。

その後、イアン達はしばらくの間、粥を食べ続け、やがて就寝した。




2016年10月26日―誤字修正

くっ、馬鹿な……まだ、そこいもいたのか… → くっ、馬鹿な……まだ、そこにもいたのか…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ