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精霊斧士 ~流浪の冒険者~  作者: シャイニング武田
八章 都市探偵 ――奇怪事件と異様な骨董品――
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百九十六話 変わった後輩との付き合い方 前編

 ファインディション学院に登校すると思われたリトワが、ヴィクターの通うブラッドウッド学院に編入するという衝撃的な事実を聞いた日の夕方。

この日は依頼がなかったため、イアン、ヴィクター、リトワはそれぞれの帰路についた。

そのうちのヴィクターは、探偵事務所があるケージンギアの南側に家がある。

帰路についた彼は今、その南側に向かって歩いていた。


「……」


彼が歩いている街路が人通りが少ない。

それに加え、目に付く店が無く、ヴィクターは寄り道せずに黙々と歩き続ける。


「……ん? 」


そんなヴィクターは、後ろが気になるのか、時折顔を振り向かせては、自分の後方を確認する。


「……うーん…」


そして、後方の状況が変わっていないことを確認すると、頭を悩ませる。

彼が今、気にしていることは、普段は気にも留めない状況である。

特別なことではなく、ありふれたこと。

しかし、それは何かが一つでも、自分に関係しているものになってしまえば、気になってしまうものになるだろう。


(……何で、こっちにくるんだ? )


ヴィクターは、心の中で疑問を声を漏らした。

先程から、自分の後ろを歩く人物がいるのだ。

その人物が、彼の知らない人であれば、帰る方向が一緒のどこかの誰かになり、気にも留めないだろう。

彼は、その人物を知っている。

否、知ってはいるがよく分からないと言うべきだろう。

彼の知り合いで、気心のしれた人物であるならば、この状況にはなっていない。

例えば、彼の後ろの歩く人物がイアンであったなら、ヴィクターは気軽に、イアンに話しかけているだろう。

しかし、実際にヴィクターの後ろを歩いているのは――


「……」


昨日、出会ったばかりのリトワであった。

彼女は、ヴィクターが探偵事務所を出た時から、こうして彼の後ろを歩いているのだ。


(あいつの家は、こっちじゃねぇだろ。っていうか、何で話しかけてこねぇんだよ)


後方を歩くリトワに、頭を悩ませるヴィクター。

知り合ったばかりで、それほど仲がよくないため、彼女に話しかけられなかった。


(俺が話しかけるか? いや、なんか嫌な顔されたり、無視されるとなぁ……あれ、すんげぇ傷つくんだよなぁ……)


変なところで臆病になるヴィクター。


(そいういえば、あいつの親父はクズだったな。そんなら、親子の縁切手、別の場所に住むよなぁ……)


話しかけられないため、こうして考えることしかできなかった。


(……親父か……ちっ! 嫌なことを思い出したぜ。うぜぇ! もう話しかけよ! )


ヴィクターは、とうとうリトワに話しかけることにした。


「お、おい! 」


足を止め、体を後方に向け、ヴィクターは、リトワに声を掛けた。


「ん? 何かな? ヴィクター先輩」


すると、彼女も足を止めた。

リトワは嫌な顔もせず、無視もしなかった。


「お、おう! おめぇも、家はこっちなのか? 」


内心ホッとするヴィクターは、彼女にそう訊ねる。


「そう…なんだろうね」


「……あ? なんだそりゃ? 」


ヴィクターは、リトワの答えに違和感を感じた。


「今日、初めて行くから、位置がよく分からないんだ」


「ああ、そういこと……」


ヴィクターは、リトワの言葉を聞き、彼女の後方に目を向ける。

そこには、大きなリュックサックがあった。

探偵事務所を出た時から、彼女はリュックサックを背負っており、ヴィクターは、それが引越しのためのものだと理解した。


「……」


「……? なんだい? 」


じっと自分を見つめるヴィクターに、リトワは首を傾げた。


「……いや、何でもねぇ」


大きなリュックサックのせいで、余計にリトワの背が小さく見える。

ヴィクターはそう思っていたが、口に出さないようにした。


「住所を言えよ。こっちの方なら、俺の家が近いから、分かるかもしんねぇ」


「…………いや、何とかなるから、それには及ばない。ボクのことは気にしないで、ヴィクター先輩は自分の家に帰るといいよ」


道案内をしようと提案したヴィクターだが、リトワにやんわりと断られる。


「そっか。じゃ、俺はこのまま帰っちまうぜ」


「わかったよ」


「じゃあな」


ヴィクターは、リトワの返事を聞くと、踵を返して家を目指した。




 ヴィクターの家は、アパートと呼ばれる集合住宅の一室である。


「……」


彼は足を止め、自分が住むアパートを見つめていた。

ケージンギアの南部の一帯は、大きく凹んだ土地であるため、段々になった住宅街となっている。

ヴィクターのアパートは、その住宅街の一番下の地域である。

そのアパートは、横に長い二階建ての建物で、多くのドアが横に並んでいる。

ありふれたアパートの形であり、ここは古い部類のものである。

家賃が驚く程安く、アルバイトさえしていれば、高校生でも暮らしていける場所である。

親元から離れて一人暮らしをするヴィクターにとって、優良物件と言えよう。


「……」


アパートを見つめていたヴィクターは、顔を振り向かせ、自分の後方を見た。


「……」


すると、そこにはリュックサックを背負うリトワの姿があった。


「おまえ……ここなの? 」


「そうだね。ここになるね」


ヴィクターが訊ねると、リトワはそう答えた。

どうやら、彼女はヴィクターと同じアパートに住むことになったらしい。


「お、おう、よろしくな。じゃ、俺は部屋に行くからよ。またな」


ヴィクターは、そう言うや否や、早足で自分の部屋である一階の一番左の部屋に入る。

まず入ってすぐの玄関のある部屋があり、ここには調理が行える小さなキッチンがある。

そこの部屋から、浴室やトイレに行くことができる。

次に、玄関からこの部屋を真っ直ぐ抜けると、もう一つの部屋がある。

この部屋が、ヴィクターが寝たり色んなことをする部屋で、机、椅子、タンスにベッド等の最低限の家具が置かれている。

総じて安物だが、ヴィクターにはこれで充分なのだ。

そのヴィクターの部屋の隣にも部屋があるのだが、使っていない。

彼の部屋の間取りは、そんな感じだ。


「ふぅー…やっと落ち着けるぜ」


ヴィクターは自分の部屋に入ると、椅子にドカっと座り、息をついた。


「いいところだね。素直に気に入ったよ」


「だろ? まぁ、一人暮らしにゃ、ちと部屋が多いけど……って、オイッ! 」


ヴィクターは、椅子から勢いよく立ち上がった。

そして、玄関のある部屋に目を向ける。

そこには何故か、リトワの姿があった。


「何で、俺の部屋にいんだよ!? ここに住むつもりか!? 」


「そのつもりだけど? 」


ヴィクターの問いに、当然だと言わんばかりに、彼女はすぐに答えた。


「お……」


堂々と言い張ったリトワに、ヴィクターは言葉を詰まらせる。


「ブラッドウッド学院に通うには、ポトエントラは遠くてね。だから、ケージンギアに来たんだ」


「……確かに、あそこからだと、ちょっと遠いな……じゃねーよ! 俺の部屋じゃなくても良くね? 」


「別にいいだろ? ボク一人が増えても。こっちの部屋は使われてないみたいだし」


リトワはそう言うと、ヴィクターの部屋に入り、隣の部屋のドアを開けた。


「……本当に使われてないみたいだね。ここをボクの部屋にさせてもらうよ」


彼女は、リュックサックを外すと、その部屋の中に放り投げ――


「まだ、納得していないようだから、しばらく話そうじゃないか」


その部屋のドアを閉め、ヴィクターに体を向けた。


「……いちいち俺の部屋を跨がなきゃならねぇじゃねぇか…」


「……何か、見られたら困るものでもあるのかい? 」


「うるせぇ。そんなもん……ねぇよ…」


ヴィクターは、ベッドの下をチラリと見た後、そう答えた。


「好き勝手やりやがって……納得していないだと? できるわけがねぇだろ。昨日今日知り合ったばかりの奴と、一緒に暮らせっかよ。しかも、女」


ヴィクターは、再び椅子に座る。


「お? ようやく、ボクを女として見てくれるようになったか」


「うるせぇよ……ちっ、調子の狂う奴。二階に空き部屋があるはずだ。大家に言って、そこに住まわせてもらいな」


ヴィクターは、そう言うと、上に向かって指を差した。


「……そんなに嫌なのかい? 」


彼が指を差す先を見上げた後、リトワはヴィクターに顔を向け、そう呟いた。

その彼女の顔は、心なしか寂しげで――


(ぐっ……そんな顔すんじゃねぇよ。俺が悪いみてぇじゃねぇのよ…)


ヴィクターは、罪悪感を感じてしまう。

しかし――


「おお、おお! 嫌だねぇ! 他人と同居なんざ、落ち着かなくて、嫌すぎるぜ! 」


そんな罪悪感を振り払って、彼はリトワを追い出そうとする。

ヴィクターは椅子から立ち上がると、隣の部屋に向かい、リュックサックを手に取って――


「ほれ。早く、出てけよ」


リトワに押し付けた。


「……わかったよ。ヴィクター先輩が嫌と言うのなら、仕方がない……少し不安だけど、大家に相談して、他の部屋に住まわせてもらうよ」


リトワはリュックサックを手に取ると、玄関の方に向かって歩きだした。


(ふぅ……分かってくれたか。それにしても、妙な奴だぜ。知り合ったばかりの奴と同居しようなんてよ)


リトワの背負うリュックサックを見つめながら、ヴィクターはそう思っていた。


(……なんてザマだよ。そんなにここが良かったのか? )


玄関に向かう彼女の足取りは、どこか悲しげであった。


(あいつみたいな奴ほど、一人でいたがるもんだと思う……ん? )


ヴィクターは、リトワのリュックサックを見つめていると、何かが気にかかった。

それが何かを探るため、彼は思い出そうと頭を捻る。


「……!! 」


その瞬間、ヴィクターはハッと顔を上げ――


「……」


気づいたときには、玄関のドアに手をかけるリトワの肩を掴んでいた。

その様は、彼女を引き止めるようで――


「なっ……ヴィクター先輩? 」


リトワは、突然肩を掴まれ、顔を振り向かせる。

その顔は驚愕の表情であった。


「……」


「……」


しばらく、互いの目を見つめ合う。


「……そういうことかよ…」


そして、ヴィクターは何故、自分がリトワを引き止めたかをようやく理解し――


「親父か? 」


この一言だけを呟いた。


「……」


リトワは、その一言に対し、黙って頷いた。

彼女がヴィクターと同じ部屋に住もうとする理由、それは彼女の父親が関係していた。


「……そっか。そうだよなぁ。今頃、あいつは血眼になって、おまえを探しているはずだ。おまえを捕まえて、また金を稼がせるため……自分のためにな。そんなんじゃ、落ち落ち一人で寝られねぇよなぁ…」


その理由とは、自分を探しているであろう父親を警戒したためであった。


「ったく……もしかして、オジさんに言われたな? 」


ヴィクターに訊ねられ、リトワはおもむろに口を開く。


「……うん、そうだよ。最初はジグス所長に相談したんだ。そうしたら、ヴィクター先輩を頼れって……でも、直接言うと断られるから、黙ってついていけと言われたんだ…」


「ちっ、オジさんめ! 俺がそう簡単には了解しないことを知って、わざとこうしたな。ちくしょう…」


顔を上げ、ジグスに悪態をついた後、ヴィクターはリトワに顔を向ける。


「そんで、俺でいいのかよ。正直、オジさんとこの方が、安全だぜ? 」


「そうだね」


(こ、こいつ! はっきり言いやがって)


即答したリトワに、ヴィクターは薄っすらと額に青筋を浮かべる。


「でも、ボクはヴィクター先輩の方が良いよ。今日、話して分かったんだ。安心するって」


「…………はっ! なんだそりゃ? 世辞でもいいから、こういう時は、カッコイイって言うんだよ! 」


ヴィクターはそう言うと、リトワの頭を小突き、彼女に背を向ける。


「痛っ! あはは、顔面を殴られるよりは痛くないね。次は気をつけるよ」


小突かれたリトワは笑っていた。


「ふん! 何考えてんだか分かんねぇ、変わった後輩だぜ」


リトワに背を向けるヴィクターは、そう呟いた。

この時、彼の耳は若干赤く染まっていた。

それをリトワに見られていたことをヴィクターは知らない。







 ――その日の夜。


「ふぅ……美味しかった。久々にちゃんとしたものを口にしたよ」


「おまえ……料理できないのか……」


ヴィクターの部屋で、二人は少し遅い夕食を食べ終わっていた。

彼は一人暮らしをしているため、ある程度の料理は作ることができるのだ。


「うん。最近はパンと牛乳しか食べていなかったよ」


「牛乳は飲むもんだっつの。皿、片付けるぜ」


「いや、それはボクにやらせてくれ」


ヴィクターが皿を手に取る前に、リトワが皿を重ねだした。


「……おう。そんじゃあ、水に付けといてくれや」


「わかった」


リトワは積み上げた皿を持つと、キッチンへ向かった。


(……へぇ。こうして接してみると、けっこう良い奴じゃねぇか)


ヴィクターが心の中で感心していると――


「よいしょ」


リトワは、ヴィクターの部屋に入り、ベッドの上に乗った。


「……なんだよ? 部屋に行かねぇのか? 」


「もう少し、ヴィクター先輩と話したくてね」


ヴィクターが何事かと訊ねると、リトワは総答えた。


「あ? 何を話すってんだ? 」


「そうだなぁ……ヴぃクター先輩……そういえば、姓がヒューライト……なんだね」


「……別に隠してるわけじゃねぇが……調べたのか? 」


「ちょっとね。気になることがあれば、調べてしまうものさ。それで、ヒューライトって言ったら――」


「その話……する必要あるか? 」


リトワが喋っている途中、ヴィクターはそう呟いた。


「……わかった。もうこのことは言わない……から、許して…欲しい……」


おずおすと、リトワがそう言った。

ヴィクターの顔は、しかめっ面で――


「……別に……許すもなにも、俺は怒ってねぇよ……」


明らかに不機嫌な様子であった。


「……話を変えよう。ヴィクター先輩は、学院で探偵部っていうクラブ活動そしているそうだね」


「ああ。それも調べたのか? 」


「いや、ジグス所長に聞いた。それで、ボクもその探偵部に入りたいのだけど……」


「好きしな。他にも、クラブ活動は色々あるから、それらを見た後で決めろよ」


「わかった。じゃあ、ボクは部屋に行こうかな。まだ、荷物を整理していなからね」


リトワはそう言うと、自分の部屋に入っていった。


「……さて、明日は編入初日……か。うまくやれんのかね…」


若干、後輩を心配するヴィクターであった。







 ――朝。


一番初めに行われた授業の後の休み時間。

昨夜のヴィクターの心配は的中する。


「終わったぜ。相変わらず、数学は何してんの分かんねぇぜ」


机に座るヴィクターは、大きく伸びをする。


(編入初日、初めの休み時間……今頃、あいつはクラスの奴らに質問攻め……悪かねぇ経験だと思うぜ)


腕を伸ばしながら、ヴィクターはそんなことを考えていた。

すると――


「あれ? 一年じゃね? 」


「見たことないなぁ。っていうか、ちっこいけど、可愛い顔してんじゃん」


「でも、やっぱ俺は、この前、学院に来たナースの服を来た青い髪の娘が良いんだよなぁ」


「あっ! あの娘か! すんげぇ、綺麗だったな! 」


ざわつくクラスメイトの声が聞こえた。


「今、一年がどうとか言ってなかったか? 」


ヴィクターは、揺らりと立ち上がると、クラスメイトにそう訊ねる。


「え? 教室の前で、なんか誰か探してるみたいだけど」


クラスメイトにそう言われ、ヴィクターは教室の外――廊下に目を向けた。

すると、そこにはあった――


「あ、いた。ヴィクター先輩」


リトワの姿が。

彼女の姿を視界に入れるや否や、ヴィクターは彼女の元へ早足で向かい――


「おい、バカ! 何してんだ? 早く自分の教室に戻れや! 」


と、リトワを小声で叱りつける。


「え? いや、ボクはヴィクター先輩と話がしたくて、ここに来たんだ。それで――」


「いいから、戻れって! 後で聞いてやるから! 」


「そうかい? じゃあ、戻るよ」


リトワは、自分の教室に向かって、廊下を歩いていった。


「ふぅ……」


息をつくヴィクター。


「おまえ、あの娘知ってんの? 」


そんな彼にクラスメイトは、そう訊ねる。


「……まぁな。困った後輩だぜ…はぁ…」


ヴィクターは、肩を落とさせずにはいられなかった。





「ヴィクター先輩」


次の授業の休み時間にも、リトワはヴィクターの元に訪れた。


「帰れ」


その度に帰れといっても――


「ヴィクター先輩」


「……」


また、次の授業の休み時間に彼女はやってくる。

結局、すべての休み時間に、リトワはヴィクターの元にやってきていた。

そして、放課後――


「ヴィクター先輩、入部届けを書いたので、ボクを探偵部に入れてくれ」


速攻で、リトワはヴィクターのいる教室にやってきた。


「……」


「……? どうして、受け取ってくれないんだい? うーん……どこか間違いがあるのかな? 」


入部届けの書類を受け取らないヴィクターを不思議に思い、リトワは書類を見つめ出す。


「……本当に、探偵部でいいんだな? 」


ヴィクターの口がおもむろに開かれた。


「もちろん。他のクラブ活動に興味はないよ」


「そうか……言ってなかったが、探偵部には、ある入部資格が必要だ」


「入部資格? 」


ヴィクターの言葉に、リトワは首を傾げた。


「おう。それがなきゃ、探偵部には入れさせねぇ」


「……その入部資格があればいいんだろ? 何だい、それは? 」


リトワがそう訊ねると――


「探偵には、コミュニケーション能力が必須……探偵部の活動も同じよぅ」


ヴィクターは目を閉じ、ぶつぶつと呟き出した。


「だから、それは何だい? 勿体ぶってないで、早く教えてくれよ」


彼女がそう言った瞬間、ヴィクターの目が開かれ――


「それはダチ公だ! ダチ公がいない奴に、探偵は務まらねぇ! 探偵部に入りたかったら、一人でもいいから、ダチ公連れてこいや! 」


と言い放った。

もちろん、この入部資格は、彼が今日作り出したものである。




2016年8月2日 誤字修正

「おまえ、あの娘の知りってんの? 」 → 「おまえ、あの娘の知ってんの? 」


2016年9月3日 誤字修正

「おまえ、あの娘の知ってんの? 」 → 「おまえ、あの娘知ってんの? 」

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