百八十一話 敗北者
2016年6月25日 後書き変更
タージステン大橋の上、向かってくるアントワーヌに対して、フェイゼリアは平然と構えていた。
そんな彼女に、一人の騎士が近づく。
「フェイゼリア殿、ここは我らにお任せを…」
その騎士がフェイゼリアにそう言うと、他の騎士達が武器を構える。
「お前達は、そこで見てなさい。あれは、あたしの獲物よ」
しかし、フェイゼリアは、近づいた騎士を押しのけて前に出る。
「しかし、フェイゼリア殿が出る幕では……」
拒否されてもなお、食い下がる騎士だが――
「くどい! アントワーヌを殺る前に、お前を殺すぞ」
「うっ…! わ、分かりました…」
フェイゼリアの剣幕に圧倒され、彼女の後方へ戻っていった。
「うおおっ! 」
その間に、フェイゼリアに接近していたアントワーヌが剣を振り上げる。
「喰らえ! 」
そして、フェイゼリアに目掛けて、剣を振り下ろした。
ガッ!
しかし、アントワーヌの剣はファイゼリアの頭の前で止められてしまう。
「なっ!? 馬鹿な! 」
アントワーヌは驚愕する。
アントワーヌが持つ緑色の柄の剣は盾から出した武器で、オークの体や、頑丈なサミールの槍を切り裂くことができた。
並みの剣では受けられないはずである。
しかし、フェイゼリアは、そのアントワーヌの何の変哲もない剣で受けているのだ。
「どうした? 魔法を見るのは初めて? 」
「魔法……だと? 」
ファイゼリアにそう言われ、アントワーヌは彼女の剣に目を向ける。
すると、薄ら黒い靄のようなものが剣を覆っているのが見えた。
「ちっ! はああああっ! 」
アントワーヌは、振り下ろした剣を手元に戻し、絶え間なく剣を振り続ける。
連続で剣が繰り出されるが――
キンッ! ガッ! カァン!
全て、フェイゼリアの剣によって弾かれてしまう。
「はっ! 変わった剣を持っているようだけど! 」
剣を振り続けるアントワーヌの一瞬の隙を突き、フェイゼリアは彼女の腹を蹴り飛ばした。
「ぐっ! 」
蹴り飛ばされたアントワーヌは、後方へ飛んでいく。
「武器が強いだけで、お前は大したことはないんだろ! 」
フェイゼリアは左手を前に突き出し、蹴り飛ばしたアントワーヌに向けた。
「マンディクル! 」
彼女がそう言うと、突き出した左手から、霧状の黒い線がアントワーヌ目掛けて伸びていく。
シュル!
「……!? 」
黒い線は、アントワーヌの右足首に絡みついた。
この時、アントワーヌは、身に覚えのない倦怠感を感じた。
闇魔法による、心身を蝕む能力の仕業である。
「そら! 」
フェイゼリアが左腕を上げると、黒い線は鞭のようにしなり、アントワーヌの体を上空へ引っ張り上げ――
「よっと! 」
左手を振り下ろし、アントワーヌを大橋の石煉瓦に叩きつけた。
「がっ!! 」
アントワーヌは黒い線から開放され、叩きつけられた後、仰向けの状態で石煉瓦の上に倒れた。
この時、彼女の手から緑色の柄の剣が離れ、剣は光となって消えていった。
「ぐ……くっ…」
起き上がろうとするアントワーヌだが、どこの部位も全く動かない。
強い衝撃を受け、一時的に体が動かなくなってしまったのだ。
「あははは! よっわ~」
ファイゼリアが笑いながら、アントワーヌの元へ歩いていく。
「どうした? あたしを八つ裂きにするんじゃなかったの? 」
「く…くそっ……」
アントワーヌは、フェイゼリアを睨むことしか出来なかった。
「ふふっ、呆気なかったぁ。後は、もう死ぬだけだよ、お前」
フェイゼリアは、左手から再び黒い線を伸ばし、今度はアントワーヌの首に絡ませる。
そして、左手を振り上げ、アントワーヌの体を上空へ引っ張り上げた。
その間、黒い線は伸び続け、アントワーヌの体は先程よりも高い位置に達してしまう。
「ユニスと同じように殺してあげる。さて、あんたはユニスよりも、あたしを気持ちよくさせるのかなぁ…」
「ふ、ふん! お前のような者に殺されるのであれば、舌を噛み切って死んだ方がマシだ……」
フェイゼリアの呟きに、アントワーヌはそう答えた。
彼女の返答を聞いたフェイゼリアの表情は、冷めたものへと変化する。
「……流石、アントワーヌと言ったところね。最後の最後で、そんな減らず口を叩くなんて……」
「はっ! 減らず口じゃあない……ただの嫌みだ、この下郎」
「あっははははは……ガキが……グチャグチャにしてやるよ!! 」
激昂したフェイゼリアは左腕を振り下ろし、上空のアントワーヌを思いっきり引っ張った。
(刺し違えても、こいつだけは殺したかったが……届かなかったな……すまんな、ロイク……父上…ユニス……)
急降下するアントワーヌは目を閉じる。
(結局……俺は何も成せなかった……いや、一つだけあるか…)
アントワーヌは南西の方角に顔を向けた。
(あれから数時間……イアンは無事、この国から出られたはずだ)
再び、アントワーヌは目を閉じた。
(良かった……さらばだ、イアン……)
アントワーヌの体が石煉瓦に迫っていく。
この間、彼女は死を覚悟し、全ての感覚がなくなっていた。
だから、気付かなかった。
「……!? え……? 」
数秒後、アントワーヌが感じたのは、石煉瓦に叩きつけられる衝撃ではなく、誰かに抱えられる感覚であった。
アントワーヌは、閉じていた目を開く。
すると――
「な、なんで……逃げなかったのだ…イアン…」
彼女の目にイアンの顔が映った。
「……さぁな」
イアンは、アントワーヌが石煉瓦に激突する直前で、彼女の体を左腕で抱えていた。
「掴まってろよ。リュリュスパーク! 」
そして、イアンは戦斧を持った右手に、緑色の電を纏わせると――
「ふっ! 」
アントワーヌの首に絡みついていた黒い線を切断した。
アントワーヌを抱えるイアンは、そのまま真っ直ぐ、石煉瓦に対して水平に飛んでいく。
彼女は気づくことができなかったが、イアンがタージステン大橋に来ていたのだ。
イアンがこの大橋に辿り着いた時、ちょうどアントワーヌが上空に投げ出された頃であった。
その光景を見たイアンは、サラファイアを限界まで使用し、高速でアントワーヌの所まで飛んできたのである。
「な、なんだ!? 」
「飛んできた…だと!? 」
イアンの登場に、騎士達が驚愕の声を上げる。
「……あたしの闇魔法を切り裂いた……さっきの光は魔法…なのか? 」
フェイゼリアは、自分の左手のひらを見つめながら、疑問を口にする。
「ふっ……くっ! 」
ガガガガッ!
イアンは、戦斧を石煉瓦に当て、飛んでいた勢いを殺し、着地する。
「アン…トワーヌ、無事か? 」
「何が、無事だ! 何故、来たんだ! 俺がせっかく時間を稼いだのに……おまえのせいで、全て台無しだ! 」
イアンの腕の中で、激昂するアントワーヌ。
彼女の目からは、涙が溢れていた。
「こんな……俺なんかを……助けに来るなよ……」
「……騎士…というのは、よくは知らんが、主を救うものだろう? オレは、それに従ったまでだ。おまえがどうとか関係ない」
イアンは、そう言うと、フェイゼリアに戦斧を向けた。
「おまえがそこに立っているのには驚きだ。フェイゼリア…だったか? ここから逃がさせてもらうぞ」
「……青い髪……あの時の子ね…」
フェイゼリアは、ゆっくりとイアン達の方へ体を向けた。
「アントワーヌを置いていけば、あなたは逃がしてあげる」
「悪いな……それはできない」
イアンがそう答えると、フェイゼリアは、ゆっくりと右手を上げ――
「そう……じゃあ、あなたも死んでもらうわ」
イアンに剣の切っ先を向けた。
(こいつ……強いな…)
イアンの額から、一滴の汗が滴り落ちる。
一目見て、イアンはフェイゼリアが自分よりも強いことを察していた。
従って、彼の考えるのは逃げることであった。
(サラファイアは使い尽くした。ならば、ケルーピオンを呼ぶしかないが……)
イアンは、アントワーヌを見た後、自分の右手に目を移す。
戦斧を持つイアンの右手は、僅かに震えていた。
(アントワーヌは体が動かないのか……オレの体も限界だぞ。これでは、ケルーピオンに乗ることは難しいな……)
イアンが考えている間にも、フェイゼリアが近づいてくる。
(どうする……! )
イアンが思い悩んでいるその時――
「ぐわああ!! 」
「ああっ!! 」
イアンの後方、カレッドの方向に立っていた騎士達が悲鳴を上げた。
「なっ!? 」
イアンが振り向くと、騎士達が次々と吹き飛んでいる光景が見えた。
「ギャオッ! 」
そして、騎士達を吹き飛ばしながら進んでいたラノアニクスがイアンの隣へ飛び込んで来る。
「イアン、やっと見つけた! ギャウ! 」
「ラノアニクス! 」
イアンが彼女の名を口にする。
「イアン、急にいなくなった。探したぞ! 」
ラノアニクスはイアンの隣で両手を振り上げる。
「すまない……何も言わずに飛び出してしまった…」
「いい……イアン、生きてた。特別に許してやる」
ラノアニクスは胸を張り、イアンを許した。
「しかし、おまえは今まで何をしていたのだ? 」
イアンがラノアニクスに訊ねる。
「ギャウ! ルロル達と一緒に逃げてた。でも、ルロルにはプレトがいて、大丈夫だと思ったから、イアン探しに来た」
「そうか……とりあえず、おまえが来てくれて助かった」
イアンはそう言うと、ラノアニクスにアントワーヌを渡した。
「グゥ……お前、自分で立て」
「立てれたらとっくに立っている……イアン、どういうつもりだ? 」
ラノアニクスに抱えられたアントワーヌが、イアンに訊ねる。
「ここから逃げる。ラノアニクス、アントワーヌを絶対離すなよ」
「……? イアン? 」
「何を……」
二人に構わず、イアンは左手を上げ――
「来い、ケルーピオン! 」
ケルーピオンを呼び出した。
「ヒヒーン! 」
白い魔法陣からケルーピオンが飛び出してきた。
「ヒヒン! 」
「グゥ! 」
「なっ!? 」
ケルーピオンは、ラノアニクスに近づくと、頭で二人を跳ね上げ、自分の背中に乗せる。
「よし、よくやったぞ、ケルーピオン」
「ヒヒン! 」
イアンに褒められ、ケルーピオンは誇らしげに鳴き声を上げる。
「イアン! この馬は何だ! 何をするつもりだ! 」
アントワーヌがイアンに向けて、声を張り上げる。
「おまえ達は、このまま遠くへ行け。ケルーピオンに乗っていれば、それが叶うはずだ」
「なに!? なら、おまえも……おまえが乗れ! おい、俺を下ろして、イアンを連れてこい! 」
「グ……グゥ…」
アントワーヌにそう言われ、ラノアニクスは彼女を離しかけた。
その時――
「おい! 離すなって言っただろ!! 」
イアンがラノアニクスに向かって、怒声を浴びせた。
「ギュウ!! 」
ラノアニクスは目を瞑り、開きかけた手を閉じる。
「そうだ……それでいい。ラノアニクス、後は頼んだぞ」
そう言ったイアンの声音は優しかった。
「グ、グゥ……イアン…」
ラノアニクスは目を開き、イアンを見た。
「ま、待て! 何故、おまえが残る! おまえが死ねば、俺は……」
必死に訴えかけるアントワーヌだが――
「行け、ケルーピオン。時間が来るまで、真っ直ぐ走り続けろ! 」
「ヒヒーン! 」
ケルーピオンが走り出したことにより、彼女の声は届かなかった。
「おい! 止まれっ! 止まってくれよ! イアン! イアアアアアアアン!! 」
アントワーヌは、遠ざかていくイアンに向けて叫び続けた。
「……」
ラノアニクスは、自分とアントワーヌが落ちないよう、必死にケルーピオンにしがみつく。
「……グッ……ううっ……うわあああああ…! 」
そして、堪えていた涙が一気に溢れ、ラノアニクスは泣き出した。
ケルーピオンは、そんな二人を背中に乗せ、高速で大地を駆け抜けていく。
「……よし、これで騎士としての役目は果たせたな」
ケルーピオンが駆けていった方を見ながら、イアンはそう呟いた。
「さて、あとはオレがどうするかだな」
イアンは顔を正面に戻す。
そこには、フェイゼリアが佇んでいた。
「どうした? 何故、アントワーヌを見逃した? 」
イアンがフェイゼリアに訊ねる。
彼女は足を止め、先程のやり取りを黙って見ていたのだ。
「……ちょっと、思うことがあってね。イアン……君…だっけ? 」
「……ああ、そうだが? 」
「そう、イアン君。あなた、あたしと一緒に来ない? 」
フェイゼリアは、イアンに右手を差し伸べた。
右手にあった剣は、左手に持たれている。
「何だと? 」
フェイゼリアの誘いに、イアンは顔をしかめた。
「あたし、黒蛇っていう組織にいるの。そこい入らないかって」
「組織……そこは何をするつもりだ? 」
「ふふっ、興味ある? あたし達はね、魔王の力を手に入れるのが目的なの」
「魔王だと? お前達も魔族のように、魔王を復活させるのが目的か」
「はははは! 違うよ、イアン君」
イアンの言葉に、フェイゼリアは笑った。
「復活に近いことはするけど、完全には復活させない。魔王の力だけをあたし達が頂くのよ」
フェイゼリアはそう言った。
いつの間にか彼女は、まるで友人に話しかけるような声音になっていた。
「……それでは、お前達が魔王に……いや、魔王になるつもりか」
「うん…まぁ、そんな感じ。魔王に取って代わる存在になるのが、あたし達の目的」
「……この国を滅ぼすのもそのためか…」
「うん。魔王を引きずり出すには、人々の絶望、憎悪、悲しみとかの負の感情が必要なの。戦争を起こせば、溢れるほど出てくるでしょ? 」
「……そうか。そういうところもあるのだな……」
イアンは、そう呟くと俯いた。
「どう? あなたも戦士なら、力が欲しいでしょ? もう死ぬことに怯えることはない。自分を笑う奴だって黙らせることができる。何でも、思い通りよ」
フェイゼリアはそう言いながら、イアンの元へ歩いていく。
「さあ、一緒に求めましょう。最っ高の力を」
彼女は、イアンの目の前で、再び手を差し伸べた。
ゴトッ!
俯いたイアンは右手に持っていた戦斧を手放した。
そして、差し伸べられたフェイゼリアの手を右手で掴む。
「は……ははっ! 」
フェイゼリアは満面の笑みを浮かべた後――
「ふんっ!! 」
左手に持った剣の柄で、イアンの頬を殴り飛ばした。
殴り飛ばされたイアンは、石煉瓦の上に横たわる。
「そう! それが、イアン君の……お前の答えなのね! 」
彼女の右手から、僅かに煙が上がり、プラプラと右腕が垂れ下がる。
イアンは彼女の手を掴んだ時、リュリュスパークを放っていた。
しかし、即座に殴り飛ばされ、フェイゼリアの右手を痺れさせるだけに終わった。
「ふ、ふん、今のオレは冒険者だ。他の組織に入るつもりはない……」
体を起こしながらイアンが言う。
「ほざくな、人間! 」
フェイゼリアは剣を投げ捨てると――
「マンディクル! 」
左手から、黒い線を伸ばし、イアンの首に絡みつかせた。
「ぐっ……! 」
そのまま、先程のアントワーヌと同じように、高く振り上げる。
「せっかく、あたしの……あたしが助けてあげようと思ったのに、よくもこんな仕打ちを……許さない! 死ねぇ! 」
フェイゼリアは、イアンを下へ振り下ろし始めた。
「ただでは、死なんぞ」
イアンは急降下しながら、右手を突き出し――
「シルブロンス! 」
銀色に輝く斧を取り出した。
「……!? 」
シルブロンスは、フェイゼリアの背筋が凍らせた。
フェイゼリアはシルブロンスを見た瞬間、黒い線を解除させ――
「マンディクル・レイ! 」
左手から、霧状の黒い線を放った。
放たれた黒い線は、高速でイアン目掛けて飛んで行き――
「がはっ!! 」
イアンの胸の辺りを貫通し、夜空に向かって飛んでいった。
イアンの口から、血が吐き出される。
「……ぐっ……あああああああ!! 」
しかし、胸を貫かれてもなお、イアンは止まることはなかった。
イアンは力を振り絞って、シルブロンスを縦に振るった。
すると、シルブロンスから放たれた銀色の光がタージステン大橋に衝突し――
ズドオオオン!!
石煉瓦を粉々に砕いていく。
「「「うわああああ!! 」」」
シルブロンスの光は、タージステン大橋の広範囲を崩壊させ、周りにいた騎士達が次々と下の海へ落下する。
「ふ……気休めだが……これで、アントワーヌ達は追えま……い……」
シルブロンスを放ったことにより、イアンは力尽き、気を失ってしまう。
そして、海に落ち、波に飲まれて、見えなくなった。
「はぁ……はぁ……」
騎士の大半は落ち、フェイゼリアは、崩れかけた石煉瓦の上で、生き延びた騎士と共に息をついていた。
彼女は自分の呼吸を落ち着かせると、橋の欄干から顔を出し、下の海に目を向ける。
「……本当……勿体無い……」
荒れ狂う波を見つめながら、フェイゼリアはそう呟いた。
「ファイゼリア殿ーっ! ご無事ですかーっ! 」
その時、馬に乗った騎士がフェイゼリアの元にやってくる。
「無事……で、何なの? 」
「は、はい。ようやく、ミリー・サドレナと殿下を捕らえました」
「そう、よくやったわ。会いに行きたいけど、今日はもう疲れたわ。馬車を用意しなさい」
「はっ! 」
馬に乗った騎士は、来た道を引き返していく。
「これで、全て揃った。あとは、このまま内乱を続けさせて、今度は他国へ攻めさせる。あたし達……いや、あたしの目標へ一気に近づくわ……」
フェイゼリアは誰に言うことなく、一人そう呟いた。
こうして、ゾンケット王国は争いを続ける悪政の王国へと変貌していくこととなった。
この夜、タージステン大橋が崩壊した後、この国のどこの場所も静まり返っていた。
まるで、嵐の前の静けさのように。
この国に生まれた少女、アントワーヌ。
彼女はこの地で、名を知らしめることを夢見た少女であるが、この日を境にアントワーヌ・ルーリスティ又は、アントワーヌ・オルヤールの名が、この国の歴史に刻まれることはなかった。
七章 終了。
七章は、戦記ものを意識して書いたつもりですが、なかなか兵士を引き連れて集団戦をさせたりとかができませんでした。
次に、戦記のような話しを書くときは、集団戦を主とした戦いを書いてみたいです。
次の八章は、少し更新が遅くなるかもしれませんが、楽しみにしていてください。




