序 『始まりは終わり』
序
「やっほーイエス!ゴキキキキーン♪
どうもーっす。ゴキキンでーすw
今日紹介する商品はこちら、ポケコーラ レモン!
ポケコーラのレモン味がついに出たって感じですね!
外から見る感じ、コーラの遜色ないって感じですけど、どんなお味なんでしょうかね?
では早速、開けてみたいと思います!
(プシュ)
炭酸のしゅっという音!のどの渇きを促進しますよ!では早速、飲ませていただこうと思います!いただきます。
(ゴクゴクッ)
うん、まずね、飲んだ瞬間はコーラなんだけど、後々からね。レモンはすっきりとした風味が口の中を覆ってくるんですよ!
本当おいしいです!これなら、何杯飲んでも飽きませんよ!
ではでは、また、明日お会いしましょう!シユーエブリデイー~♪」
「今日もいい動画が撮れたな。まあ僕の編集の力量がかなりあるからね。」
ゴキキンは自分の動画を編集すると、満足そうに何度も自分の動画を見直し、完ぺきだと思ったらしく、満足げな表情だ。
「さあ、アップロードするかな。」
ゴキキンは手慣れた、感じで、編集した動画ファイルを動画サイトにアップロードした。
「今日も再生回数稼いじゃうぞ!」
彼にとって再生回数は生活していく、上で欠かせないものだった。彼は動画サイトで動画を投稿する理由は再生回数によって生じるアフィリエイトによる収入のためだ。
今では動画サイトを超越して、各インターネットサイトでもかなりの知名度を誇る彼はの動画はアップロードされれば、1動画で100万再生は当たり前となっていた。
最初のうちはなかなか動画再生回数が伸びずに悩んでいたものの、日々、根気強くアップロードしていたら、いつのまにか、こんなに人気になっていたってわけだった。
「さて、動画のコメントでも見ていきますか」
彼はいつも行っている、視聴者のコメントチェックに取り掛かった。
この動画サイトではアカウントを所持しているユーザーが各動画のコメント欄にコメントを打てるようになっている、動画を見る際、何となく下のほうにスクロールしてしまうことはよくあるだろう。
彼はおとといに上げた、ゲーム実況動画のコメントを見ることにした。
【ゴキキンさんの動画いつも楽しく見させていただいてますw】
【この展開は正直予想できなかったw】
【なんでや阪神関係ないやろ!】
いろいろなコメントを眺めていて、ゴキキンはうんうんとうなずいていた。視聴者のコメントは今後の動画投稿にかなりの関わってくることだからだ。
コメント数はおもしろさの指標とも言えて、多ければ、おもしろい、少なかったら、いまいち。ゴキキンはそう解釈している。
今回のゲーム実況はフリーゲームの「すごく怖いくまさんの森」というホラー風のアクションゲームだった。
ホラーは再生回数を伸ばしやすい。何といってもゴキキンの視聴者層は若年層が多いのだ。ホラーゲームはいままで、数本上げてきたし、かなりの再生回数を稼いできた。
で、今回の「すごく怖いくまさんの森」はネット上でちょっとした話題になっていたし、ゴキキンが目を付けたってわけだった。
スクロールしているゴキキンは急に胸がぐさっっと刺さるような感覚に襲われた。
【死ね。死ね。ゴキキン】
【なんで、こいつ、生きてんの?アフィカス4ね】
【毎回こんなつまらない動画よくあげられるな、消えろよ】
人気配信者の宿命であるとゴキキンは思っているが、やはりこの手のアンチコメントを見ると、気分はいいものではない。しかし、その手のコメントを糾弾してくれる、支持者がいることで、ゴキキンは守られているんだ。僕は動画を上げることが仕事なんだと、胸に言い聞かせるのであった。
そんな、こんなで一通りのコメントを読み終えると、ゴキキンはネットバンキングの預金額の確認をするべく、○○銀行の自分の口座の預金金額の確認する作業をしようとした。
今日は月末、アフィリエイトの収入が入る日だ。
ゴキキンは日々の動画撮影や最近ではマスメディアの露出も目立ち始めた中での鬱屈した、日々の中での数少ない楽しみが、アフィ収入確認だった。
ちなみにアフィ収入は1動画再生あたり0.1円×再生回数だからゴキキンの場合だと月に30~50単位で動画を上げていて、そのほとんどが一月ほどで100万再生行く、しかも今まで上げていた動画の再生回数分も増えるものだから、収入はうなぎのぼりというわけだ。
ゴキキンは口座残高を確認するとにっこりって感じの表情を浮かべた
「一生食っていけるぜ、この仕事最高!」
ゴキキンは誰かに誇るかの如く、自らの立場を謳った。