【声劇】第60293回魔王総選挙政見放送
声劇台本
登場人物
1.(オーク):マスール 兵力増強、人類絶滅
2.(サキュバス):アヴィ 少子化対策による国力増強
3.(死霊術師):ヤヴェ・フィンゾー 安価な魔界産品の輸出による人間界の国力低下、経済依存させ上下関係を形成
4.(魔剣士):ノノラム 効率的な人類侵略、レベルの高い魔物を序盤に配置。
5.アナウンサー
ア「おはようございます。これより、第60293回魔王総選挙。政見放送のお時間となりました」
ア「これより、4名の候補者の政見放送を行います。まずは、魔界四天王2番手、力の間担当、オークのマスール様です」
マ「…次の魔王になるのは俺だ!放送を聴いている貴様らに問う!強い魔界を取り戻したいと思わないか!?人間に平伏し、勇者共の経験値に変えられる生涯を送りたくはないはずだ!」
マ「よく聞け、俺が魔王になったその日には、人類を骨も残さず絶滅させる!魔族が世界を支配する正しい、あるべき世の中を作ってやる!」
マ「いいか?ここ数百年間の魔界は…堕落しきっている!人間共を滅ぼそうという気概がまるで感じられない!そんなだから次から次へとうじ虫のように勇者が湧いてくるのだ!」
マ「人類絶滅のためにはとにかく兵力増強だ。放送を聴いている貴様ら全員がダンジョンのボスになれる程度には俺が直々に鍛えてやる。手始めに全世帯に毎週魔界産プロテイン10袋を無料で配布する!必ず使い切れ!ちなみに多少の増税には協力してもらう!それが魔界のためだッ!!
力があればどんな奴にも負けない!力こそ全て!力こそがパワーなんだ!!」
マ「圧倒的な力で草の根一つ残さず破壊の限りを尽くす!俺達魔族にはそれが可能だ。
その魔族の誇りを失っていないのであれば…俺に票を入れてくれ。必ず期待に応えよう!!」
ア「魔界四天王2番手、力の間担当、オークのマスール様の放送でした。」
ア「続きまして、欲望の神殿担当ボス、サキュバスのアヴィ様です」
サ「いやん…頭の悪い演説だったわねえ…力押しで人類絶滅できるのならとーっくにやれてると思わなぁい?
そもそも、鍛えて戦うだけなんて野蛮よ!猿のやることだわ!だ・か・ら…アタクシを魔王にしてくれたらぁ…真っ先に少子化対策に取り組むわ」
サ「いい?兵力には限りがあるの。負けない兵士を育てるなんて非現実的よ、ただ突っ込むだけのがっついたヤリ方じゃダメ。まずは魔界の母数そのものを増やさないと戦いに備えられないわ」
サ「そこでアタクシは…子供を産んだ家庭にはその子が成人するまでの数百年に渡る生活の保証をお約束するわ!
具体的には、まず学費はぜーんぶタダよね?税金もとことんお安くしてあげるわ。特に赤ちゃんの間の数十年間は夫婦揃って仕事を必ず休んで育児に没頭してもらうわ!」
サ「その代わり子供がいない世帯はちょーっと大変かもね〜育休に対応できない古臭いダンジョンには潰れてもらうわ。寿命の長さにあぐらをかいた結果が今の魔界なのよ、多少強引でも数は増やさなきゃぁ…。大丈夫、アタクシの魔法で放送を聴いてるアナタ達みーんなその気にさせてあげるから…」
サ「ち・な・み・に、アタクシ達サキュバスは子作りは好きでも子供はできない種族なの〜。だからアタクシ達が直接力を貸せない分、全力でサポートはさせてもらうから、リクエストがあったら何でも伝えてね!一緒に素敵な魔界を作っていきましょ…チュッ(キス)」
ア「欲望の神殿担当ボス、サキュバスのアヴィ様の放送でした」
ア「続きまして、魔界内閣総理大臣、死霊術師のヤヴェ・フィンゾー様です」
ヤ「皆様、こんにちは。私は魔界内閣総理大臣のヤヴェ・フィンゾーであります。この度、人間界のトランポ大王と会談を行ったところ、人間界は現在、危機的な食糧難に見舞われておりました。」
ヤ「私が魔王になった暁には、徹底的な経済政策を行いたいと思っております。えーこの機に乗じて、魔界産の食料及び、各種、エネルギー資源を産出し、人間界へ向けて格安で輸出いたします」
ヤ「そうして、人間界の経済力をすべて魔界に依存させ、人間界自身の経済力を…悟られることなく地に落としたいと思います。
そのために、放送をお聞きの皆様には、輸出品の確保のため、公共事業に従事していただきます。ダンジョンの運営はこれを機に全てストップとなります」
ヤ「我々は表向きには人類と友好関係を結びます。ですが、目的は人類の家畜化にあります。ただ滅ぼすのではなく、餌付けをして飼い慣らすことで、魔族の指揮管理下に置きたいと思います」
ヤ「放送をお聞きの皆様には過労死をするほどの労働を強いる形とはなりますが、私はネクロマンサーです。もし亡くなられた際には労災の支給と併せて、皆様を何度でも復活させ、業務に取り組んでいただくこととなりますので、どうぞ安心して私共にご協力ください。以上、魔界内閣総理大臣、ヤヴェ・フィンゾーでした」
ア「魔界内閣総理大臣、死霊術師のヤヴェ・フィンゾー様の放送でした」
ア「最後の候補者です。先代魔王様のご子息、魔界の勇者、魔剣士ノノラム様です」
ノ「放送をお聞きの皆さん、はじめまして、僕は魔王の息子、魔剣士ノノラムだ。僕が魔王になったら、最小の損失で人類に最大の損害を負わせることを約束しよう」
ノ「つまり、僕は君達を誰1人死なせずに人類を支配下においてみせる!
そうだ…僕はもう、二度と仲間を失いたくはない…うっ…僕はかつて、人類との戦いで…ミスを犯しました!」
ノ「あの時皆さんに魔界の勇者として選ばれたからこそ、こうして挽回しようとするのも正直…ほんっとに辛くて、情けなくて…申し訳ないんですわぁ!」
ノ「ですからぁ…あの時の失敗を真摯に受け止めて…レベルの高いモンスター(泣)を序盤のダンジョン(泣)に配置しぃ!人類から勇者が現れてもすぐに叩くんですぅ!」
ノ「せやけど兵士が足りひんから!…私が…ハァハァ…立候補して!文字通り!ウハーハー(泣)命懸けでーへーへあー(泣)!」
ノ「誰が戦っても一緒や、誰が戦っても…じゃあ、俺が!最初の敵になって!この世の中を!うはっはあー(泣)あーああ(大号泣)この世の中を!がえだい!!」
ノ「その一心で…」
ア「ちょ、もうダメダメこいつ放送事故だって!お前手伝えバカそっち持ってほら!」
ノ「ちょ、何するんですか!まだ話してるじゃないですか!アナウンサーさん!あなたにはわからんでしょうね!!」
……………
ア「お騒がせいたしました。先代魔王様のご子息、魔界の勇者、魔剣士ノノラム様の放送でした」
ア「それでは放送をお聞きくださった皆様、期日前投票も行っております。必ず、投票所へお越しくださるよう、お願い申し上げます。
この度はありがとうございました」
2023年11月28日 作




