1章2話〜本編の始まり〜
田舎から僕を運んできてくれた汽車と別れて
駅のホームに足をつけた。
駅を出て、最初に目に入ったのは。
ゲームの舞台であるヘンゼル王国の首都である
王都 グレーテルの街並み
世界観的には中世ヨーロッパっぽい都市で
治安は流石王都というだけあって他の街よりかは断然安定している。
しかし、別に良いわけではない。
ゲームでも襲撃イベントとかあるし。
「けどやっぱり!都会は全然違うな〜賑やかで華やか、通行人もちょっとおしゃれな人が多い。」
来るのは受験の時以来だが、やっぱり新鮮だ!
「さて、とりあえず学校から少し離れたところにある寮に申請へ行かなきゃな...」
寮か〜何気に初めてだな〜
高校は家から通学してたし、楽しみだな〜
ルームメイトとも上手くやっていければいいな〜
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(寮)
「申し訳ございません。アングレッシュ様は直前で契約キャンセルとなっております。」
赤いメガネの女性職員にそう言われ流石の僕も言葉が出なかった
「あ、え?あ、は?え?」
そんなはずはない、確かに僕は申し込みをして確定したはず・・・
「リン・アングレッシュ殿だな」
僕が固まっていると老けた厳格そうなおっさんが僕の名前を呼んだ
「こ、これは寮長!」
女性が挨拶をしている
寮長?寮で一番偉い人とか?管理者なのかな?
「りょ、寮長、ぼ、僕!?え!?」
「気持ちはわかる、少し落ちつきたまえ」
「わかりました」
「早っ!?」
そっちが落ち着けと言ったのだろ・・・
「こ、ここじゃあなんだから奥で話そう」
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(管理者相談室)
「本当にすまない!!」
「えっと、どういう経緯でこんなことに?」
とりあえず経緯を知りたい怒るのも嘆くのもそれからだ。
「じ、実はだな・・・位が高い貴族の坊ちゃん、ゼットン・ジワール殿が昨日来ての・・・」
『おい!じいさん!寮の申し込みがしてぇ』
『ん?申し込み期限はとっくのとうに過ぎておる。部屋も満室じゃし他をあたってくれ』
『あぁ?んだと?いいか!僕はあのジワール家の長男・・・ゼットン・ジワールだぞ?』
『な、なんと!?失礼した。ジワール殿。し、しかしじゃの部屋はもう空いておらず』
『知らねぇよ!!適当なやつおいだせ』
『そ、それはできん!』
『あ?ふざけてんじゃねぇぞ!クソジジイ!』
ワシは胸ぐらを掴まれ、見てた名簿を落としてしまったんじゃ
『あ?なんだこの名簿』
『か、返してくれ!それは!』
『ん?おぉ!申し込んだ奴らか、そうだな〜、こいつ!リン・アングレッシュってやつ!
こいつを追い出せ!確かこいつ、田舎の貧乏貴族だよな?』
『だからできんとなんども!』
『あ?僕がパパとママに頼めばこんなボロ小屋くらい簡単に潰せるんだけどな〜、少しは賢くなれよ、ジジイ』
『ぐっ・・・わ、わかった・・・』
「という経緯じゃ」
チッ、中世め!
まぁ確かに爺さんは可哀想だけどさ・・・
「え?それで僕は路上生活になるわけ?契約した以上さぁ、解除するなら連絡くらいくれないと・・・」
「本当に申し訳ないと思っておる・・・これはワシからの気持ちなんじゃが。ここから少し離れてしまうが、そこにある立派なアパートの一室を借りたんじゃ・・・許してくれとは言わん!だが、どうか受け取ってほしい」
アパート?現実ならともかく、異世界のアパートなんてどうせ、漫画とかでよくみるボロアパートなんでしょ、知ってる知ってる。まぁ内見はするけどさ、
もしボロかったら力づくで寮を奪い返して・・・
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「うわぁ〜(目キラキラ)」
「どうじゃ?ここの管理人とは長い付き合いでの?格安で借りられたんじゃ」
「すごいよ爺さん!!あんなオンボロな寮とは比べられないくらい綺麗だよ!!」
「え?オンボロ?お主今オンボロって?」
「すごい!広い!!これアパートじゃなくてタワマンレベルの部屋だよ!!!」
「タワマン?というのはよく分からんが、喜んでくれたようで何よりじゃ」
流石王都!アパートも一味違う!
綺麗だし広いし!
「流石にこっちの都合で切っておいて、何も無しというわけにもいかんしな。家賃はワシが持つ。学園まで少し遠くなるが許してくれるか?」
「許す許す!全然許す!!」
厳格そうだけど人情に溢れる爺さんだ!
やっぱ人は中身だよな!!
いい人だ!!
こうして僕は、立派な部屋を手に入れた。
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そして翌日
(剣魔術高等学校)
桜が舞う。
そして制服を着て歩く僕。
今!まさに!入学って感じがする!!!!
なんで桜があるのかは謎だけど。
ゲームでもあったし、そういうもんなんだろう
(剣魔術高等学校体育館)
でかい体育館だな。
確かシナリオ通りならここで特待生の主人公ちゃんが
新入生代表の挨拶だったよな。
そんなことを思っていたら。ゲームと同じ容姿をした女の子が壇上に上がり挨拶を始めた。
「4月の風が吹き始める季節。」
圧倒的!!!感動!!!!
「この学園の生徒として、個々がその自覚を持ち、行動を」
ゲームと同じ声、容姿の人が!!動いて喋ってる!!
「新入生代表、アイリス・リリー」
アイリスさんがお辞儀をすると
会場から大きな拍手が湧き上がった。
リリーって名前になったのか。
僕はアイリス・リオンって名付けたんだっけか?
公式ではリリーなのかな?
そしてその後、いろいろして入学式は終わり・・・
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(教室)
あ、あい、アイリスさんと・・・
同じクラスかよ!!!!!
あとついでにセリウス・ハートもいるし!!
え?リンって主人公のクラスだったの!?
折角同じにならないように剣魔術コースにしたのに!
剣魔術高等学校には3つのコースがあり
剣術コース 剣を深く学ぶ
魔術コース 魔術を深く学ぶ
剣魔術コース 2つを浅く学ぶ
剣術コースと魔術コースのクラスは2つずつ。
剣魔術コースは5クラス。
受験後、志望のコースを選び。
成績の高い順に決まっていく。
スクールカースト的には
剣術コース>魔術コース>>>>>>>>>>剣魔術
といった感じだ。
ヒソヒソと声がする
「何あの子、馬鹿にしてるのかしら」
「私たちを笑いに来たんだわ」
「私にはセンスがあるから大丈夫です〜って」
「けどセリウス様と同じクラスになれたのはラッキーね!」
「私さっき目があっちゃった!」
「キャー!!!」
黄色い歓声が聞こえる
イケメン恐るべし
ゲーム内ではアイリスさんのクラスの話は出てこなかった。
主人公クラスは襲撃の時とか動きずらいかなと思ったから。剣魔術コース志望にしたのに!
成績高いから多分魔術コースかなって思ったから
剣魔術コースにしたのに!
なぜ!!!!
僕は視線を右前の席で座っているアイリスさんとその横のセリウスの背中に送る
(け、剣魔術コースって、両方を学べるからお得ってコースじゃなかったんですか・・・)
(兄上が通っていたコースだと思い選んだクラスだったのだが・・・まさか・・・こんな・・・父上がなぜ苦虫を噛み潰したような顔をしたのか、ようやくわかった)
そう、この2人。ポンコツであった
しかし、読唇術なんて、彼は使えないので、当分の謎になるのであった。
「よう!」
僕の席は窓側の一番後ろ、俗にいう主人公席だ。
早いもの順だからここにした。
その一つ前の席の男。
容姿は金髪で、いかにも女友達はいるが彼女はいないタイプ。
そんな人が僕に話しかけてきた。
「俺はケイ・セイス。お前は?」
「僕はリン・アングレッシュよろしく」
「おう! 気軽にケイって呼べよな!」
この学園初の友達が出来た。
「早速だがよ、このクラス。」
「うん。すごいよね」
「第2王子に特待生。なんで特待生が剣魔術コースなんかに?」
本当にそう。
「しっかし、俺からしちゃ入れただけでも奇跡なんだがよ」
「まぁ難しかったもんね」
「リンは、いやアングレッシュ?なんて呼んだほうがいいか?」
「リンでいいよ」
「おっしゃ、リンはよ、入学のペーパー。どうだったよ? 俺はさ、650点で入学よ。 確か最低点が630点だろ? あっぶなかったぜ」
1000点満点のペーパーテスト。魔術基礎 剣術基礎 社会基礎 文学基礎 そして理系基礎それぞれ200点満点のテスト。
まぁ文学と理系は元の世界の高校生レベルならアドバンテージ大きかったからなんとかなったし。
魔術と剣術も両親と古代さんから叩き込まれた。
社会基礎もこの世界について調べてるうちに自然に身についた。歴史は苦手だったな。
そんなこんなで僕の点数は・・・
「930点だったよ」
「マジか!?すっげぇな!!!」
なかなかの高得点だったのだ
「けど惜しかったな。あと5点高けりゃ生徒会に入れたのによ」
そう!入らないようにしたのだ!!!
生徒会とは、成績優秀者、上から5人が有無を言わさず強制的に入れられる組織。
主人公ちゃんもそこで色々やっていた。
めんどくさそうだが、その分恩恵はでかい。
学食が無料になったりとか推薦がどうのとか。
しかし僕が入るとセリウスが溢れるから、ギリギリで寸止めしたのだ。ちなみにセリウスは935点byゲーム情報。
本当は800点くらいを取るつもりだったが、歴史をミスしそうで怖かったから910点で寸止めした。
しかし、わざと何も考えずに数字を書いた問題が4問あっていて 930点ギリギリになったのだ。
あと、点数が低すぎると教師から目をつけられるらしい。(ゲーム情報)どんまい!ケイ!
「みなさん!席についてください」
扉の向こうから水色髪の女の人が現れた
多分教師だろう
「すっげ、可愛い」
「わかる」
いやはや、異世界の人は顔が整ってるな〜
「ええっと、始めまして。魔術担当で1年3組担任の、レイン•ティルでしゅ!」
あ、噛んだ
「そ、その!えっと!教えるのは初めてだけど!が、頑張りましゅ!」
また噛んだ
初担任っぽいし、緊張してるのかな
なんかアワアワしてるし
「あ、あわあわあわ」
口でも言ってる
そんな様子にクラスメイト達はというと
(大丈夫かなぁ・・・)
みんなそんな目をして彼女を見ている。
「えっと、あの、みなさん、その!あの!えっと!自己紹介をお願いします!!!!」
「どこからっすか?」
と、ケイが問う
「左前からお願いしたいです・・・」
「どっちから見てっすか?」
と、ケイが問う
「えっと、わ、私から見てからで、お願いします」
なんて気が弱いんだ
そして自己紹介が始まった。
「えっと、その、アイリス・リリーです。適正のある魔法は光の魔法です。よ、よろしくです。」
そういえば古代さんが言っていた。人間は適性のある魔法しか使えないと思い込んでいるのだとか。
適正というのは一番使いやすい属性とのこと。
ヒソヒソ
「珍しいな、光属性」
「なんであんな子が」
なんともまぁ・・・
「セリウス・ハートだ。適正は水魔法。よろしく」
ヒソヒソ
「セリウス様。クールでカッコいいわ!」
「水魔法というのもよく似合ってるわよね!」
「ケイ・セイス!よろしくな!適性は、火らしいけど。剣の方を頑張りたいと思ってるぜ!」
ケイは剣術か・・・父さんに仕込まれたけど中々奥が深くて面白い。と、次は僕か。
「えぇ〜リン・アングレッシュです。得意属性は・・・」
どうしよ、無属性?いやいや全部は滑りそう。
闇はなんか嫌悪されてるらしいし、風属性とか?
『火にしろ』
こ、心の古代さんが叫んでる
「えっと、火属性です。よろしく」
ヒソヒソ
「印象薄いわね」
「あなた、アングレッシュ家って知ってる?」
「知らなーい、どこかの辺境貴族とかよ」
印象薄いのはほっとけ!
「リンが使えんの、俺と同じなんだな!なんか親近感湧くぜ!!」
「そうだね」
「俺も早く使えるようになりてぇな〜。バーニング?ファイヤーボール?夢なんだよな〜」
魔法は高等学校で習うから大半の人は一年の春じゃ使えないんだよね。
まぁ小学校も中学校もそれに代わるものもこの世界にはないんだけど・・・
「ええっと、はい!それじゃあ、えっと、この後は、学校の説明とかえっと!します!!」
そういえばビンタは確か帰りだったな。
処刑エンドにならないように一応見張っておこう。
こうして、僕の、ゲーム本編がスタートした




