銭湯のでっかい扇風機
3歳になるかどうかぐらいで引っ越してきたのが今住んでいる辺りです
当初は平屋の耐火住宅で四畳半二間と細長い狭い台所でした
そこで家族三人生活していました
近所あるいはやや近場に銭湯が4軒ありました
一番近いのが「富士温泉」・・・
何やら大阪なのに温泉ぽい粋な名前の銭湯でした
暖簾をくぐるとそこは履物を脱ぐところで、もちろんあの木札の履物入れがありました
いろはの文字と数字を組み合わせた「へ-5」みたいな番号が付いていましたね
男性入口が右、女性入口が左のどちらも引き戸で、がらがら開けると外から脱衣場が見えないようにまた暖簾がつってありました
昔ながらの銭湯なので、男性入口と女性入口の真ん中に番台があって、この銭湯の経営者家族である爺ちゃん、婆ちゃん、父ちゃん、母ちゃんが代わるがわる番台に座り見張りをしていました
一応女性側には衝立が立っており男性側からは番台越しには脱衣場は見えなかったのですが、女性側からは男性側はよく見えました(ま、見たくないか 笑)
右側の男性入口を入り番台でお代を支払うと、右側には飲み物がいっぱい入ったガラス扉の冷蔵庫が置いてありました
その右隣にあの重たい金属製の体重計があり、さらに進むと縁側になっていて中庭を見ながら座れる、あの10円でできるマッサージ機が置いてありました
中にぐっと入ると、右側の壁には番号が振ってある、脱衣ボックスが4段でずらっと並んでいました
反対に左側は女性側の脱衣場との仕切りになっていて、でっかい鏡が一面に貼ってあり、下2段だけ脱衣ボックスが並んでいました
その右側と左側の脱衣ボックスの間には長椅子が並んでいましたね
ま、この辺りは今の日帰り温泉場みたいなところとあまり変わっていないですね
ただ違うのは昭和感満載だったということですね
私がいつも使う脱衣ボックスは十七番でした
これにはアルミ製の板状の鍵がついていて、その板の端には穴が開いていて、白色のゴム紐を通し輪状にして、この輪を手首なり足首に通して入浴していましたね
風呂場に入ると左手に水かけ用の水槽があり、中央には浅い浴槽と深い浴槽が並んでありました
女性側との境目の壁が洗い場になっていて当時は水しかでないシャワーがついていました
冷たいのなんの(笑)
そして正面の奥の壁には富士山がタイル貼りで描かれていました
富士温泉たる謂れですかね?
まあ、銭湯の壁には富士山の絵が多いように思いますけどね・・・
家風呂じゃなくて銭湯はほんと暖かいのですね
広くて開放感があって気持ちがいい!
調子に乗ってつかり過ぎてのぼせることもよくありました
さて、風呂から出てこの火照った体を覚ますのが扇風機です
当時はクーラーなんて無かったし、それでも大丈夫だった記憶があります
そこで大活躍していたのが、脱衣場の男性側と女性側の仕切りのど真ん中辺りに天井に取り付けられた扇風機だったのです
単純に天井からシャフトが出ていて、1メートル以上あろうか?と思われるでっかいプロペラがついていて、それがぶんぶん音を立てて回っているのです
家では消して味わえないこのブオンブオン吹き付ける風
最高でした
その下である日は、ラムネだったり、またフルーツ牛乳だったり、コーヒー牛乳だったり・・・腰に手を当てて?飲むのです
それが銭湯におけるよくある風景でした
服を着たら中央の長椅子に座って休憩する
時は経って現在この銭湯はもう営業しておりません
というか4軒とも廃業されました
しかしねぇ、この飛行機のプロペラのような扇風機に憧れて、家を建てる時に天井につけたかったのですが、補強工事がいるんですよね
気付いたのが遅かった・・・
でも、今の家のリビングの天井には中央に扇風機が組み込まれたシーリングライトを数年前につけましたけどね
風力は上品過ぎるのですが、一応天井から風が吹き降りてきます
逆回転もできるから冬場も便利です
ただ、現時点プロペラは手に入っていません