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Section 6

 あれからどのくらい時間が経過したんだろう。

 よく分からないこの建物は窓が無い。

 壁や天井は僅かながら光を放っているから真っ暗ではないんだけど。

 だからといって明るくもない。

 しかも俺の知らない形態の生物が襲ってくる。

 ようやく冷静に対処できるようになったけどよく生きていたよなぁ。

 ・・否、死んでるんだっけか。

 でも死んでも痛みってあるんだろうか。お腹もすくし。眠くもなるし。

 他にも色々・・。

 そう考えると生きているのかもしれない。

 でもなあ。はっきり言って死んだはずなんだよなあ。自殺を選んだし。市に損ねる筈は無いんだ。

 ここまでリアルだとやっぱり生きているんだろう。と、思うしかないか。

 まだ半信半疑だけど。

 だって謎生物がいる訳ないじゃん。

 人にも全く会わない。あの高飛車女性以外はだけど。あれにはもう会いたくない。なんかムカつく。

 あれ以外の人に会いたい。

 で、ここが何処なのか知りたい。

 太陽がないからどの程度の日数が経過したのか全く分からない。

 この通路も結構歩いているけど人がいるような感じじゃない。

 もう百キロ以上は歩いている筈なんだよなあ。

 この建物?は滅茶苦茶広い事は分かる。

 それにアップダウンがある。

 扉のような仕切りを開くと生態系が変わったりするし。


 さっきは湿地を延々と歩いていた。角の生えた蛇・・ツノヘビというらしい、に襲われたし。

 ツノヘビはなんとか倒せたから久しぶりに肉食が出来た。

 毒があるかもしれないと思ったけど。

 空腹がしんどすぎて。

 俺死んでいるんだし今更気にしても仕方ないから食べた。

 ・・・結構うまかった。

 次会ったら確実に仕留めよう。

 

 歩いて、食べて、眠って、歩く。

 延々と繰り返している。

 やっぱり生きているんじゃないかな。

 閻魔様には会えそうもない。

 次死んだら会える事を楽しみにしよう。

 

 しかし、この謎の建物?は誰が作ったんだろう。

 ・・広すぎる。

 こんなに歩いたのに出口がない。窓もないし。階段もない。

 勿論というか電気や水道なんかは無い。

 水は水たまりを見つけて飲んでる。調子悪くないから大丈夫なんだろと思っている。

 分からない事だらけなんだけど警戒しすぎても駄目だとやっと理解した。

 注意深く動いていたら・・多分死んでいたと思う。水すら手に入らなかったし。

 

 おかげで今は最初よりはマシな装備になってるし。

 

 木の幹に刺さっていた短剣。刃は結構鋭い。鞘がないから事故注意だ。ツノヘビはこれで仕留められる。

 薪にする事ができなかった木の棒。一メートルくらいの長さでかなり固い。穴掘ったり、突いたり結構使える。

 あちこち散らばっている藁みたいなもので編んだ草履。細かい石礫が足裏に刺さっていたストレスから解放された。

 手ごろな石を割って作った石包丁。棒や蔦で手斧もつくってやった。獲物捌きや薪とか使える。

 燃えない蔦を見つけたので鎧みたいなのを編んでみた。コボルトの爪やツノヘビの牙を完璧ガード。いいもん作ったぜ。

 更に蔦で背負い籠みたいなものを作った。ちまちまと作った小物とか食料を入れて運べている。

 

 俺って案外器用だったんだなと思った。

 無茶な戦いを挑まない限り簡単には死なないだろう。

 謎の敵判定情報があるから無理をしなくて済む。かなり便利。

 なんか自分の情報も取れる事がちょっと前に分かった。これで敵と自分の能力差がある程度測れる。とっても助かる。

 

 やっぱり問題はこの建物がどうなっているのかだなあ。

 脳内マップもそろそろ限界だし。

 なんか考えないとなあ。


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