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エッセイアラカルト

ずば抜けて好きなものがないということ

作者: 降井田むさし

会社の人に、好きな食べ物を聞かれた。


でも好きなものは、かなり混戦なんだ。


同じくらいだ。同率一位が数十個ある。


みんな好きって、ダメかもしれないよ。


でも、決められないくらい特別がない。


聞かれてから丸二日くらい、考えたい。


二日の時間がほしい。事前質問がいい。




会社の人に好きな食べ物を聞かれた時。


すぐに『ラーメン』と答えてしまった。


すぐといっても10秒は考えただろう。


よく考えれば、お寿司の方が好きかも。


そう思ったけど、もう遅かったんだよ。




優勝発表の時、ドラムロールを鳴らす。


それを、テレビ番組ではよく見るよな。


『あなたの好きな食べ物は何ですか?』


そう聞かれたあとに、ドラムロールを。


あのドラムロールを、鳴らされたなら。


すぐ答えられる人間に、僕はなるんだ。




会社の人に、また質問されてしまった。


今度は、食べ物系の質問ではなかった。


好きな女性芸能人は誰か、ということ。


答えられなかった。色々考えちゃった。


知名度が無い芸能人を、言ってもだし。


若すぎる芸能人を、言ったらひかれる。


有名芸能人に、好きな人はいないんだ。


言いたくない。そう頑なに拒み逃げた。




シャワーを浴びながら、考えてみたよ。


好きな女性芸能人や、アーティストを。


冬の名曲を歌っている、歌姫とかかな。


なんでもすぐ出来る、女優さんとかも。


シャワー後に、体を拭きながら考えた。


狂気なストーカーを、怪演した女優も。


でも、好きな女性芸能人がしぼれない。




その時、シャワー残水が一気に落ちた。


いつもよりも、勢いがいい気がしたよ。


シャワー置きの下は、テーブルなんだ。


だから、音がかなり響いてしまってた。


その音が、ドラムロールに聞こえたよ。


『ドドドドドドドドドドドドド、ドド』


リズムも、ドラムロールそのものでね。




好きな女性芸能人を、答えなくてはな。


という気持ちに、なってしまったけど。


やっぱり決められなくて、焦ったんだ。


そしたら、洗面器を床に落としていた。


手がすべって、床に下向きに落ちたよ。


それが、コマみたくうまく廻っていて。


その音が、ドラムロールに聞こえたよ。




『ドドドドドドドドドドドドドドドド』


間はなかったけど、ドラムロールでね。


また、勝手に追い込まれてしまったよ。


なんでもすぐ出来る女優さんが、好き。


バラエティーで、スゴ技を炸裂させる。


なんてカッコいいんだ、と思ったんだ。


そんな結論に、至ったということだよ。




考えるだけで、好きになっていくんだ。


考えることで、脳に定着していく形か。


好きなことを考えていくのもいいかも。


新たな発見とか、好きに気付かされる。


好きを整理し直す事を、オススメする。




シャワーの残水は、悪い現象ではない。


故障ではないらしいから、気にするな。




焼き芋が、一番好きかもしれないんだ。


好きな食べ物は、焼き芋かもしれない。


トースターで自分で焼いて、食べてる。


それが一番だ。お寿司は二番かもだな。


次は答えられる一番が、決まったから。


いつドラムロールが鳴っても、大丈夫。


シャワー残水ドラムロールも、大丈夫。


『ドドドドドドドドドドドドド、ドド』


『僕の好きな食べ物は焼き芋なんです』


そう言えると思う。だから大丈夫だな。


シャワー残水ドラムロールって、何だ?




どんな遊びが好きなのか、聞かれたら。


すぐに答えられるくらい強いのがある。


それは、言葉遊びだ。ダジャレもそう。


ドラムロール前に、答えられるくらい。


言葉遊びは、大大大好きで間違いない。




誰じゃ?ダジャレ嫌いと言ったヤツは!

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