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第1話 誰が空を泣かせたの?
――降り注ぐ雨を眺めて
――思う 憂れう
何が空を泣かせたのだろう
一人ぼっちで涙してる青
分厚い雲の向こうにいるはずなのに
遠すぎて 伸ばした手じゃ触れられない
冷たい水が大地から温度を奪っていく
人の心からも 窓の外から何か見えた
降り注ぐ雨の間に 雷まじり
それは 亀裂が入った痛みの証拠で
砕けそうな 悲しみを抱いてる
海になる水たまりが 人の世界を飲み込んで
濁流と化していっても 伸ばしたこの手は届かない
この手でおぼれそうな誰かを掴まなくちゃいけなくて
両手以上のものには 手を差し出せない
「巨大な水たまりをなくそうとしたって
この両手で すくいあげる水だけじゃ 海が減らせない」