07.やらかし少女と卵雑炊
うおおお! 評価はまだまだですがブクマが19人も!(小市民なのでこれだけで既にビビってます(笑))
ブクマして下さった方々、読んで下さっている方々! ありがとうございます!
嬉しいのでもう1話アップしちゃいます(*´ω`*)♪
巨大なドラゴンの頭蓋骨を見た後、気を失っていたロゼリアです。
気がついて目を開けるとオロオロしているルティアさんと目が合いました。
なんですかねアレ!? おかしいですよね!?
ルティアさんが指を鳴らした瞬間に出てきましたよね?! 【アイテムボックス】という収納のレアスキルがありますがそれでしょうか? 容量は人それぞれですが、あんなに大きな物が入る容量は大変珍しいんですよ!
出てきた物もどうみてもドラゴンですね。エンシェントドラゴンかどうかは分かりませんが、彼女を見る限り嘘をついているようには思えません。
「だ、大丈夫? やっぱり大きいからビックリしたよね?」
「”大きいから”だけじゃないですから! なんですか? ”殺っちゃった”ってなんですか!?」
「ええ〜? そのまんまの意味ですが?」
「ドラゴンですよ! ド・ラ・ゴ・ン! 戦闘系の凄いスキルでも持ってるんですかっ!?」
「持ってないけど?(しいていうなら【威圧】?)」
「”持ってないけど?”じゃありません! どうやって退治したか分かりませんがまだ子供なのに危ないことしちゃ駄目じゃないですか! それ以前にですね―――」
私が怒っているのにルティアさんは首を傾げながらもクスクス笑っています。
「ちょっとルティアさん! 私怒ってるんですよ! 何を笑っているんですか!?」
「だってさ〜ロゼリアたんが怒った顔してるから〜。ショック療法大成功!」
はい? 怒っておりますから当然―――
「え? ”怒った顔”ですか?」
「あ、今は不思議な顔してるよ♪ ほい鏡〜」
そう言って何処からともなく(恐らくスキルで)取り出した手鏡を渡してきました。
鏡を見れば困った顔をした自分。鏡を眺めながら顔を触っていますとルティアさんが声をかけてきました。
「ロゼリアたん見て〜」
「……ぷっ、あはははは! なんですかその顔!」
「ルゥたんの変顔ぉ〜」
ルティアさんが自分の頬を摘んで左右に伸ばして変な顔になっています。ふと視線を鏡に向けると笑っている自分の顔が写っています。
「(私……笑えてる!?)」
長年、自分の表情筋がどうあがいても動かなかったのに今の私は貴族としては失格でしょうが、普通の人のように笑っています。
「る、ルティアさん! 私……普通に笑えてます……」
「やったね! 良かったじゃん! 今のロゼリアたんは貴族でもなんでもなく、普通……いや超絶かわゆすな美女なんだから!」
お世辞と分かっていても美人と言われますと嬉しいですね。照れてしまいます。
「っ! ありがとう! ありがとうございます!(美少女のテレ頂きました! やっほい!)」
何故でしょうか? 出会ったばかりですがルティアさんが変になることが多いんですよね。本人曰く”萌えてるだけだから気にしないで♪”と言われました。燃える? 何が燃えるのでしょうか?
「ご褒美ありがとうございます! さあマドモアゼル、食事にしましょう!」
「はぁ……」
驚きの連続でしたが取り敢えず彼女が用意してくれた食事を取る事になったのですが―――
「ルティアさん……これ何でしょう?」
「え? 普通の卵雑炊ですが?」
「・・・・・・」
「あ! 卵ダメだった? それかパンの方がよかった?」
「いえ……これライスですよね?」
「そそ、お米。ライスです」
「卵ですよね?」
「そだよ〜。胃に優しいものって思ったけど、やっぱパン用意しよか?」
彼女は知らないのでしょうか? 確かにライスはこの大陸では珍しいですが、とある別大陸では主食となっていますから特に問題というわけではありません。問題はそう―――卵です。卵は野鳥や鳥系の魔物の巣から採取してくるもので大変貴重なものなのです。
「ルティアさん、資源が豊富な死境とはいえ卵よく手に入りましたね? 巣でも見つけました?」
「え? 【空間農園】で畜産して【無限収納】に配送してもらって沢山あるけど?」
「はい?」
え〜と……私の聞き間違いでしょうか?
「ごめんなさい、”畜産”と聞こえたのですが、野鳥の卵ですよね?」
「え……そんなのちゃうよ。”ブラックコカトリス”さんの卵ですが?」
「はいぃ?」
「死境で見かけて鑑定したら『畜産可能、大変美味』と出たから、コカトリスもブラックコカトリスも魔法で《麻痺》させて〜生け捕りにして〜【空間農園】に”送還”して、”ゴレムさん”に世話させて美味しい卵とお肉になっております♪」
ブラックコカトリスはコカトリスの上位の鳥系魔物です。その強さはAランク。コカトリスはCランクです。どちらもその肉と卵は重宝されております。特にどちらも卵は採取が難しいと言われております。
どちらも大きさは大型犬くらいで、コカトリスは石化効果のクチバシで攻撃してきて、尻尾の蛇は確か猛毒だったかと。ブラックコカトリスはこれに加えて石化ブレスと毒ブレスも吐くといいます。
余談ですがこの世界で”畜産”といいましたら”アルプスヤギ”と呼ばれる山羊くらいでして、乳とそれによるチーズくらいですね。お肉は食せますが独特の風味なので好みが別れます。
そんなコカトリス達を畜産ですか!?
”魔物を狩れば事足りるのにわざわざ畜産するんですか?”と伝えますと―――
「え!? マジかぁぁぁ! ヤギ以外畜産ないの!? 美味しく育てないのっ!? 豚は? 牛は?」
「むしろ私の方が驚きですよ! 危険な魔物をわざわざ育てませんし、冒険者がギルドに売却したり猟師が狩りをして卸してますから」
「え、何それ? 冒険者と猟師って農協さん扱い!?」
唸るルティアさんですが、私としては畜産もですが”ゴレムさん”って誰ですかね?
「ん? ”ゴレムさん”? ゴレムさんはね〜ルゥたんトコの従業員です。また後で紹介するね。それよりも冷めないうちに食べて食べて」
まだまだ聞きたい事がありましたが、冷めてたら申し訳ないので器に盛られたそれをスプーンで掬って口に運びました。
「〜ん〜〜〜!!」
熱い! けど美味しい!
卵とライスが絡まりたまりません! スープも大変優しい味で胃がホカホカしてきます。
掬っては食べ、掬っては食べ……気がつくと器はカラになっていました。
「こんな美味しいもの初めて食べました!」
「おそまつさま〜。口に合って何よりだよ」
初めての料理でしたが大変美味しかったです。公爵令嬢の時でもこんなに美味しいものは食べた事がありません。ルティアさんって料理が上手なんですね! こんなに小さいのに……。
さて、お腹は満足しましたが今後の事をどうするべきか考えなければなりません。
それにルティアさんが言っていた”私の死の偽造”や追手は本当に来ないのか? この死境と呼ばれる場所に何故彼女は住んでいるのか?
考える事も聞きたい事もいっぱいです。彼女ともっと詳しく話をすることにしましょう。
ロゼリアは感情豊かなのですホントは……。ただ貴族令嬢としてポーカーフェイスしまくっていて表情筋が狂ったような感じですね。ああ……他のなろうさんみたいに上手に表現出来ないぃ(TдT)!
そして小説ストックが残り少なく……うぉぉぉピンチだ(汗)