43.出し物思案と商会名
「やっぱり出店するなら食べ物でしょうか?」
「そうだね〜。元々出店するはずだった店って王都でコーヒーを出してる店だし」
「ではハンバーガーはどうですか? ギルドで食べた(というかルティアさんが脅した)職員にも好評でしたし」
「うーん、それもいいんだけどね……ほらコッコで肉料理出すお店が多いらしいから肉や玉子料理は止めたほうがいいかな」
「あ……そうですね……」
死境の【魔法の家】にて収穫祭の出し物を相談しているルティアです。しょんぼりしているリアたんに萌え萌えしてます! しょんぼりリアたんもカワイイ!
『『『マスター変態。色々と残念無念。来世へ旅立って』』』
煩いですよゴレムさん達。農園から念話でわざわざツッコミ入れるなよ。
閑話休題。
「その店って帝国から輸入したコーヒーを使ってるかなり高級な店だってね」
「はい……メイガンさんによりますと、かなり有名なお店らしいです。少々高くてもそこのアイスコーヒーが飲めるというので毎年そのお店目当ての観光客が多いらしいです」
「冷たいもの……ねえ……」
例年、収穫祭の時期は夏ほどではないが少々気温が高いらしく冷たいものが好まれるらしい。
冷たい物かあ……多分かき氷は他の店でも出すだろうし、こちらもアイスコーヒー出すことは可能だけどその店目当てに来た客は余程珍しくないとおそらく買わないだろう。前世でいうネームバリューによる力の差だ。
「あ! 大事な事忘れてました!」
「うん?」
「出店の際、商会名を登録して下さいってオルカカさんが……」
「ふぁっ!? ルゥたん行商人だからお店ないのにナゼにっ!?」
「なんでも”○○商会の品です”の方がインパクトがいいからと……」
「えー!? イキナリ商会名って言われてもなぁ……」
リアたんからこれを聞いて「ハゲもっと早く言っとけよ!」と心の中で愚痴る。あのハゲは一生ハゲとけよ。うん、念を送っておこう。ハゲ増すように(笑)
だってさ〜出し物で悩んでいるところに商会名まで考えろとはこれ如何に。
ふと庭に目を向けるとすっかり花が無くなって青々しくなった故郷の木。懐かしさでぼんやりと眺めていたらリアたんがポンっと手を打ち、
「サクラ商会ってどうですか?」
ほへ? ナゼにサクラ!? あ、ルゥたんが庭を―――桜を見てたからか。
うーん、それもいいがそのまんまもなぁ……でもネームセンスがないルゥたんには他に思いつかな……
「あ…」
「ルゥさんどうしました?」
「…………ム……」
「え?」
「ブロッサム商会……はどうかな?」
前世のプリティでキュアなアニメを思い出したんだよね! それに桜は確か英語でチェリーブロッサムだったかな? うんいいね! これにしよう!
「ブロッサム商会……いいですね!」
「よし! 今からルゥたん達は”ブロッサム商会”だ!」
何とか商会名はこれで決まった! 後は収穫祭でも出し物だ!
「となると……出し物はここは出番ですよ! チョコレート様ですね!」
「却下」
「何故っ!?」
「リアたんが売る前に食べちゃうだろうし、あれは熱に弱いから溶ける」
「し、失礼ですよルゥさん! つ、つまみ食いなんてしません!」
「どもってる時点でアウトォォ! 他のを考えようね」
「しくしく……」
油断も隙もないな。チョコレートに”様”付する時点でヤバイから。まだ禁止だなこりゃ。
しかし中々思いつかないなぁ。かき氷ダメならと氷菓子であるシャーベットと考えてみたが珍しいかもしれないがインパクトに欠ける気がする。こうもっと……なんというか手に持って食べれて……
「あ……アレがあったぁぁぁ!」
「いい案を思いついたのですねルゥさん!」
シャーベット、それもいいけど、あれを出す!
だけどアイスじゃないよ。うふふふ。
くっくっく。見てろよ裏切り行為したどっかの商会と邪魔したバカ貴族!
メイガンたんを泣かせた罪は重たいぜぃ! ギャフンどころかザマァしてくれよう! 貴族は収穫祭時は夜にパーティするらしいからせいぜい評判を落とすがよいわ! くはははははは!
そうと決まれば早速準備だ! リアたんが以前から気にしているアレもこれを機に使いますかぁ……。
ウキウキ気分で農園にいるゴレムさん達に連絡を入れるのだった。
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