26.タマゴと鶏肉のために改良しました
あるあるネタが多くてゴメンなさい(´;ω;`)
何番煎じなんだろうね・・・(;・∀・)
コッコ…コッコ…コカコッコー‼
目の前には、けたたましい鳴き声を上げている鳥…いえ鶏ですね。コカトリスを小さくしたようなそれはコッコ、コッコと鳴きながら檻の中で小麦の殻を食べています。
「増えたなぁ〜! 流石はゴレムさん!」
『(エッヘン! 改良カンガリマシタ! 石化コウリョクモナクナリ、尾ノ蛇モナクナリマシタ! タダ、クチバシ攻撃と蹴リハ危険ナノデ、注意デス!)」
「……ルティアさんこれは一体……」
朝、大きな鳴き声が聞こえたので庭の方へと来てみたらこの有様です。
「え? タマゴ不足ってリアたん言ってたし、商人登録したから仕事しましょうね、も言ったじゃん。仕事したくないけどタマゴが普及したら、街でもオイシイもの食べれるかなぁと思って……」
「”思って”?」
「コカトリスを弱く改良したら新種が出来ちゃいました! その名も”コッコ”ちゃんです!」
コカコッコォォォォォォォォ〜〜〜〜〜‼
「・・・・・・」
「クチバシと蹴りは危ないけど皮手袋と分厚いブーツとかで防げるレベルだし。これなら他の人でも畜産可能でしょ? そうそう、お肉もうまうまですよ! コカトリスよりも弱いし小さいけどその分繁殖率も高いし、仕事ない人もこの仕事斡旋してあげたら失業率も減ってみんなバンザイ!」
話だけ聞いたら確かに良い事ですね。でもだからといって―――
「何ササっと新しい魔物を作っちゃってるんですかぁ!」
「え? 魔物? ノンノン、コッコちゃんです」
「いえ魔物ですよね!? しいて言うならコカトリスの下位の魔物ですよね!?」
「そうとも言う(笑)」
コッコちゃんと呼ばれるその魔物をよく見ると、コカトリスよりも小さく、尻尾がありません。額にあった第3の瞳は瘤のようなものになっています。中から力強く蹴っているせいか、檻が揺れています。力が強い以外は殆ど普通の鳥ですね。
「”キャンピングカー”で運ぶのですか?」
「それ忘れてマジで……。荷車用意したのでそれで運びます」
キャンピングカーで目立つのが余程嫌なのか、遠くを見つめるルティアさん。もういっそのこと諦めたらいいのに。コビットの時点で目立ってますし。
「でもこれ、関所で止めれますよ……」
「だろうね。だからハゲを呼んでもらって関所まで来てもらう」
ハゲ……ってギルドマスターのオルカカさんの事ですよね!? た、確かに頭はその、まあ、なんと言いますか個性豊かと申しますか……
「素直になろうぜリアたん。ハゲはハゲ(ハート)」
「ルゥさんの物言いがストレート過ぎるっ!」
こうして荷車に乗せたコッコちゃんと共にフロンティアの近くへと【瞬間移動】のでした。
「おや? ルゥさんこんにちは」
「コンチハ〜‼」
今日もローブを被っていますが私が一緒なのもありまして、ルティアさんと分かるみたいです。すっかり関所の皆さんと仲良くなっていますね。たまにしか来ないのに……。
「ところで後ろの荷物は何かな? 鳴き声がするけど?」
「ああ、これね……悪いんですがハゲ……ギルマスを呼んでもらえませんか?」
「構わないが? あと一応荷物を確認してもいいかな?」
「いいけど驚かないでくれるとルゥたんうれしいなぁ」
「ははは。何だろうね?」
別の兵士に伝令を頼み、残った兵士が確認の為に被せていた布をめくります。
兵士さん達……笑ってますけどそれ、一応魔物です。私はすっかりルティアさんのやらかしに慣れちゃいましたけど、兵士さん達は初ですよね? 気をしっかり持って下さいね……(遠い目)
「「・・・・・・」」
「コカッ?」
「「・・・・・・」」
「コカコッコォォォ‼」
「「こ、コカトリスぅぅぅぅ!?」」
「ちゃうもん! コッコちゃんだもん」
いやルティアさん……どう見てもコカトリス(小)にしか見えませんから。
「おーい。チビが呼んでるっていうから来たがどうした?」
「お、オルカカさん!」
「あ? 何腰抜かしてんだ? どうし……」
「コカコッコォォォォ〜‼」
「お前……ナニ魔物を街に持ち込もうとしてんだよっ! このくそチビ‼」
「だれがチビだよ!? それにコッコちゃんだと言ってるだろうがこのハゲ!」
「知らねえよ! 何度も言うがハゲじゃねえよ! それに俺は今来たとこだ! 説明しろよ! 場合によっちゃギルド証没収だぞ!」
はい……そうですよねぇ……。普通はそういう反応ですよねぇ。このままですとルティアさんとギルマスの言い争いで終わりそうなので私が説明しましょう。オルカカさんにコッコのこと、畜産のこと、そして初級冒険者でも倒せるレベルである、などを説明致しました。勿論、コカトリスを改良したという事は内緒にしてますよ。
「―――なるほど。つまりコイツは山羊と同じ様に畜産可能な魔物ってわけか」
「はい、そうなのです」
「はぁ〜……マジどこで見つけてきたんだよコレ……」
「な・い・しょ♪」
「山羊は動物だが、こいつ魔物だろ? 弱いとはいえよくやるよ……」
「えっへん!」
「褒めてねえ! 褒めてないからな!」
どこからツッコめばいいですかね? 取り敢えず調子に乗ってるルティアさんを止めましょう。
「ルゥさん、オルカカさんをからかうのは止めて真面目にお話しましょうね」
「ええー‼」
「……ル・ゥ・さ・ん?」
「ひぃっ‼ はい止めます! 真面目にお話します‼」
少し注意しただけでそんなに怯えなくてもいいと思うんですけど?
「いや、怖かったからなリア! 自覚ねえのかっ!?」
失礼ですね。私はルティアさんみたいに【威圧】とか使えませんよ?
「……まぁ、兎に角こいつはギルドが預かる。責任は俺が取るから通しちゃもらえないか?」
「オルカカさんがそう言うなら……市民が驚くので布は被せておいて下さいね」
こうして私達はオルカカさんにも手伝ってもらい荷車をギルドまで運ぶのでした。
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