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9話 みんな笑い合えるような世界に

 ハジメは1日中、神様の名前をどうするか考えていた

別に呼びにくかったり、気に入らなかったら後で変えれば良い

とは思っていても それもなんか微妙だったからだ

 

 ゲームの主人公等の名前はスラスラ思い付くし考え付く始だったが さすがに人の しかも神様っぽい人の名前なんて

そうそう思い付くものでもなかった


 そうこうしているうちに午前中の授業が終わり 給食の時間

始の学校の給食は美味しい事で有名で 給食の時間は楽しみだった

牛乳はビンで来るタイプで 

牛乳アレルギーの子や牛乳嫌いの子の牛乳は

いつもジャンケン牛乳争奪戦で決めるのである

残念ながら始は今日のジャンケンには負けた


 給食の時間が終わると昼休みである

始の学校の昼休みは20分 貴重である

いつもの始なら迷わず校庭に出て 友達とドッジボールコースだが

今日はやりたい事がある 相談である


普通なら絶対行かないようなプールに行く階段を上り

そこで見たものは

和也カズヤとそれをイジメる4人の姿だった


 始はどうするか考えた しかし前回と違う事は まず願いは叶うと言う事が証明された

そして今は念じれば相談役がいる 別に今止めて後で困った事が起きたら

その時に考えれば良い そう思って始はとりあえず止める事にした


「そこで何やってるの?」

4人組の一人が答えた

「和也とただ話をしてるだけだぜ なんか用か?」

「何か困った事があるなら先生呼んでこようか?」

「っち 余計なお世話だよ 和也また後でな」

そう言って4人は去って行った


 下手に対抗するより先生を呼ぶ これが手っ取り早い

本人達も悪い事をしている自覚はある よってここで揉め事を起こす気は無いからだ

「和也大丈夫か?」

「いつもの事だよ ただ礼は言っとく ありがとな」


 和也は礼を言うとその場から教室へ帰っていった

今の一騒動でいろいろ質問を考えていた始だったが

大半の事を忘れた

そして場所も確保出来たし 神様を呼び出した

始は質問をした

(今の俺カッコ良かった?)と


神様はニッコリ笑って 

「その勇気ある行動自体はカッコ良かったですよ」

 始は少し顔を赤らめ喜んだ


「ただそれが昨日出来たらもっとカッコ良かったんですけどね・・・」

 少しガックリした


さすが始の意にそぐうように作られた神様である

始の思うような回答だった 

ただそのあと神様が追加で言った


「あれではまた同じ事が起こりますね」


(じゃあ和也が笑顔になるにはどうすれば良いの?)


「あれは和也さん自身の問題と あの4人に問題がありますね

 願いを使えば関係を変える事は出来ます ただ

 その願いを聞き届けるにはいくつか注意点がありますよ 聞きますか?」


(教えて下さい)


 神様は 

人間関係を変える事は風邪にする事とは違い 

世界の法則を歪めてしまう その為

もしそれを行った場合 今の世界ではなく 和也と4人が仲の良かった違う世界になる事

そして 和也とその4人が仲良くなった所で別の所では不幸な人が生まれる事

今の環境も、もしかすると変わっている事

始と言う存在がもしかすると存在しないと言う事


 それらを始に分かり易く説明してくれた

これを聞いた始は 少し怖くなった

自分の願い一つでこの世界が違う世界になってしまう事

もしかすると その世界では不幸な人が沢山いる事

そして自分の存在が消えてしまう事


始は聞いた

(みんな笑い合えるような世界には出来ないの?)


「する事は出来ますが」


今の人間の形を保ったままそれを実行するのは不可能な事

もし実行すると先程同様 色々な事が起きてしまう事

を始に説明した


 最初の願いは風邪にするくらいで そこまで世界に大きな変動は無かった事

そして今の説明は 必要な時に説明すれば問題ないので説明しなかった事を

始に伝えた

この相談役が神様自身と言う願いはファインプレーである


 始自身色々な願いはあったが

今の説明を受けて考え直すのであった


そうこうしているうちに 20分と言う短い休み時間はあっと言う間に過ぎた


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