5話 最初の願い
始は今日のイジメ関係で何か出来ないか考えていた
もし叶うなら願い事は何個でも叶う訳だし
別に小さい事は気にしていないのである
クラスのヒーローみたいな立場になれば良いのか?
それともイジメをしていた男子達を懲らしめれば良いのか?
始にはわからなかった
そんな事を考えているうちに始は夢の中へ誘われた
すると神様が現れた
始は神様が現れた事にとりあえず安堵した
とりあえず昨日の出来事は夢ではなく現実なのだと
まぁ夢の中っちゃ夢だが 細かい事は気にしない
神様に問われた
「では願い事はありますか?」と
始はまだ考えていた
一体どうすれば色々と丸く収まるのか
みんなが笑顔になるか
と言う事で いつも通り神様にアドバイスを聞いてみた
(一体どうすればイジメをしていた人達を懲らしめて、みんな笑顔になれますか?)
神様は少し考えた後
「イジメの懲らしめ具合によります」
始は考えた
別にあの4人も少し懲らしめればイジメはやめると思うし
そこまで大悪党と言う訳でも無かった
そして考えた結果が
(明日あの4人が学校に来ないようにして欲しい)
「ではその願い叶えましょう」
「頭に思い浮かべている4人を明日学校に来ないようにします」
こうして始の最初の願いはイジメをしている4人を1日学校へ
来ないようにする事に決まった
朝起きると
当然始自身何か変わっている事は無く
昨日の今日で家族に願い事うんぬんの事を言うつもりも無かった
いつものように朝食を食べ、いつものように学校へ行く準備をした
ちなみに2つ下の妹の明香里も同じ学校なので
始と明香里はいつも通り一緒に学校へ行くのだった
学校へ着くと明香里とは分かれ自分の教室へ行く
始は明香里がいるので ギリギリ登校等はせず
時間にはゆとりがあった
始にはクラスに気になる子がいた
名前は 加奈 (カナ)
加奈はクラスの生物係で、朝いつも早く来て
水槽にいるメダカや花の花瓶の水を変える作業をしている
始はそれをのんびり眺めるのも朝の日課であった
始が加奈に抱いている気持ちが恋心と自覚するのは
まだ先の話であった
そしてチャイムが鳴り、出席を取る先生
そして驚くクラスメイト達と始
なんと4人同時欠席である、それも自分の指定した4人が
普通に毎日欠席者が出る事はあるが
4人同時 しかも前日まで元気
始には理由は分かっていたが
滅多な事では起きない 先生が 理由は病欠で 朝に急に熱を出して
今日は病院に行く為、学校へは来れない
と言う事だった
クラスメイトが少しざわついている中で 一人胸をなで下ろして
ホッとしている一人の男の子がいた
始は最初は心底驚いていたが
同じ夢を2度も2夜連続で見た事なんか無かったので
夢に神様が出てきた時点で ほぼ現実なのだろうな
とは自覚していた
しかし可能性が低いにせよ、別に4人同時に死んでしまった
とかでもないので、クラスメイト達が慌てる事もなかった
すぐに教室は静かになり いつも通りの1日が始まったのであった
始は体育が得意なので当然体育の授業は好きだった
逆に机に向かって勉強と言うのが嫌いなので
もっぱら社会の授業とかは寝たフリをしたり 本当に寝ていたりで
先生に怒られるのであった
それを見て笑っているクラスメイトを見て
始自身も満足しているのであった
始はなぜ算数は得意なのかと言うと 将来必ず必要になる
と思っているからである 当たり前だが 計算は日頃の買い物等で使っており
身近な物として勉強にも多少やる気があった
逆に社会等の日頃の生活では使わないような科目は
とてつもなくやる気がない
地理の東西南北や場所の名前等はやる気があるが
1192作ろう鎌倉幕府とかそういった事は全くもって興味がない
よって現在のような得意分野で理系の頭なのであった
そうこうしているうちに、日は傾いていき
放課後となった
昨日イジメを受けていた彼は一体どうしているだろうか?
と思う始であった
そして放課後とりあえず校庭で遊び、教室の様子をその後見に行くと
一人の男の子がそこにはいた・・・