31の6、ヤリズヘ向けて6
エリさんは自転車を軽やかに乗ることができた。
彼女が乗っているのはママチャリだ。
変速機はついている。27インチだ。
電動アシストはいらないという。ここでは魔力アシストなんだけど・・・・・。
三輪の方が安定がいいし安全だよと言ったけど二輪の方がいいと言ってそちらを選んだ。
私の用意した自転車で実際に走ってもらったが問題はないようだ。
「この自転車、走りやすくて気に入ったわ。ありがとう。学校に通うのに使っていたのよりいい感じ」
「学校?学校に自転車で通っていたの?どこの学校?何か思い出した?」
「学校?うーん大学?うーーーん、ダメ。それ以上思い出せない」
「そうか、無理はしない方がいいね」
早く記憶を戻してあげたいが無理は逆効果だ。
ここは色々な経験をすることによって記憶が戻るか試してみるか。
自転車の旅が何かの引き金になるかもしれない。
大学か?こちらの高等教育機関を訪ねてみるか。それも思い出すきっかけになる可能性はありそうだ。
カルクロ王国の王都には大学に当たる高等教育機関もあったはずだ。
日本の大学とはだいぶ異なるだろうが・・・。
できたら彼女の専門分野、せめて理系とか文系とかだけでも知りたいものだ。
クスクスからゆっくりとヤリズに向かって進む。
この後も途中で何泊かすることになる。
できるだけ野営はせず宿をとるようにした。
魔道具のテントなどもあるから野営でも問題はないのだが初めからあまりカルチャーショックを起こさせたくないとの配慮だったのだが・・・。
エリさんはすぐに魔法に順応した。
ちょこっと見せた魔法に興味を持ち本人も使ってみたいと言ってきた。
彼女の状態が鑑定できないので使えるかどうかわからない。
どのようの練習をしてらいいかもわからない?
どうしようか?
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