31の5、ヤリズヘ向けて5
根回しって大事ですよね。
記憶喪失の女性エリを保護した場所はカルクロ王国内だ。正確にいうとカルクロ王国クスクス領になる。
走りたい自転車道の関係とビュテル共和国から直接カルクロ王国に向かうルートを選択した関係でスルベール帝国は通過していないしクレハスにも寄らない。
ヤリズに向かっているがヤリズ領に直接入るのでなくクスクス領との国境を通過してカルクロ王国に入った。
クスクス領の領主とは面識はあるもののそれほど親しいという訳ではない。
ただビュテル共和国ができてから作られた国境の検問所では領主こそいなかったが責任者が私の来訪を歓迎してくれた。
この後、クスクス領領都クスクスに滞在する予定だ。
領主も面会を希望していたが今回は私的旅行だからと言って断っただよね。
そこをどうにかと言っていたがこの状況では面会をしなくてはいけなくなりそうだ。
カルクロ王国の国王にも根回しが必要かな?
翌日の自転車道警備隊による現場検証とエリさんに対する聞き取りは滞りなく行われた。
私の保護も問題なくできそうだがやはり領主と国王の許可は必要になるということだ。
私による保護に関する書類を自転車道警備隊の本部のある領都クスクスで作成した。
その後、領主と面談して国王による許可の連絡を待つことになった。
事前に国王には邪神のことも含めてある程度の事情を説明してある。
また、妻を増やすのかなと弄られたが無事に許可が下りてエリさんの身分証明書もクスクスで発行された。
クスクス領やカルクロ王国が彼女を保護するように言われても困惑するだろうし私に対して丸投げだ。
「私は現在自転車で旅行中なのですがエリさんはどうしますか?」
エリさんにこれからどうするか尋ねている。
旅行を中断するという手もあるのだがここは本人にどうしたいか尋ねてみた。
「私も一緒に自転車で旅行できないでしょうか?」
「エリさんさえよければどうぞ。では装備も整えてから出発しましょう」
こうしてエリさんが自転車旅に同行することになった。
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