31の4、ヤリズヘ向けて4
邪神の影が!
記憶喪失の女性エリを保護した。
休憩所の宿に部屋をとり休んでもらっている。
部屋ではレイナとクレハが付き添ってくれている。
治療の魔術具を使ったから命には別条はないと思われる。
明日には自転車道警備隊が到着して現場検証を行い彼女を保護してくれるだろう。
しかし、不自然な記憶喪失だ。
そしても服装もこの世界の人とは違う。
そう、これは現代日本人の服装だ。
「という訳です」
「そうか、しかし私たちの所ではののエリというお嬢さんの転移は把握できていない。自然現象による転移はあまり考えられないから訳が分からん」
今神殿に来ている。
創造神様との面談中だ。
創造神様がまた気まぐれを起こしたことを疑ったのだが違ったようだ。
「ということは創造神様が把握できない人物による召喚転移ということですか?」
「そういうことになる。・・・・邪神が怪しいか。今の奴に単独でそのような能力はあるだろうか?いや中途半端で失敗したか・・・」
「今のということは?」
「邪神にも召喚転移を行う能力があるがこちらで力を抑えている。実際に邪神の使徒には地球からの召喚者がいる」
「そうだったのですか?」
「あれ、言っていなかったかな?」
「聞いていなかったように思いますけど」
「ごめん」
「かまいませんよ。記憶を残した転生者もそれなりにいると思うのですが」
「転生も把握しているけど今回の子は転移者だね。そうなれば神が関与しているはずだよ」
「そうですか。そうなると私が彼女を保護しておいた方がいいですよね」
「頼むよ」
「了解しました」
私の鑑定能力でも本人の名前と年齢しかわからなかったのはおかしいということで創造神様と意見が一致した。
何かしらの強力な隠蔽が施されているようだ。
宿に戻りしっかりと睡眠をとることにした。
エリを私が保護するには各所との根回しや交渉が必要だ。
明日は忙しくなりそうだ。
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