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自転車で行く異世界旅  作者: TKSZ
3章、旅は道連れ
90/144

31の3、ヤリズヘ向けて3

続きです。



保護した少女を400m先にある休憩所に運んだ。

私の収納には担架もあったのでそれを使った。

休憩所には無人宿泊所が併設してあったのでそこを使うことにした。

ファミリー向けの寝室が2つあるタイプを利用する。

リビングやキッチンやダイニングもついている。

魔道具でチェックインできる便利な無人宿泊所だ。

保護した少女の身元も知りたいのでレイナとクレハが少女の持ち物を調べた。

しかし少女は上着のポケットにハンカチを一枚入れているだけで他には何も持っていなかった。

財布や身分証明書も持っていなかった。

少女の倒れていた近辺を探索能力も使って調べたが見つけることができなかったので明日の自転車道警備隊の調査も大変だろう。

自転車道警備隊の調査に協力するために少女が倒れていた様子は写真を撮っておいた。

人物鑑定の魔道具もあるのでそれも使いたいが悪用を防ぐために本人が意識を取り戻しそうなときは本人の了承を得なくてはいけない。

宿に着いて20分ほどで少女は意識を取り戻した。


「あの、ここは?」

「大丈夫ですか。土手で倒れていたのでここに運びました」

「そうですか。ありがとうございます」

「早速ですがあなたのお名前は?そしてなぜあそこに倒れていたのですか?」

「はい、うーんと・・・・・・」

「だ、大丈夫ですか」

「はい、大丈夫なのですが、自分の名前となぜあそこに倒れていたかわかりません」

「以前住んでいたところの思い出はいかがですか?」

「うーーーーーーーーーーーん、わかりません」

「こちらで調べてもよろしいでしょうか?」

「お、お願いします」


本人の了承を取ったので人物鑑定の魔道具を使う。


「タカシさんエラーしてしまいました」

「そうか。お嬢さん私の能力で鑑定してもよろしいですか?」

「え、能力で鑑定?鑑定って魔法?」

「いやスキルです」

「すごい。お願いします。」


その結果、彼女の名前が「エリ」で年齢が21歳だということまで分かった。

しかし、それ以上の情報には靄のようなものがかかっている。

なぜだろう?

お読みいただきありがとうございます。

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