24の5、帝国奴隷解放戦争5
短めです。
そこにいたのは皇帝、皇太子、皇妃だった。アクセス権3位、4位、5位だ。
「来たな、裏切り者」
「お父様、もう差別と抑圧はお止めください。神様もお怒りです。神の使徒も派遣されました」
「私には神アマジャ様はついている。皇宮に神の使徒を迎えて奴隷の首輪を与えてもらった」
「それは神界から追放された邪神ですよ。その神の使徒は邪神の使徒です」
「何を言いです、フミ。アマジャ様こそ正当なるこの世界の神だ」
「私は先ほど神託をいただきました。普通の神託ではありません。聖女への神託です」
聖女への神託というのは神託の中でも神の使徒への神託に次ぐ神聖さの高い神託だ。
「フミ、そなたは聖女ではなかろう」
「いいえ、私は聖女です」
フミ皇女が左手を掲げ呪文を唱えると彼女背後に聖女の紋が浮かび上がった。
誰でもが知識として知っており、神殿の壁画に書かれている聖女の紋だ。
「そんな」
「お父様、あきらめてください。そして神託に従ってください」
「いや、あきらめない。私がこの世界を征服するんだ」
どうやら完全に皇帝は邪神に操られているようだ。
皇太子と皇妃は腰を抜かしている。
まずは二人を拘束して収容所に入れるか。
そういうふうに考えているときに皇帝が攻撃を仕掛けてきた。
闇魔法だ。闇魔法の弾丸を撃ってきた。
すぐに聖魔法の結界で防ぐが皇太子と皇妃に流れ弾が当たってしまった。
皇太子と皇妃に二人も結界の中に入れる。ミユ皇女とフミ皇女が私の指示に従って聖魔法の治癒と回復を皇太子と皇妃にかける。闇魔法で受けたダメージは聖魔法でしか治癒できない。
皇帝は正気を失っている。見境なく闇魔法の弾丸を撃ってきている。帝国の管理システムは自動防御で守られているがこれでは皇城や皇都にも被害が及んでしまう。
この距離でうまくいくのだろうか?そう考えながら光魔法と聖魔法で皇帝の目を奪った瞬間に帝国の管理システムにアクセスを試みる。
『タカシをシステムの最高管理者とし他の者の管理を停止します』
うまくいったようだ。
「システムと帝国を防御するために皇帝を結界内に拘束」
『了解しました』
皇帝の周りに結界が現れ、闇魔法の弾丸が自分に当たってしまったようだ。
「皇帝の魔法能力をはく奪、聖魔法による拘束を行う」
『了解しました、完了しました』
皇帝は意識を失っている。鑑定を行った結果、邪神支配はないようだ。皇太子と皇妃も同様に邪神には支配されてはいない。
3人は収容所に送った。
そのあとは帝国管理システムをを調べた。やはり神から与えられた物が改造され精神支配と『奴隷の首輪』の管理が加えられていた。
まずは精神支配を解除する。すべての『奴隷の首輪』を無効化してから管理システムを正常化、そして皇宮の地下に魔道具を使って設けた収容所に帝国軍を一時収容した。
管理システムがあるとはいえなかなか大変な作業ではあったがうまくいった。
そして帝国を含むすべての国に戦争の終結を連絡した。
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