23の1、開戦準備1
昨日は体調不良で投稿できませんでした。
今日も短めです。
少しずつ書いています。
23の1、開戦準備1
戦争は避けられないようだ。残念だが。
平和な日本に住んでいた私としてはお互いの人的被害を極力少なくしたい。そのための努力はしていくつもりだ。
特にスルベール帝国の兵の大部分は強制的に使役されている奴隷だ。
奴隷を解放しようというのに彼らを殺めてしまうのは本末転倒といことだろう。
ではどうするか。また罠を使って無力化するか?
前回の罠がスルベール帝国にどのくらい知られているのかがポイントだろう。
罠を見た兵はほとんど罠にかかっている。ただ監視をしていた暗部や斥候が野営地の状況を報告していたと思われる。
その証拠に野営地の撤収と撤退は早かった。
ではどうする。
100万以上の兵力を無力化する方法はあるのだろうか?
色々とレイナさんや皇女や伯爵らとは話をした。しかしいい案は浮かばない。
スルベール帝国の人口は約700万人。そのうち650万人程度が奴隷らしい。
人口の2割弱が兵力だというスルベール帝国は軍事国家だと言っても過言ではない。
そして戦いで兵力が失われれば農民奴隷を兵士として使う。人口は減っても奴隷兵力は減少をしない。
国際会議に集まった国々は私が圧倒的な力・・・具体的には戦略級の攻撃魔法を発動して帝国を倒してほしいらしい。
兵として使われている奴隷は犠牲にしても仕方はないということらしい。
しかしそれでいいのか。
「ミユ皇女はそれで大丈夫なのですか?」
「いくらかの犠牲は仕方ないと思いますが、奴隷兵もできるだけ助けてあげてもらいたいと思います」
「何か良い作戦はありませんかね」
「この前使った罠のようなものは使えないのでしょうか?」
「前回は局地的でしたから何とかなりましたが今回は広範囲に及びますからね。帝国内を移動して行き、軍事基地や野営地を一つずつ潰していかなければなりません」
「やはり難しいのでしょうか」
「あとは中枢を潰すか」
皇都に行き皇族と貴族と官僚を捕らえ、政府を潰す。
でも簡単に皇都には行けないだろう。
おそらくこちらが奴隷解放を主張していることを知って奴隷たちを防衛の壁にしてくるだろう。
皇都に侵入する方法は何かないだろうか。
駄目だろうと思いながら神殿にも行き、報告がてらよい方法はないか尋ねてみた。
帝国を滅ぼし新しい国にするということは奴隷の解放とともに認められた。
そして神殿を通して私たちを支持するという信託も下ろされた。
しかし具体的にどのような作戦がよいかということはアドバイスをもらえなかった。
神による干渉を減らしておきたい神界としては当然のことか。
無限図書館にも行きできるだけのことを調べた。参考になる知識は得たが作戦は未だに決定しない。
今回の戦争で役立つとは言えないがいくつかの新しい能力を得、いくつかの能力を向上させることはできたのだから無限図書館での調べ物は無駄にはなっていない。
色々考えたが基本的にはスルベール帝国の支配階級を捕らえる。
スルベール帝国の兵力も無力化するか捕らえる。
スルベール帝国の『奴隷の首輪』を無効化し奴隷すべてを解放する。
これだけのことだ。同時にこれほどのことをしなくてはいけない。
具体的な作戦は思い浮かばない中、役に立ちそうな魔道具や魔法薬を量産しながら帝国の動きを監視し、情報収集を行い帝国との戦争に備えた。
他の人たちには伝えていないが犠牲を全く出さずに今度の戦争を終わらしたいという考えは未だに薄れてはいない。
奴隷解放を目指す帝国暫定臨時政府でさえある程度の奴隷の犠牲は想定内としている中で犠牲をなくすといことは難しいことだ。
でも何としてもやってやりたい。折角様々な能力を身に付けたのだから。
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次話は開戦準備2です。




