17、国境の砦
時間がなくて短めになってしまっています。
クレハスの街を一日楽しんでいたのだが次の日の朝、緊急の連絡が国境の砦から入った。
私たちも代官に呼ばれた。
『簡易転移ゲート』を使って領主もやってきていた。
「帝国軍が集結ですか?」
スルベール帝国軍が国境付近に集結し始めてとのことだった。その数約2万。
今からこれに対抗する軍をこちらで用意することはできそうもないという。
王国からも国軍が直ちに王都や各地の駐屯地を出発しこちらに向かっているという。
最悪の場合、国境の砦を放棄してクレハスで防御を固め、ヤリズ領とカルクロ王国を守るということになる。
もちろん領軍もこちらに向かっているが時間的に国境の砦を守るには時間がない。
しかしこの情報の遅れは何なんだ?気が付くのが遅すぎないか?
「タカシ様、何とかなりませんか?軍を動かせるように『簡易転移ゲート』を改良できませんか?」
「できないことはありませんが・・・・うーん」
私は『簡易転移ゲート』で軍を動かし防御するのはいいけど情報の遅れによるこちらの混乱が気になる。
内部工作者がいるのか。情報をがあっているのか?まさか陽動作戦?まだスルベール帝国と繋がるこちらの貴族は一掃されたわけではない。
もう一度情報を集めなくてはいけない。神様は情報をくれそうもない。『無限図書館』で最新情勢を閲覧か。
「10分ください。確実な情報を集めてみます」
「タカシ様の情報なら確実なものが集まるでしょう。こちらも情報に食い違いがあり困っています。お願いします」
私が借りている部屋に戻ると直ちに『無限図書館』に行く。
「タカシ様、いろいろ大変そうですね」
司書のメイが迎えてくれた。
「ここでの時間は気にしなくていいのだろうけど、急ぎたいな。カルクロ王国とスルベール帝国の現状、ヤリズ伯爵領内での謀反の動き、クレハスと国境の砦付近での軍隊の様子を知りたい」
「わかりました。資料を用意します」
メイが持ってきた資料は大量だった。
まずはヤリズ伯爵領内での謀反の動きだ。やはり情報収集部門に裏切り者がいる。その裏切り者と繋がる貴族が軍の移動と合わせて領都で反乱を起こそうとしている。
そして国境付近に集まっているスルベール帝国軍は1万5千、さらに全く把握されていな情報としてスルベール帝国の第三皇女が奴隷解放を行おうとして失敗したらしい。
スルベール帝国の第三皇女と彼女に従う良心的貴族は敗走してこちらに向かっている。距離は国境まで20km。人数は1800人。
そしてそれを追うスルベール帝国軍が3000人。
15000+1800+3000で19800人。約2万人か。
スルベール帝国の第三皇女を助けたほうがいいよね。スルベール帝国軍は1万5千人は陽動だよね。スルベール帝国の第三皇女は彼らにとっても想定外のようだ。
国境の状態も改めて調べてみる。
スルベール帝国との国境線は約800km。そのうち600kmは大河があったり険しい山があり超えることはできない。
もちろんこの部分にも警備が敷かれてはいる。
残りの200kmのうち180kmには国境の城壁があり軍を簡単に進められないはずだという。まあ、結界か何かで補強したほうがよさそうだが。
残り20km高さ2m木製の柵だけだ。街道だけに国境の関所が置かれている。そして関所の近くに国境を見渡せる国境の砦が存在する。
防御弱すぎないかな?
1万5千人のスルベール帝国軍は国境から35kmの地点に駐屯地を作り進軍の準備をしているようだ。
ただ彼らは第三皇女捕縛と領都ヤリズでの反乱が成功してから動くようだ。
情報は集まった。今度はこちらが情報を操作してやるか。
罠も必要だ。いくつかの魔法を調べた。落とし穴に落として転移させる魔法が使えそうだ。かなり大規模だけど魔力は・・・・大丈夫そうだな。
そして魔道具を使わない転移魔法も使えそうだ。
こちらの内部で信用できる人物も調べておく。そして裏切り者と反乱を計画している貴族についても。
『無限図書館』での調べ物が終わった。
「メイさん。いつもありがとう」
「いいえ、タカシ様のお役に立てればうれしいです。もっとご利用ください」
「また、頼らせてもらうよ」
「はい、お待ちしております」
『無限図書館』を出て神殿に行く。
「全くここを便利に使いすぎていないか?」
「すみません。時間がないので」
生命神様は不満そうだ。
神殿の工房で魔力回復の魔法薬を作り、罠や転移魔法を補助する魔道具を作成する。
神殿の訓練場で転移魔法などの魔法を練習した。
これで準備は大丈夫だろう。
会議に戻り、信用できる人物だけを連れて国境の砦に移動した。
そこで、こちらの作戦を説明した。情報統制には力を入れるためにレイナさんに活躍してもらうことにした。
準備は大丈夫だろう。
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