表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自転車で行く異世界旅  作者: TKSZ
1章、異世界で
1/144

1、プロローグ

思い付きで書いてみました

「流石に日没が早くなってきたな」


自転車をこぐペースを速めながら一人で呟く。自宅のある八王子市南大沢まであと一息だ。

晩秋のこの時期16時過ぎになると薄暗く感じる。そのはずだ。あと一月もしないで冬至だ。

自転車のライトも自動で点灯状態になった。安全のためにもこの方がいい。

今日は自転車で遠出をした。南大沢から西に向かい尾根を越えて町田市へ。そして町田市と相模原市の境界を流れる境川沿いに南下した。

途中で引地川沿いなどを通って相模湾へ。東に向かって江の島まで行ってきた。主に自転車道を利用している。

距離は100kmぐらいは走っただろう。少し寒かったけど日射しは気持ちよかった。


私の自転車はシティーサイクルと呼ばれるものだ。いわゆるママチャリだ。ただ変速機もついているし後輪のブレーキもカンチ式で強化してある。

ママチャリによく使われているベルトで抑え込むブレーキは長い坂ではフェード現象を起こして効かなくなってしまう。

実際に怖い思いをしたことがあるが、カンチ式ならその心配はない。それでも雨の時は油断大敵だ。

出発前にはしっかりと点検をしているし帰ってきたら手入れを怠らないようにしている。

南大沢付近では電動アシスト自転車をよく見かけるが私の自転車はそのような機能を付けていない。

自分の力だけで走って来た。


サイクリングは好きだ。自転車には小学生の頃から乗っている。

高校生の頃には東京から九十九里浜の大網まで自転車で出かけたこともある。

大学生の頃には静岡から河口湖経由で富士山の五合目に行ったり鹿児島に行ったりした事もある。

山登りに行くときも登山口まで自転車で行くことが多かった。

折り畳み自転車を持って今治まで行ってしまなみ海道で尾道まで行ったこともある。

往復150kmぐらいだったら気軽に出かけていた。

最近はママチャリでのサイクリングだ。

考えてみるとこの自転車は何代目の愛車だろう。

最近、自家用車の方は維持費が馬鹿らしくなったために廃車にしてしまった。

週に一度も乗らないことがあるのにマイカーを持つのは無駄だ。

9年も乗ったからそろそろいいかなと思って4代目のマイカーとお別れをした。

今は移動は歩きか自転車か公共交通機関だ。


流石に江の島に行って戻ってくれば疲れる。私は歳よりも若く見られるが還暦を過ぎている。

最近になって40歳ぐらいから始まった目の衰えを今まで以上に感じるようになっている。

本当に困ったもんだ。それもあってマイカーを持つのを止めた。

車を持たなければ運転の機会も減るだろう。

自転車も以前に比べてスピードを出さずに乗っている。


さあ、自宅まだあと少しだと思った時、何か膜のようなを通過した感覚に襲われ、次いで目の前が明るくなり視界が白く染まった。

慌ててブレーキをかけた。転倒や衝突はなかった。よかった。

しかし視界が戻った時、必ずしもよかったと言えない事態である事を知ってしまった。

目前には一本の灰色の道があり、そして周囲の緑豊かな草原が視界に飛び込んできたからだ。

視界に続いて感じる風は初夏のような爽やかな風、そして緑の草の香り。


「ここはどこ?」


私は誰かわかる。タカシだ。

今は江の島まで行って南大沢に戻る途中だ。

うん、記憶は大丈夫だ。

灰色の道は土が固められたもののようだ。コンクリートとは違う。しっかり固められているが弾力性がある。靴のつま先で蹴っても削れない。

アスファルトとも違うようだ。ペットボトルから水を出してこぼすとスーッと吸収された。

この吸水性はまるで火山灰だな。でもこんなに弾力性があって削れないなんて凄い舗装技術だ。

道の幅は16mぐらい。道の両端にはそれぞれ2m幅の一段高くなった歩道らしきのがある。

車道らしきところにはセンターラインはない。

車が来ると困るので歩道らしきところに移動した。


しかし困った。これからどうしよう。

スマホを確認したが圏外だ。GPSも受信していない。

自転車についているナビも機能していない・・・・いやしている。

草原の中の一本の道を表示している。

これって・・・・・・?表示を見るとこちらもGPSを受信していない。それなのに?

縮尺を変えてみる。この先16kmぐらいのところに街があった。

街の名前は・・・・読めない。見たことのない文字で書かれている。

うーん・・・?どうしたらよいだろう。

考えられることと言ったら・・・・。

1、自転車で事故って死んでしまった。ここは死後の世界かその入り口。自転車が好きな私は自転車と共に天国へ。地獄だったら嫌だなあ。

2、夢を見ている。自転車で事故って重体。死に向かって最後の楽しい夢を見ている。

うーん、両方とも嫌だ、却下だ。

3、自転車で旅を楽しめる異世界に転移してしまった。

これがもっともいいよな。魔法もあるかな?わくわくわく・・・・。


いろいろ考えていたらお腹が鳴った。食事時の合図だ。腹時計は正常なようだ。太陽?は天頂にある。今から食べるのは夕食?それとも昼食?

どちらでもいいよ。お腹が空いてはよい考えも浮かばないだろう。

ザックからミニこしあんパンを2つと麦茶のペットボトルを取り出す。この季節はミニあんパンを電子レンジで少し温めると美味しい。

コンビニのあんまんもミニサイズがあればいいのにと思っているのは私だけだろうか。ついでにミニ肉まんもコンビニで売って欲しい。

ミニこしあんパンは明日の非常食の予定だった食料だ。まだミニこしあんパン3つ、ミニつぶあんパンを5つ、ミニクリームパンを5つと食パン8枚切り1斤を持っている。

私はミニクリームパンを夏に冷凍して食べるのが好きだ。麦茶ももう1本、炭酸水を1本、どちらも500mⅬだ。これらは途中のスーパーで買ってきたばかりだ。

自宅で詰めてきた水道水500mⅬも一本ある。自宅からはスティック状のインスタントコーヒーとインスタントミルクティーを持っている。

ミニこしあんパンを麦茶を飲みながら食べたいたところで羽織っているウインドブレーカーのポケットに何かがあることに気がついた。

こんなところに何も入れていないはずだが・・・・。

ポケットに入っていたのはカードだった。金属でも紙でもプラスチックでもないと感じた。カードから自分の存在を感じた。

そんなことを言ったらおかしいやつと言われるかもしらないが正直な感想だ。本当におかしな感覚だが事実だ。

カードは6枚あった。文字が書かれているが見たことのない文字だった。いやナビに出ている文字と似ている。

何のカードかわからないのでまずは保留だ。危険な物だったら嫌だ。

念のために他の所持品を確認することにした。

着ているものは下着・ズボン・ニットシャツ・靴下・ベルト・帽子・ウインドブレーカー・ウォーキングシューズ。

着ている物以外ではザックとウエストポーチ。腕時計も持っている。

ザックの中にはタオル・エコバック・レジ袋・食料と飲み物・自転車修理用簡易工具・替えの下着も含めたお風呂セット・折り畳み傘・雨具・簡易クッカーと簡易食器。マイ箸とマイスプーンも持っている。

お風呂セットは気がむいた時に日帰り温泉に立ち寄るための必需品だ。今回は立ち寄れなかったが・・・・。

ウエストポーチにはスマホや財布や鍵やデジカメやミニ双眼鏡などの貴重品とレスキューシートや消毒薬や絆創膏などの応急セットとビタミン剤などの飲み薬類と簡単な文具。

あ、飴玉やお菓子や非常食も少し入っている。懐中電灯もある。

確認したところで私の記憶にない物は6枚のカードだけであることが判った。

結構荷物を持っているのは災害が発生した時に備えてのこともある。帰れなくなった時に一泊ぐらいできるよ。レスキューシートがあるから野外でも大丈夫だ。

6枚のカードをよく見ると文字以外に薄く絵も描かれていることに気がついた。

光の加減によって浮かび上がってくる絵だ。

一枚はベットと机と椅子のある部屋?一枚は数種類の硬貨?一枚は神殿?一枚は各種アウトドア用品?一枚は身分証明書?一枚は本と本棚かな?

本と本棚の絵の描かれているカードを持ってこの状況がわかるような本があればと思った瞬間、目の前の風景が変わった。

今度は図書館の入り口にいた。愛車や荷物も一緒だ。丁寧に自転車置き場もある。

但し置ける自転車は1台分だけだ。

自転車置き場に自転車を置いて中に入るとザックを入れておく鍵付きロッカーがあった。但し1つだけ。無料のようだ。

ロッカーにザックを入れて先に進むとカウンターがあって一人の少女が立っていた。

問題は少女の服装だ。メイド服だった。ここ図書館だよね。変な店じゃないよね。


「いらっしゃませ、タカシ様。ご来館を心から歓迎します」

「私のことを知っているのですか」

「はい、存じ上げています。あ、私はこの『無限図書館』の司書メイです」


お読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ