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希望と絶望と奇妙な騎士

主人公と同格の変人が出てきます

森の静けさに鳥のさえずりが心地好く聴こえる、木漏れ日が暖かく地面の感触がわかる。


「#□・・・▷÷〇・・・」


何かが聴こえる、恐らく言葉だろうか。


技能『異世界言語』を使用して自分の言語を切り替えた。


誰かが何かを言うのが聞こえた、何かに頬を舐められていた。


「目を・・・ーマン・・・目を覚ませ、ヒューマン」


恐らく僕の事だろう、目を開くとカラトン達が僕を舐めていた、だがこの声はカラトンではない、声の主を探してみると腰に黒い兜と剣を抱えた黒い甲冑の騎士が居た。


「目覚めたなヒューマン、私はお前を気に入った、だから生かした」


あの致死ダメージを回復してくれたのだろう、相当な御方だ、とりあえず目を擦り騎士に礼を言う為に顔を見上げた、騎士はかなりの背丈で顔をかなり見上げる事になる、彼の顔は────首が無い。


「さあヒューマン、名を教えてくれ」


カラトン達は僕から離れようとしない、というか首なし騎士を警戒していた、とりあえず大丈夫だと宥める。


首なし騎士が僕の名前を聞いてくる、よく見ると左に抱えていた兜が声を出していた。


(あ、そこ声出せるんですね)


と、思うも口には出さない、神の時もそうだが口は災いの元だ。


兎に角人間ではなさそうなので『彼』を技能『生物学』で見てみた


『デュラハン レベル20モンスター

戦いに誇りを持つ首なしの騎士。

アンデッドにしては生者への憎しみを表に出さない。

抱えた頭からヒト族の言葉を話し相手に挑戦を申し出て1年後に勝負する謎の習性がある。』


レベル20?!強過ぎないか?アンデッドを倒したら更に強そうなアンデッドに助けられた、この首なし騎士は同族を倒されて憤慨したりしないのだろうか?


何にせよ助けられたのは事実だ、感謝も伝えるつもりでとりあえず名前を名乗る事にした。


「ひとまず御礼を、瀕死の僕を助けてくれてありがとうございます、僕の名前は天野 優一です」


首なし騎士は抱えた兜にある顔で僕をじっと見た。


「珍しい名前だな、まあ良い、貴様を生かしたのは理由がある」


そう言いながら首なし騎士は剣を抜いて僕に向けた。


「それは簡単な事だ『私と戦え』」


「へ?た、戦う・・・?」


そういやそんな習性があると書いていたな。


「ああ、理由としては私の配下を倒した・・・と言うのは当然建前だ、本音としてはそこの豚共を、敵対する筈のモンスターを助けるその精神を気に入った」


配下とはあのスケルトン達の事か、カラトン達が警戒していたのはそういう事なのか。


なら戦うしか無いみたいだな、あんな『カッコ悪い』事するやつのボスなんだから。


僕は覚悟を決めて首を縦に振る、だが首なし騎士はこう告げる。


「しかし、貴様はまだ弱い、私達デュラハンは強き者を好む為、挑戦を受けた者に1年の猶予を与える、その間に成長し私と戦えるようになるのだ」


首なし騎士は剣をしまい手を伸ばす、僕を立たせる為だ、僕は少し安心した。

戦う気がないなら僕も戦わない、手を借りて立ち上がる。


「ほう、手を取るか、大概のヒューマンは背を向けて1年の時を絶望し自害する者までいるというのに、やはり貴様は面白い」


意外な様子で僕を見る────抱えた頭で。


「そうですかい、まあその方が『カッコイイ』と思ったんだよ」


「そうか、単純すぎてよくわからん」


僕はこの首なし騎士、もといデュラハンを嫌いになれない、スケルトンは生者を無差別に襲うみたいだしデュラハンに非があると言われれば監督不行届くらいだろう、カラトン達は無事だしデュラハンも変な騎士道精神があるみたいだ。


デュラハンは手を2回叩き何かを呼んだ、2頭の馬であるがこれまた首なし、切断部から血は止まらず流れている、確かにこんなのに追われたなら普通は自殺をするのかもしれない。


でも自殺は『カッコよくない』僕にはそれが大切だ。


なんにせよデュラハンは馬に乗りどこかへ行く様だ、だから興味本位で僕は尋ねた。


「デュラハンは何処に行くんだい?」


するとデュラハンは背を向けたまま手網を降ろし僕に応えた。


「決まりはない、道もない、ただ進み貴様の成長を待つばかりだ」


僕はデュラハンの背中を寂しく感じた、だからこう尋ねた。


「ならさ、僕が強くなる1年の間僕と生活しないかい?あなたが教えてくれたら僕は更に強くなれる気がするんだ」


デュラハンは驚いてこちらを振り返る。


「ふはは、本当に面白いヒューマンだ、更に気に入ったぞ、よろしい。ならば1年間私が貴様の成長を促してやろう、覚悟するが良い・・・優一とやら」


名前を呼んでくれたのが少し照れくさい、だから僕は少し口角が上がる、そして言う。


「うん!よろしくね、デュラハン」


こうして1年間の奇妙な仲間が出来た────。

第7話如何でしたでしょうか!

首なし騎士って魅力的ですよね(個人の感想)

助けられたけどそれは戦うため、さあ主人公は1年でどれだけ強くなれるのか

第8話はデュラハンさんから色々学びます。

お楽しみに!

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