とある漢の覚悟
優一と出会う誰かの別視点の話です
痛い、屈辱的だ・・・この『俺』が、こんな傷を負うとは。
まさか人間如きに一撃でこれ程俺を瀕死にする奴がいるとはな、丸腰だからと舐めていたが────面白い。
俺はこの森のカラトン全てを統べるカラトンの長だ、そんな俺は人を襲いアイテム等を奪い家族を養うのが俺の仕事だ。
今日は妻と娘達が水辺に遊びに行くと聞いている、最近は家族を構う機会も無く仕事仕事の毎日だからな、たまには様子でも見に行くとするか。
そろそろ家族達がいる辺りの筈だが・・・水辺に近付くと俺の目の前に2体のスケルトンが居た。
スケルトン2体如き敵ではない、俺はスケルトン共を自慢の突進攻撃で粉砕する、家族達が見えた、家族に危機が迫る前に排除出来たと────思い違いをしていた。
家族の前に3体のスケルトン、妻がなんとか娘達を死守している。
俺は無我夢中で走る、スケルトンを倒し家族を救うために、だがそれより早く声がした。
「おい骸骨野郎!こっち向け!」
1体のスケルトンが倒れた、そして倒したのは俺を負かしたあの人間である。
まさか家族を助けてくれているのか?いや、家族諸共殺すつもりかもしれない、俺は突進の準備をする、土を蹴り、鼻を鳴らし、身体に力を込める。
人間は傷を負うもまだ戦う、あれは悪意ではない、あれは間違いなく家族を助けてくれている。
ああ、準備万端だ、いつでも行ける、狙いを定め突進攻撃で奴を粉砕する。
あの人間には仮ができた────。
第6話読んで頂きありがとうございます!
はい、主人公優一の初戦闘で運良く撃退したカラトンです、彼の心情を書いてみました。
次回は第7話、主人公が一体どうなるのやら、お楽しみに!