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怪人行進曲  作者: 吉水 賢四郎
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プロローグ 南極の流れ星

  ようやく足を地面につけた。見上げると氷の亀裂の先にわずかに光が見える。先に氷の底に足をつけた調査チームの先輩が振り向く、

「何してんの?寒いんだから早く遺跡の中に入るよ。」

先輩は通い詰めた居酒屋に入るかのように落ち着いた態度に見えた。

少し先にいる先輩に駆け寄ってうろ覚えの敬語で話す。

「そういえばなんでこんなとこに遺跡があるんすか?」

先輩はため息をたっぷりしてから振り向かずに答える。

「それを調べるために南極まで私たちが来ているんだよ」

少し食い気味で誤解を解こうと話す。

「いや、そうじゃないんすよ。もう僕らより一か月も早く調査チームが入ってて僕らなんて雑用みたいな感じで情報があまり入らないじゃないすか。先輩は情報通なんで何か知ってるんじゃないすか?」

先輩は狭い亀裂の中を抜けて遺跡が見えてくるとようやく答えた。

「この遺跡は人が誕生するより早く建てられたらしい」

先輩の大荷物越しに遺跡の外観を見る。遺跡は大昔に建てられたはずなのについ最近オープンしたばかりの遊園地のアトラクションのようにきれいだった。

「もしかしてオーバーテクノロジーってやつすか?だとしたら大発見すよ」

肩に食い込む荷物の疲れを忘れて子供みたいにはしゃいだ。

「だとしたら俺たちチョーすごいっすよ。俺たち教科書に乗ったりして」

先輩は以外にも話に乗ってくれた。

「だとしても小さくとだよ」

とにかく話をして背負った荷物の重さを忘れるように会話をしているとようやく遺跡に入ることが出来た。荷物をやっと下すと少し遺跡の奥がなんだが騒がしい。

「先輩、何かあったんすかね?」

先輩は肩を回しながらまるでおじさんみたいに何か言いながら座ると教えてくれた。

「遺跡の最深部にある扉があるって前に教えたよね?」

確か、先輩から聞いた後日、休憩中に覗きに行ったことがあった。3メートルくらいの大きな扉で見たこともない文字とマークのようなものが刻まれてたのを思い出した。

「はい、あの不気味な扉のことっすよね」

先輩は続けた。

「その扉がもうすぐ開きそうっていう話。今の歓声を聞くにうまくいったみたいだね」

そんな話をしていると歓声が急に悲鳴へと変わった。

「なんっすかね?急に」

先輩が口を開き、何かしゃべろうとしたその時遺跡の通路いっぱいに黒い光の球がまるで津波のようにおしよせて俺は意識を失った。


 気が付くと、遺跡に設置されていたはずの明かりが消えていた。自分のつけていたヘルメットの明かりさえ消えていて、回りの様子を窺う。遺跡に持ち込まれた資材の数々が散乱していて、沢山いたはずの人々の気配すらない。

俺は体の節々にまるで成長痛のような痛みと体の違和感を感じながら先輩の姿を探しながら起き上がる。眩暈とライトのわずかな明かりのせいですぐそばにいるはずの先輩を探すのに手間取った。

先輩は暗い中俺の姿を見失っているみたいで駆け寄って声をかける。

「先輩、大丈夫っすか?」

先輩は落としてしまったヘルメットを見つけてライトをつけながら苦しそうに声を出した。

「ああ、大丈夫だよ。それより佐藤君は大丈夫か?」

先輩には大きな怪我は無いようだった。振り向きながら先輩は続けて話そうとするが俺を見て少し動揺したようだった。

「さ、佐藤君?本当に佐藤太郎君なのか?」

俺はその言葉に動揺して思ったことが口からこぼれる。

「先輩、俺のフルネームだせぇから呼ばないでっていったじゃないすか。勘弁してくださいっすよ」

先輩はなぜか大きく笑った。



 ある日、南極で地震が発生。それにより分厚い氷の層にひびが入った。その底から遺跡が発見された。その遺跡から無数の黒い光の球が流れ星のように地球上に降りそそいだ。その後無数の白い光も遺跡から飛び出した。

遺跡には調査チームがいたはずだがその後の行方は不明となっている。

それからしばらくして怪物【バースナル】が発見され、世界中で人々を襲うようになった。そんな中、人が怪人【ディアレード】へとなる事例も発生した。


これは怪物と怪人の壮絶な戦いの物語のほんの一部に過ぎない物語。


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