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スケルトンはガチャスキルで強くなる  作者: 一時二滴
第二章 壊れたる者
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歴史

最近ゲームのやりすぎで小説を後回しにしてばかりいる作者による三日ぶりの投稿です

 民家の様なアヤネルの家から離れ、早速古の遺跡の最奥へと向かい文字を取りに行くかと思ったがそんなことは無く出発は明日に延期することになった。


 理由はいくつかあり、そのうちの一つが時間帯だ。

 古の遺跡は死の洞窟と違って街の外に存在する。もし向かうとするなら半日はかかる道のりだ。

 俺の場合は睡眠を必要としないがシズクは違う。列記とした人間であり、しかも子供だ。徹夜で遺跡を攻略できるとは思えない。

 それに、子供に夜更かしさせるわけにはいかない。


 他にも古の遺跡は土のゴーレムが数多く点在しているため、弱点となる水を多く事前に準備していた方が攻略がはかどる。


 古の遺跡の最奥にある文字の写しを取る映像機器も必要だ。

 文字は壁一面に刻まれているらしく、書物記憶は作動しないらしい。あくまで書物の部類の文字、内容を記憶していくものであって、壁画に近い古の遺跡の文字は対象外のようだ。

 よって映像を写し取る魔道具がいる。手書きだと誤字脱字の懸念もあるためである。


 それらは金のない俺に変わってシズクが揃えておいてくれるらしく、昼時でもあるためご飯を先に食べてきてくださいと言われ少量の硬貨を握らせてもらった。

 だけど……。


「俺、飯いらないんだよなぁ」


 この身体になって以来、食欲がわいたことは一度としてなかった。

 だがもし、実は魔物でした!!って言ったらいくら転生者でも驚かれて切り刻まれてしまうかもしれない。

 だから隠したのだが、そうなると俺はかなり暇となる。


 シズクとは時間になったら安らぎ亭に集合という形になっている。

 それまでの間、俺はこの街を観光し続けなければならない。

 特に目ぼしい場所があったわけでもないし、この街は商店よりも住宅地の方が圧倒的に広い。観光できるところなんて限られている。


「すみません、何処か時間の潰せるところ知りませんか?」

 

 とりあえず、何処が観光地か知りもしない俺はそこらの通行人一人に話しかけ、集合時間まで潰せる場所を聞き込んでみる。


「ん?時間を潰すかぁ。図書館なんてどうだい?」

「あ、いいですね。どこら辺にありますか?」

「そこを右に曲がってすぐにあるよ。かなり大きいから一目でわかると思う」

「ありがとうございます」

「いいってことよ」


 通行人の指示通りの道筋で図書館に向かうとさっき見たギルドよりさらに大きく、茶色のマンションみたいな外見の建物が存在感を放ちながらポツンと建っていた。


「広いなぁ」


 中へ入ってみると外見通りの広さで数多く色とりどりの書物がズラリと棚に並んでいた。

 俺がその光景に呆気に取られていると従業員と思われる人が此方に歩いてきた。


「初めて見る方ですね。何かお探しですか?」


 従業員は気さくに話しかけてくる。

 時間つぶしに図書館へと訪れたものの、特に読みたいものがあるわけでもなかった。

 どうするかと悩む。が、そういえばこの街について何も知らないことを思い出し、とりあえずは歴史関係を読むことにした。


「この街の歴史に関する本ってありますか?」

「ありますよ。こちらです」


 従業員に誘導されて辿り着いたのは図書館の端の方で、歴史に関する本の数もも図書館の大きさに比べてちんまりしていた。

 図書館とか五分の一くらい歴史関連が占めているイメージだったが、棚一つすら埋められていない歴史書の数を見る限り違っていたか?


「歴史書ってこんなに少ないものなんですか?」

「はい。ですが恐らく当館以外の図書館もこのような感じだと思われますよ」

「何故ですか?」

「実はこの街に限らず世界中の先人は全く過去の出来事や知識、技術を記さなかったようなんです」

「へぇ~。なんか理由あったりしますか?」

「長くなりますが」

「構いません」


 ちょっと気になる。


「どれが事実だったかは未だ立証されていませんが、有力な考察を一つ上げると、実は人類は昔まで知識を保有し共有する術を持っていたのではないか?と言ったものがあります。元々記録するという考えは先人も抱いておりまして、風景を描写する絵画や壁に文字を刻む壁画などならば古いものが存在します。しかし、レンガの作り方などの知識や技術などは全く記されていなかったのです。頻繁に使用していたにもかかわらず。だからこの歴史が全く記されていない事実に気付いた学者達は一番歳を重ねているご老人にその真意を尋ねたところ、何故記録しなかったのかがわからないようでした。ボケてしまったと断じる学者が多かったものの、諦めずそのご老体の記憶と照合していった学者たちは、知識を記録に残す必要が無かったのではないかという結論にたどり着きました。しかし、今の世では記録することは不可欠です。ですので、もしかしたら先人はその知識を保有する術を何者かに奪われてしまったのかもしれません。神様などの何者か手によって。神様何ているとは私は思っていませんけれど」


 随分長々と話してくれたけれども、ちょっと難しくてわからなかったんだが。


『人類は昔、身につけた知識を保有し共有する術を持ていましたが今はその能力がないために書物に記録する技術が浸透したという説を彼は提唱していたということです』


 なるほどわかりやすい。


「ありがとうございます」

「いえいえ、長話に付き合ってくださりありがとうございます。私は他の業務がございますのでお困りの際はお声がけください」


 従業員の男はそういうと持ち場に戻っていった。


「しかし、歴史書は殆どないのか。それならあまり読む必要が無さそう。適当に小説でも持っていくか」


 俺は適当にタイトルの面白そうな小説を物色し、何冊か手に取ると読書スペースの空いた席へと持っていく。


「そういえばガチャしてねぇや。読むより先にやっとくか」


 俺はガチャと念じた。

 図書館にガチャガチャを出すわけにもいかなかったため脳内で留めておく。

 ユービシンがガチャの機能を弄ったとのことだったがどんな感じになったか少し楽しみだったりする。


 頭の中でガチャスキルが展開されると四つのガチャガチャが表示されていた。

 色は右から青色、黄色、赤色、灰色だった。

 灰色に限り何重にも巻かれた鎖によってきつく縛られている。

 普段のガチャスキルならば機械の数は一つ。こんな多種多様なガチャガチャが表示されたことなんて一度もない。


 それぞれのガチャガチャの上部を確認してみると張り出された紙がそれぞれ違う中身であると記されていた。

 青色のガチャを引けばスキルが身に付き、黄色を引けばステータスが上昇し、赤色を引けばアイテムを獲得できるようだった。灰色は一定回数で解禁される特別ガチャとのことだった。


 確かにいつものガチャとは仕様が違っている。

 今までは闇鍋の様でスキルでも装備でも消耗品でもなんでもごちゃ混ぜに入れこまれ、引かされているような感じだったが今は仕分けされている。中身はどうなっているのかわからないが。


 これは、ありがたいがどれを引くか迷うな。

総合ポイントが上がるとモチベが上がります(単純)

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