進化の結果
少し瞬歩が万能すぎたため、修正しました。
俺の意識は覚醒した。
久しぶりに寝ることができたことがとても嬉しかった。
この身体は睡眠を必要としないため、寝ようとしても寝ることができないのだ。そのため、寝ている時の気持ちよさなどを味わえないのだ。しかし、その問題を解決する方法を発見した。それは進化することの強制睡眠だ。強制に眠らされていても寝ている時は気持ちいいため、俺にとっての異世界の楽しみに進化が追加される瞬間だった。
まあ、起きたことだし、まずは自分の姿がどう変わったか確認しようかな。
俺は自分の顔、身体などのあちこちを見たり触ったりして、どう変わったか確認した。
特に変わってなさそうだな。スケルトンの時とほとんど同じだし。一番変わったってのはこの顔かな。何か真っ白な仮面を付けていた。叡智の説明通りだな。この仮面、外すことはできないけど、魔力を流せば表情とか変えられるようだ。だけど、仮面だけを付けたスケルトンって、なんかかっこ悪いな。個人的にローブみたいなのが欲しいけど、、、。
あ、そう言えば《糸操作&放出》あったじゃん。綿とか絹とかじゃないから日本の物には劣るけど、まあ、ないよりマシかな。
俺は自分の魔力を消費し、糸を作り、ローブを作り始めた。
あまり太さがないため、糸同士を絡めて丈夫な太い糸にしたりするのだが、俺の魔力もそう多くないため、すぐ糸を出せなくなってしまう。
そう言えば、進化してからステータス確認してなかったな。まず確認するか。
名前 :
種族 :スカルスモーカー
状態 :平常
ポイント:28
LV:1/30
HP:106/106
MP:43/75
攻撃:112
防御:68
俊敏:103
魔攻:24
魔防:24
スキル:《夜目》《鑑定》《投擲》《糸操作&放出》《隠密》《煙化》《瞬歩》《気配察知》
ユニークスキル:《ガチャ》
《運試し》
《叡智(改)》
攻撃と俊敏が特化してるとは聞いたけど100いってるとは思わなかったな。知能が高かったら超強い魔物じゃないのか?
まあ、まずはこの多くなったスキルだな。叡智、進化時に手に入れたスキルのことを教えて。
『隠密:探知スキルを持つもの以外に物音などを立てなければ気付かれることがない。発動中はMPを消費する。
煙化:少しの間、煙になって敵の目を欺くことができる。その間は攻撃を魔法以外受けない。発動時間10分、インターバルがあり、インターバルは24時間。
瞬歩:その場から数メートル瞬間移動できる。使用制限有り。
気配察知:周りにいる者の気配を察知できる。効果範囲は半径20ⅿ。』
こいつのスキル使えるやん。こいつ選んで正解だな!まあ、こいつがいなかったらスケルトンソルジャーだったのかもしれないけど。
まあ、スキルも確認したし、MPもそろそろ全回復してそうだから、ローブ作りを再開するか。
そして、ローブ作りが始まってから1日が過ぎた。その間、ゴブリンは帰ってこなかったため、移住したか、あそこにいたゴブリンですべてだったのだろう。後は外の魔物に食われたとか。
俺が1日中、丹精込めて作った純黒のフード付きローブができあがった。大変だったな。徹夜したよ。徹夜してもこの身体じゃあ、あまり、というかほとんど影響ないけど。
俺は黒いローブを身に着け、少し動き回る。
うん、しっかりできてるな。これで仮面だけじゃないから(個人的に)かっこ悪くない。それに、黒いローブだから、暗い洞窟で見つかりにくい可能性もあるから強い個体を発見した後、逃げ隠れしやすい。
俺はローブを身に着けたまま、進化した自分の実力を試すために、洞窟の二層に向かった。
二層の場所は2日前ほどに見つけていたが、まだ実力が足らないと思って潜っていなかった。
しかし、今は違う。今は進化し、強くなった。進化前の時もスケルトンは楽勝だったから、、進化後の俺の能力を試せるとも思えない。
俺はそんなことを考えながら洞窟の二層へと向かっていった。
●●●
洞窟の二層。
二層も一層とあまり変わんないな。
叡智、洞窟の二層には何がいるんだ?
『二層にはスカルゴブリンとスケルトンが徘徊しています。
ちなみに一層はスケルトンのみです。』
ふーん。じゃあ、スカルゴブって、そんなことをしてるうちに魔物がきてる!早速鑑定!
名前 :
種族 :スカルゴブリン
状態 :平常
ポイント:8
LV:3/10
HP:22/22
MP:0/0
攻撃:10
防御:7
俊敏:4
魔攻:0
魔防:0
スキル:《夜目》
え?弱くね?
俺はすぐさま目の前にいる骨を剣のように持ったゴブリンの骨のような魔物をホブゴブリンから頂いた鉄の剣で頭蓋骨ごと縦に真っ二つにした。
・・・。
叡智、スカルゴブリンってどんな魔物?
『ゴブリンがアンデットと化したものだと思われています。スカルゴブリンはゴブリンより能力値が低い個体が多いです』
そうか。じゃあ、叡智、この階層に俺と同じくらいの能力値を持った魔物っている?
『いません。この洞窟では17層にいる魔物に同じ能力値の魔物が多いでしょう』
まじか、進化したらそんなに強くなるのか。じゃあ、下の階層に行くか。ここにいても経験値あまりもらえそうにないし。
そういえば、叡智、お前は人間の知ってる知識はすべて知ってるんだよな?三十層あるってことを知ってるってことは、階を降りる階段の場所とか知ってるんじゃないか?
『知っています』
じゃあ、それを頼りにしていいか?
『では、ナビとして方向を指示しますのでそれに従ってください』
分かった。
そういうと、俺は叡智の指示に従い、階段の方向に歩いていった。
俺が洞窟の階段を目指している途中にスカルゴブリンの集団に囲まれて、踞みながら頭を抑え、震えている革製の装備を身につけた赤髪の長髪少女を発見した。
叡智、あの子は誰だ?
『この世界の冒険者という者と思われます。この洞窟は冒険者にとって経験値の洞窟と呼ばれ、アイテムなどは手に入らないけど、経験値がたくさん手に入る洞窟だと認識されています。そのため、少女はレベル上げの最中だったのだと思われます。レベルを上げたりする以外に好き好んでこの洞窟に入る人間はそういないのと、弱いですけど装備をつけているため、冒険者だと判断しました』
そうか。で、助けた方がいいと思うか?今にもやられそうだけど。
『ご自分の判断にお任せします』
じゃあ、助けてあげるか。あんな少女が殺されるのをほっとくほど、俺は酷くないしな。
俺は自分の骸骨頭を見せないようにフードを深くかぶった。
フードを被った理由は、助けてくれたのが骸骨だったら、怖いだろうからだ。
俺はスキルを試すために《瞬歩》を使い、スカルゴブリンのもとに瞬時に移動した後、《糸操作&放出》をワイヤーぐらいの硬さにし、スカルゴブリン全員の首に巻き付けた。
そして、指から出る糸を右手で掴む。
頭を抑えながら下向いて踞んでいるから、骨の手なんか見えないだろう。
俺は勢いよく糸を引っ張り、スカルゴブリンの首を一斉に撥ねた。
少女はいつまでも襲われないことを疑問に思ったのか、下を見ていた顔をあげた。
目の前にはスカルゴブリンの胴体と真っ黒なローブを身に着けた俺。
少女は少し驚いていたが、剣を持っていた俺が近くにいたため、俺に助けられたと判断したようだ。
「あ、ありがとう」
少女は俺の方を見ながらお礼を言った。髪の色と同じような深紅の瞳。とてもきれい。
でも、俺だったら助けられたとしても仮面のつけた怪しい奴を相手に素直に礼をいえる自信ないな。
少女に礼を言われた俺は少女に上の階層の方向を指をさしてあげた。
少女は最初、頭に?マークを浮かべていたが、ジェスチャーで、上の階層に行けることを伝えたら納得し、俺の指差した方向へ、俺に頭を下げた後、赤色の髪をなびかせながら走り去っていった。
少女がちゃんと行ったか心配だったため、階段まで後を着けたら、しっかり階段を上がったため、俺は安心して洞窟の下の階層に行くための階段の方向へ歩を進めた。
一応言っておこう。心配だから付けたのであって俺はストーカーじゃない!
ヒロイン候補登場です。この少女はしばらく出てきません。
洞窟の階層を進めたのは、早く他の話も書きたいからです。(内容考えてないけど)
面白かったらブックマークお願いします。