繋がる思考
一話分作れたので連続投稿期間一日延長です。やったぜ。
「繋がる思考の別の使い道の説明を後日行う」という文章が入っていましたが、繋がる思考にこれ以上の効果を考えていない為、削除しました。
『繋がる思考』
なんだこれ?
その中身はスキルだった。まだ叡智に説明してもらったわけではないが、名前からは到底この状況を打破できるようなモノとは思えない。
まあ、引いてしまったものは仕方ない。ああ言いはしたが、後悔はほんのちょっぴりある。けども、過ぎたことだ。とりあえず叡智にこのスキルについて……。
『それには及びません!ワタクシが代わりにこのスキルの有用な使い方について説明いたします故。』
……は?この声、叡智か?いや、ありえない。叡智にしては可愛らしすぎる声だし、実際叡智の声は機械音声だ。地球で言うボカロと生声ほどの違いがある。じゃあ、何処からともなく聞こえるこいつはだれだ?
『私は10000ガチャの景品の使い道を解説するガイドでございます。ですが、どうやら現状あまり時間がないようですので、現状を打破できるであろう方法の説明を簡潔に行います』
それはそれは、なんと助かる事だろう。まさかガイドに現状を理解できる能力があったとは。煙像強促の像は既に消されているし、あとは姿隠しの効力が切れれば俺は見つかり、またデイルを弄んだと思われて殺されてしまう。
『では、まずこのスキルの効果は《生命、物問わず自身と対象の思考を完全に共有できる》というものです』
なるほど。で、そのスキルがどうやって現状を…ってうわっ!!
「どこに隠れているのですか?《有翼兵器》羽根弾」
見えない俺を手当たり次第に探すため、デイルは有翼兵器でそこら中に羽根弾をまき散らしており、その少しが俺のところまで飛んできたようだった。一発一発が羽全てを地面に埋める程の貫通力。ギリギリでよけられたから良かったが、当たっていたらと思うとぞっとする。しかもデイルを見るに同じ手を喰らってイライラしているようだ。もう手加減なんてしてくれなさそう。
『このスキルで現状を打破する方法はあなたのスキル《叡智(改)》と思考を共有することであります』
叡智と思考を共有?
『はい。対象を問わずに思考を共有できる繋がる思考ならばスキルでさえも実行可能です。《叡智(改)》ならば無数の人類の知識を保有しているため、その場での最適解をすぐさま導くことが出来るでしょう。しかも思考を共有するため、《叡智(改)》が音声を発するという工程を省いてすぐさま行動を移せます。つまり、実質《叡智(改)》に行動を委ねながら戦闘を行うことが出来るということです。』
なるほど。確かにそれならば現状打破には繋がるかもしれない。
『しかし注意点ですが、このスキルは思考を共有するので膨大な情報量が対象とあなた自身に送り込まれます。それに脳が永遠に耐え続けるのは不可能に近いです。無理に続ければ廃人にでもなるでしょう。しかもこれは一般人を想定した話で、《叡智(改)》との思考共有によるともっとでしょう。最低5…いえ3分でさえ厳しいかもしれません。そこの所を注意して使用をお願いします。ではワタクシは以上で失礼させてもらいましょう。ではっ!』
それを最後にガイドの声は聞こえなくなった。
それにしても、3分か……。とあるアニメの某怪人倒すマンは3分の間に怪人を倒していたが、やっぱりあれはアニメの中だからの話で、実際は3分以上たっているだろうし、この時間はあまり多いとは言えない。叡智が最適解を導き出すからと言って俺の肉体であのデイルという化け物を倒しきるのは流石の叡智にも難しいんと思う。
いや、別に3分で倒しきる必要はないのか。その後に俺が装化纏を使えば一時的にだがデイルのステータスを上回れる。スキルを使えなくなるという欠点はあるが、十分倒せる可能性はあるんじゃないか?
叡智、もし俺がお前と繋がる思考を使えばデイルをどのくらい追い詰められる?
『スキルや空庫に仕舞われているアイテムの使用を許可していただければ最低でも今のHPの半分以下にはできるかと思われます。しかし絶対とは言い切れません。』
構わない。最初の一撃で2000も減らせなかったHPを3000も減らすことが出来るかもしれないというのなら、やる価値は十分にある。
『では、対象を私にし繋がる思考と念じてください。思考が共有された瞬間、私の指示通りの行動をお願いいたします』
わかった。繋がる思考!!
そう念じると頭は冴えていく。まるで今抱いている疑問の全ての回答を瞬時に得られている状態だ。いや、実際にそういう状態なのだろう。少しでも何かに迷おうとすると叡智の思考が介入し、その疑問をすぐさま解消してくれる。まるで俺が世の全てを知っている感覚。どうしようもない万能感だ。何でもできそうだ。
これから叡智の行動に従う。余計なことはするな。俺はただ叡智に従うマシーンだ。さぁ行こう叡智。
『はい』
そこからは脳死で叡智の指示に従いだした。最初の指示はひとまずガチャの景品の装備類を瞬時に顕現させ、身に着ける。そしてドラゴンスレイヤーを空庫に仕舞うということだったので従った。同時に姿隠しの効果も切れる。
「はぁ、今度はそこですか。あなたはどうにもつまらない事しかしませんね。もういいです。潰して差し上げましょう」
デイルはもう笑いもせず、失望の眼差しで俺を見据えた。戦いを楽しみにしていたデイルにとって俺の行動はどうしようもなくつまらない事しかしてなかっただろう。だが安心しろ。叡智の力ではあるが、目の玉ひっくり返る事をこれからしてやるよ。
デイルは翼を大きく羽ばたかせ、四方八方に飛び散らしていた羽根弾を今度は俺のいる場所一点に絞り、集中砲火を開始する。だが、その攻撃は俺に全く当たらない。デイルの方へと真正面に突撃しているにもかかわらず、その羽根弾は俺に一切当たらない。掠る気配すらない。そりゃ混沌のステータス上昇で俊敏に一万も振れているからな。来るところさえわかれば避けるのは容易い。ちなみに混沌が極になったところでステータス上昇は一万から上へはいかないようだ。|モーダー(俺)の器がそれ以上の急激なステータス上昇に耐えきれないから無意識に抑えているらしい。装化纏の気絶もそこらへんが関係しているらしい。
「なっ!?」
デイルは思わず驚きの声を上げた。
先見の明を使っているのではないかと思われるが、使っていない。全ては叡智の予測による産物だ。俺は叡智の指示に忠実に従っているだけ。言われた、というより思われた瞬間、指示された方向に身体を傾けたり、飛んだり、しゃがんだりしかしていない。ドラゴンスレイヤーを空庫に仕舞ったお陰で身軽になり、行動に移すのは容易だった。
『右、右、左下、上、左、下、そのまま、右下』
こ、これが叡智の力……。
全ての羽根弾を避け続け、ついにデイルの目の前まで到達した。そして何も手にしていない右腕を大きく振りかぶる。最大限まで振りかぶった腕を俺は大きく左へと薙ぐ。当然右腕には遠心力が乗る。しかし、これではデイルに届かせるにはリーチが足りない。そんなことはわかっている。だから左に薙ぐ途中の段階でドラゴンスレイヤーを空庫から取り出し、柄を掴みこむ。タイミングは叡智によりばっちり。
「くっ!!」
デイルは逃げるようにその場を退避しようとするが、それは叶わない。
『影縫い』
いままで使ったことすらなく、存在すら忘れていた影縫いを使うと俺とデイルとの影が繋がり合い、奴を行動不能にする。1秒に100も魔力を使ってしまうが、叡智の計算が素晴らしい。急にドラゴンスレイヤーを空中から取り出すことによりデイルの退避をほんのちょっとだけ遅れさせた。このほんのちょっとが大きく、攻撃が到達するまで1秒を越えず、消費魔力が100だけで済む。
影縫いで動けないデイル。俊敏に振られていた混沌によるステータスアップはこの一秒間の間に攻撃へと移動する。当然ドラゴンスレイヤーによる攻撃は不可避で、横薙ぎに振われる鋭利な一裂きに対し、デイルの腹は容赦なく引き裂かれる。
『裏面傷害』
そして、ここぞとばかりに麻痺、毒、弱化、強化、封印のどれかランダムに1つ付与+攻撃力の10分の1をダメージとして与えるスキルを発動。いままでは強化発動が怖くて使えなかったが、今は先見の明がある。未来を見通し、現されるその結果は強化ではない。ならば、そこに迷いなど一刹那とてない!
「!!?」
デイルは裏面攻撃によって身体に異変が起きていることに気付いたのか、その場を大きく飛びのいた。いや、異変以外にも相当なダメージを受けているのだから当然だろう。
畳みかけようと足を踏み出すと羽根弾で牽制され、攻撃の勢いを失てしまった。
ではここまでの結論といこう。
叡智が強ぇぇぇ!!!
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