格上
デイルのポイント103は流石に少なすぎるわって思い、修正しました。
破精守りの首飾りは今後の展開を考えて耳飾りに修正しました。
うそだろ?だ、だって洞窟をぶち抜く威力だぞ!?それにレベルアップしたことで更に強くなってるはずだ。なのに左腕一本?そ、そんなに俺とデイルはかけ離れていたっていうのか……?
確認するのを忘れていたデイルのステータスを今になって確認した。
名前 :デイル
種族 :悪魔族
状態 :平常(左腕喪失、右腕軽微)
ポイント:702
混沌:済
LV:18/90
HP:6624/8011
MP:6367/6367
攻撃:7940
防御:8329
俊敏:5001
魔攻:9455
魔防:8430
スキル:《夜目》《剣術》《転移動術》《有翼兵器》《悪魔の左腕》《悪魔の右腕》《魔色(無色)》
ユニークスキル:《混合者》
俺のステータスより圧倒的と言える高さを誇ったその表示に、呆気を取られた。
そして遅れてくる恐怖。手が極寒にいるように思えるほど震え、剣先が定まらない。ただただ怖かった。
立ち向かう前は未知だ。何も知らないからこそ無策な勝算も、無鉄砲に突っ込む勇気も湧いてくる。だが、壁にぶつかればそれは既知だ。壁がある事を知っても尚動けない。理解したからこそ、立ち止まってしまう。自分には不可能だと感じてしまう。
これを今の状況で言葉にするとしたら、勝てる気がしない、だ。
「クフフ、それでは今度はこちらから行きますよ」
く、来るなっ!!
そう叫びたくなるが、相変わらず声は出ない。生ける悪夢の様な存在が迫りくる現実を目の当たりにして一切身動きが取れない。恐怖に支配されてしまった。それでもデイルは構わず、残った右腕を振りかぶり、俺の身体に一発を打ち込んだ。それはプロ野球選手の剛速球を無防備で打ち抜かれるような、そんな重さと痛みを感じた。
血が通っていたならば大量に吐血をしていたであろう攻撃を喰らって、俺は壁際へと吹き飛ばされた。
「おや、少々加減したつもりだったのですが……間違えましたかな?」
おどけた様に喋るデイルを他所に俺の思考はめぐらさせていた。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いっ!!
痛い、かなり痛い、ものすごく痛い!とにかく痛い!痛すぎる!恐怖なんて消し飛ぶくらい痛てぇ!!こんなん喰らうんなら怖気づくんじゃなかった。
よくよく考えたら、諦めたら待ってるの死じゃん!なら立ち向かうしかないだろ。壁に当たったからって逃げてちゃ超えられねぇ。動かなければ状況の停滞だ。いくら待ったって打開することは絶対にない。何かを得なければそれを越えることはできない。そして、その何かを得るためには挑戦しなければならない。挑戦無くして何かを得るということは絶対にない。だから俺は挑む。臆さず、怯まず、勝利を得るために!!
ということで叡智、デイルのスキル情報をくれ。夜目と剣術は知ってるから抜きで。
『微妙にカッコよくありませんね』
うるせぇ。いいんだよこれで。俺自身が勇気づけられるんだから。
『そうですか。
転移動術:魔力を消費することでありとあらゆる場所に飛ぶことが出来る。他にも一つのみ転移ゲートを設置できるが、多大な魔力を消費する。しかし、設置さえしてしまえば以降、魔力を消費せずにゲート間を転移できる。連発して発動できない。
有翼兵器:翼を携えることが出来、且つ魔力を消費することにより両翼から羽を弾丸の様に飛ばすことが出来る。
悪魔の左腕:触れたものを削り取り、消失させる左腕。この腕で傷つけられ、消失されたものが元に戻ることは決してない。任意で素手と変更可能。
悪魔の右腕:リトルデビルを作り出すことが出来、そのリトルデビルの能力値は右腕保持者に依る。リトルデビルの能力値が正確に知られることは無い。リトルデビルを作り出すことの他に、自身に屈した生物に触れることで眷属とすることが出来る。任意で素手と変更可能。
魔色(無色):本来魔式と呼ばれた技術が派生し、劣化し、魔色と呼ばれるようになったスキル。その色に応じた魔法を扱うことが出来る。通常攻撃に魔法を付随させるなどができる。無色は適正はあるが魔色スキル未覚醒の者のスキルである。
混合者:自身に付着した毒などを自身と融合させ、自分のものとすることが出来る。恐らく混沌による影響で手に入れたユニークスキル。』
なるほどな。理解した。つまり初手で左腕切り落としてなかったら危なかったってことか。俺の擬骨生成のような再生紛いなスキルもないようだし、もうこのスキルについては気にしなくていいだろう。過去の俺ナイス!
で、他の魔力消費系のスキルだが、あのステータスだ。早々に切れるなんてことは無いだろうから宛にするのはやめよう。魔色スキルについてはよくわからないし、使えないようだから放置。
スキルは確認し終わったし、攻め方だが、装化纏を使えばステータスを10倍にできるし、一時的にだがデイルを超えることもできるが、いっても10分。もし倒しきれなかった時のデメリットが大きすぎる。今持つアイテムやスキルを使って多少なりとも削って確実に行った方がいいだろう。幸い、最初の攻撃で四分の一は削れている。混沌を併用すれば十分いける。
それじゃあ確認も終わったことだし、戦闘に戻ろうなどとは考えない。まだガチャをしていない。ガチャはいままで俺の窮地を救ってくれたスキルだ。だからこそ俺は賭ける。この運命のスキルに。
だがこのままずっと同じ体制だと怪しまれるはず。だから俺は煙像強促で自身の分身を出現させてデイルへと向かわせ、俺自身は身を隠す。
「クフフ、やっと動き出しましたか。さぁ、もう少し私を楽しませてくれ」
俺の分身だと知らずに……。その間に俺は脳内でガチャと唱え、ガチャをするように取り掛かる。
まずは十連。運試しで回してもいいんだが、今後を考えるならどう考えてもガチャがいいだろう。運試しで11400ものポイント全部回したとしても今全て把握して使えるもの使わないものを選別して使いこなすなんて到底できない。無知なゲームの操作説明を一気に受けて練習する間もなくその分野のプロに挑みこむようなものだ。
ならばあとの事も考えてガチャを引くのが最適解。
考えは決まった。俺は煙像強促がやられないうちにすべて引ききってしまおうと脳内でノンストップにレバーを回し続ける。
とりあえず14回引いた結果とその効果をまとめよう。
スキル:速読
先見の明
姿隠し
鉄塊生成
異常治癒
不動
装備:必中の剛弓
両刃の矢
手戻りの腕輪
破精守りの耳飾り
アイテム:特殊回復薬(上級)
特殊回復薬(上級)
誘爆罠×5
刺発弾×10
『スキル結合により《思考隔離》と《並列思考》がくみあ組み合わさり《理性分割》になります。
速読:文字を読み解くスピードが常人よりも限りなく早くなる。
先見の明:先を見据える力。少し後に起こる未来をその目で覗くことが出来る。連続して行使できない。
姿隠し:文字通り風景に溶け込み、姿を隠すことが出来る。効力は3分。
鉄塊生成:鉄の塊を生成することが出来る。大きさ、質量の変化に上限はあるものの、形状は至って自由に変換可能。質量、形、大きさによって魔力消費量が増減する。
異常治癒:一日に一度だけ状態異常を回復させる。
不動:あらゆる攻撃に対し不動を貫くことが出来る。しかし、ダメージを別方向に受け流すことが出来なくなるため、普通より多くダメージを受ける。
必中の剛弓:その弓で引き切った物質は狙った対象に必ず当たる。しかし、通常の弓よりも弦が固く、その物質の影響力によって弦の固さは変化し、影響力が大きいほど引きにくくなる。例えば、致死性の猛毒が塗られた木の枝ほどの重さの矢と拳分の岩では、矢の方が圧倒的に引きにくくなる。
両刃の矢:持ち手にも刃のついた特殊な矢。
手戻りの腕輪:対象を一つのみ指定でき、対象が手を離れた場合どんな場所にあろうとも手元に戻すことが出来る。
破精守りの耳飾り:身に着けているだけで精神崩壊を防ぐ働きをする。精神崩壊を事前に防ぐモノではなく、精神崩壊の原因を除去するモノのため精神攻撃などは受ける。どの程度の精神崩壊を引き起こすかによって除去にかかる時間は増減する。
特殊回復薬(上級):通常の回復薬とは違い、割合で回復する特殊な回復薬。上級ならば元々のHPの50%分回復する。
誘爆罠×5:ある一定の衝撃が加わると爆発する罠。同じ罠同士を近くに置くと誘爆を起こし、大きな爆発となる。
刺発弾:先端が鋭く尖り、さらに貫通力を上昇させるため渦巻き状の彫りが先端に施されている。火薬の量も普通の弾薬より多く、貫通性を極めた弾丸。使用するためには専用の拳銃が必要。』
何故14回で止めたのか気になったか?まぁそうだろう。俺だって気になってた。こんなアナウンスさえ来てなければ……。
『累計50回、ガチャ及び運試しを活用していただいたため、特別ガチャを実施いたします!10000ポイントを消費することでユニークスキルがあたるガチャを一回だけ回せます!窮地の場合、現状を打破できるかもしれない、そんなあなたに合った景品しか出ない超特別なガチャをお見逃しなく!(その景品の有効活用法のガイド付き)期間残り24時間』
面白かったらブックマークよろしくお願いします。




