表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スケルトンはガチャスキルで強くなる  作者: 一時二滴
第一章 ダンジョン攻略
41/99

人間

人間達に髪色の描写をいれました。

それと片腕の少年ルークを青年にしました。

人間側の名前がごっちゃだったので修正を加えました。

人間側の装備の描写入れました。

 カプセルの中心をずらす様に捻り、中身を確認しようとしたその時、スキル《気の支配》の範囲内に生物の侵入を確認した。

 恐らく歩いているのだろう。気配はかなりゆったりと近づいてきている。数としては四人……いや、五人だろうか。そのうち先頭を歩いているであろう一人の気配はかなり薄い。他の者もやけに薄いが、前の者は特に。感じ取れない程ではないが、意識しなければ霞んでしまう程に薄い。しかもこの気配は魔物のものではなく、二層程で出会った少女と同じ感じ。つまり人の気配だ。

 魔物の住まう洞窟だからわざと気配を殺しているかどうかは知らないが、ここに向かってきている以上、ガチャを続けるわけにはいかないな。


 俺は先程取り出した赤いカプセルと空になった黒いカプセルを再び空庫へと仕舞い込む。カプセルトイもガチャスキルを解除したからか空気に溶け込む様に消失した。

 空庫の中身をまさぐって見たものの武器は無い。ここは何事も起きないように対処することが得策だろう。

 新しいスキルや既存のスキルを駆使すればこの階層の魔物ならば素手でも十分過ぎる程である。が、今回の気配はこの階層の魔物とはどうやら違うようだ。気配からでもヒシヒシと感じられる相手の力量がこの階層の者とは比べ物にならないほど高い。恐らく、この四匹相手に俺は手も足も出ないだろう。

 一匹だけならまだスキルのみで対応できる。二匹いても武器があればギリギリ倒すことができるだろう。だが、それまでだ。感覚でわかる。それ以上の数相手は対処しきれない。

 今は静かに、奴等が去るのを待つしかない。背後は骨の壁で阻まれてるのだから。

 こんなことになるならすぐガチャしないで退路の多い空間に移動するべきだったわ!


 既にどうしようもないこの状況を見て過去の俺の事を愚痴りながら一先ず気の支配で俺自身の気配を霧散させる。隠れる場所が無ければ隠れるためのスキルもなく、エンカウントする時間さえほぼ残されていない。

 魔物が大量に来た時は気配を一度大きく広げていたからだろうかかなり遠くまで気配を感じることができたが、今回はその下準備の様なものがなかった。だからか気配を感じ取れたのはすぐ近く、30メートルもしない位置だった。


 正直、気配を消す意外にここをやり過ごす手段は無いのだが、これが何処まで通じるか。

 そんな不安を抱き、無い鼓動をドクドクと鳴らしながらその場でしゃがむ。出来るだけ縮こまりながらも直ぐさま動けるような姿勢を保ち、五匹の化け物を出迎えよう。


 数十秒程経つと、耳を清まさねば聞こえぬ程小さく細かい地面を叩くような足音が奥からコツコツと響き鳴る。足音が近づく度に不安は募り、手が小刻みに震え始めた。

 もう何も出来ない。気休め、ほんとに気休め程度に昔作った黒いお手製ローブを身に纏う。相手は人、洞窟は恐らく暗闇そのものだろう。光源を持ち歩いているとしても隅々まで照らせるとは限らないし、照らせたとしたら隠れる意味さえも無いこととなる。だったら、と無いよりマシの精神ではあったが不安が少し和らいだ。


 そしてまず、一番気配の薄い中肉中背の黒髪の男一人が弱々しい火を灯したランタンを片手に短剣を突き立てながら探るように部屋へと踏み入る。警戒するように辺りを見回し、数歩足場を試すように歩く。

 しかし、その足がやけに覚束無い。良く見れば片足から血液が滴る水のように足元へと垂れていた。

 何故この怪我人を前衛に立たしているのかと気になったが、どうやら怪我人はこの男だけではないらしい。


 男が手で後方に合図を送ると、後続に今さっき右腕をなくしたのか左腕で無き腕を押さえながら歩く紺色髪の物静かそうな青年。

 その隣を上半身にかすり傷のような傷を幾多も残しているが、それを気にせず悠然と歩くがたいの良いスキンヘッドの男。

 その男におぶられた気絶しているのか目を閉じながら動きを見せない魔女のような三角帽子を被った水色の髪の少女。

 そして、その後ろで背後を警戒しながら入ってくる白いローブのフードを深く被り髪色すらわからないほど隠しているものの覗けば顔の造形が分からぬほど酷い傷を負っている様に見える華奢な女がそれぞれ歩いてきた。

 彼ら全員、ダンジョンを潜るにしてはあまりに軽装。最低限の武器と防具だけを身に着けているようだが、それもボロボロだった。


 彼らのうち、最初に入ってきたランタン持ちの男性が空間をある程度確認すると、危険がないと判断したのかランタンを地面に置き、腰を下ろす。他の三人も釣られてランタンを囲うようにその場で腰を下ろした。

 その後、最初の男が口を開いた。


「見た感じここに危険は無さそうだ。一応奥に道はあるが何か固いもの塞がれていた。質感と手触りからして恐らく骨だろう」

「……わかったわ。でも、これからどうするの?ルークは片腕無くてアムスは傷を負ってないけどミユを背負わないといけないし、貴方だってもう歩いていける状態じゃないわ」


 白ローブの女性が短剣の男に今後の方針を訪ねる。

 どうやら片腕の青年がルーク、がたいの良い男がアムス、魔女帽子の少女がミユという名前らしい。

 さてさて、ここからどうなるか。

面白いと感じたらブックマーク又は評価をよろしくお願いします(*-ω人)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ