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スケルトンはガチャスキルで強くなる  作者: 一時二滴
第一章 ダンジョン攻略
39/99

引きたい……

いつの間にか総合評価800越えてました。ありがとうございます。

 さて、現時点のステータスはこの階層の魔物と互角。それよりかちょいと上の状態となっているが、まだ不安が残る。前にも言ったと思うが、この階層の魔物は協調性を持ち、同族殺しなど起こり得ずに互いを支え合いながら俺を狙っている。

 まあつまり、俺は多対一を対処できる手段を持ち合わせなければデイルのところにたどり着くどころかその過程で潰される可能性の方が高いということだ。


 ならどうするか?まあ、皆さまお気づきでしょう?そう!ガチャです!幾度となく危機を救ってくれた最強といっても過言ではないスキル、ガチャ様です!

 何故か知らないけどポイントは二千ちょいと大幅に増加している。まあ、当然神様のお陰だろうけど、このポイントをガチャに投資します!

 だが全てのポイントを消費するわけにはいけない。ある程度は残しておかなければ。ガース戦でポイントを温存することの価値がよく理解できた。余したポイントが無ければ決定打を打てず、為す統べなく殺られていただろう。これにはポイント余した方が良いと言った叡智に感謝だ。


 で、何ポイント注ぎ込むかというものだが、できれば沢山回したい。150だけ残して全部使いきろうかというガチャ欲求に駆られるが、奥の手の運試しはその名の通り中身は運に左右される。前回は偶然にも諸刃の剣という有用なスキルとかなり良好な回復薬を手にいれることが出来たが、それ以外はガース戦では使い物にならないようなものばかりだった。もし総てが使い物にならないものだったらと思うとゾッとする。

 そのため、残すポイントは多い方が良い。確かにガチャは運試しとは違い引けば既存し続けるが、その分引ける数も少なく、逆境への対処ができるような有用なものが出てくるとも限らない。もしもの時を考える方が断然にいい。

 すると何ポイント残すかという所に戻るが、多いに越したことはないため、五百ほど残しておこう。折角多いのだし、これぐらい残しても良いだろう。


 そうと決まると、俺は目の前にカプセルトイを出現させ、ガチャレバーに手をかける。

 ゆっくりと回すとガタガタッと中身が見えない黒いガラス張りの奥から音がする。

 一回転し終えるとカコンッと何かが落下する音が鳴り響き、下の排出口から形状の丸いカプセルを覗かせる。


 さてさて、何色かなぁ?

 俺はカプセルに手を伸ばし、外側から唯一中身の種類が判断できるカプセルの色を確認する。

 色は黒。どうやら中身はスキルのようだ。

 中身を確認せずに続けて回し、カプセルトイをガタガタと言わせる。

 心の中で回した数を数えながら、回しすぎないように一つずつ、一つずつ回して行き、遂に最後の一回を回しきってしまった。

 だがしかし、俺の手はレバーを離そうとはせず、なんと更にレバーを捻ろうとしている。

 まだ引きたい、もっと引きたい。後一回だけ、後一回だけというソシャゲならではの邪念が脳裏に過る。

 すると、右には黒い羽の生えた悪魔が、左には天使の輪を頭に着けた白い羽の天使が現れた。勿論、両者ともに骨。悪魔はわかるけど、天使が骨っていうのはちょっと説得力が……。

 どうやら、葛藤がはじまるようだ。俺はそれが俺の事であるのにまるで傍観者のような立ち位置で見ようとしていた。

 そして、天使と悪魔の口喧嘩が今始まろうとしているその時、天使と悪魔以外の第三の声に遮られた。


『一時の欲求に任せて引いた場合、死ぬ確率が増大すると考えながら引こうとしてみては如何でしょうか?』


 その一言は、欲望の渦に呑まれかけた俺の魂を現実まで連れ戻した。手元を見ると、無意識の内にレバーを握っていた右手が離されている。

 俺の葛藤による妄想が作り出したガチャを回させようとしていた悪魔とそれを止めようとしていた天使さえも恐怖に怯えたような表情で虚空に目をやり、体を粒子のように撒き散らしながら消えていった。

 流石に死ぬ可能性をあげてまでガチャは引けない……。また次にとっておこう。また直ぐ貯まるさ。それまで我慢すればいいんだ。そう、生きてればまた引けるのだから。


 俺はそう思いを自制させると、また発作を起こさないようにカプセルトイを仕舞い込む。危ない危ない。また叡智に助けられた。そう言えば最近はQ&Aじゃなくても発言してくれるようになってるな。殆どが俺が危ない時に。まあ、神様に改造されてるらしいし、気にすることでもないか。


『……』


 さて、気持ちも落ち着いたところで、カプセルを確認するか。

 床に並べられたカプセルの色を再確認する。

 合計十五回回した結果としては、黒が9に赤が6。確かスキルが出やすいらしいけど、所詮確率だしな。片寄りもあるだろう。

 さてさて、とりあえず黒から。

 俺は黒いカプセル一つ一つに手をかけ、抉じ開ける。

 中に詰まっていた白い靄は体内に入り込み、お馴染みのアナウンスが頭のなかで鳴り響く。


『スキル《自爆》を獲得しました』

『スキル《連撃殴打》を獲得しました』

『スキル《竜爪》を獲得しました』

『スキル《炎熱耐性》を獲得しました』

『スキル《書物記憶》を獲得しました』

『スキル《痛覚遮断》を獲得しました』

『スキル《瞬歩》を獲得しました。既に保持しているスキルのためポイント10に変換されます』

『スキル《裏面傷害ステータスダメージ》を獲得しました』

『スキル《精密時計》を獲得しました』

面白いと感じたらブックマーク又は評価をよろしくお願いします(*-ω人)

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 連続で引けない設定あったはずじゃ…
2021/05/24 22:55 退会済み
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