対スケルトン
『スキル《鑑定》を獲得しました』
鑑定?鑑定ってあのラノベでよく見る相手のステータスが分かるやつか!?どうなんだい叡智君!
『鑑定:相手や物の情報をある程度知ることができる。』
うおー!これは嬉しい!だって相手のステータスを見て強かったら逃げる、弱かったら倒すことができるってことでしょ。これは超嬉しい!いきなりガチャで当たり引いたな。
俺が興奮し、少し暴れていたら後ろからカチカチと音が聞こえてきた。
俺はその音ですかさず解除と念じ、ガチャガチャを消した。
ガチャガチャは白い霧になり、霧は徐々に薄くなっていき、さっきまであったガチャガチャは消滅した。
ガチャガチャが消えたことを確認した後、後ろを振り向いたら俺と同じ姿の刃毀れが激しいボロボロの剣を持ったスケルトンがいた。
え、これやばくね。俺には武器なんてないのに彼奴持ってるよ?叡智、俺の武器は何処?
『ありません』
ないの?いや、まだ負けたと決まったわけじゃない、武器は戦っている途中で奪えばいい。まずは鑑定して相手との力量の差を見よう。
俺は鑑定と念じ、10ⅿほど先にいるスケルトンに向かって使った。
名前 :
種族 :スケルトン
状態 :疲労
ポイント:3
LV:2/10
HP:11/26
MP:13/13
攻撃:15
防御:14
俊敏:6
魔攻:0
魔防:0
スキル:《夜目》《剣術》
こ、此奴、レベルが俺より高い!
しかし、俺は逃げない。何故なら相手のHPを見ろ!
俺より少ない!状態が疲労になっていることとポイントが3になっていることを考えると戦ったあとか、強い敵に命からがら逃げてきたのどっちかだろう。
これなら武器のハンデもあまり変わらない!こいつを倒して俺の経験値にした後、剣を奪って俺の攻撃力アップだ!
俺はスケルトンに向かって走る。同族殺しなんて関係ない!
スケルトンは俺が戦う意思があることが分かったのか剣を構えた。
しかし、その剣は少しだけ震えていた。疲労のせいで構えることも大変なのだろう。しかし、俺は油断しない。何故ならスケルトンに《剣術》があるからだ。いくら相手が疲労していたって素手と剣じゃあダメージも違う。戦いになれてないハンデもある。油断したら俺の二回目の人生、いや、魔生が終わってしまう。それは避けなければならない。
俺はそんなことを考えながらスケルトンの前に立ち、ファイティングポーズを取った。
相手は構えた剣を上から俺に向かって振ってきた。
剣はヒョロヒョロと剣の講師がいたら本気で振れ!と言われそうなくらい遅い剣が降ってきた。
俺はその剣を半歩右に避けてかわし、スケルトンの腹は難しいので、顔に向かって全力の骨パンチを送り込ませた。
スケルトンを後方に吹き飛ばされるほどパンチの威力はないため、スケルトンはその場に仰向けで倒れ込んだ。
当然、剣は手放している。
スケルトンの頭蓋は少々ひびが入った。脆いな。
俺は落ちている剣を拾い、足元のスケルトンの首に向かって剣を振り下ろした。
スケルトンの首は吹き飛び、俺の足元にはスケルトンの胴体だけが残った。
倒したと思うが一応鑑定してみるとステータスは見えなくなり、『スケルトンの死体』とだけ書いてあるウィンドウの表示になった。
『経験値が一定値に達したため、LV2に上がりました』
スキルの獲得した時の声のアナウンスが流れてきた。俺はどんな感じに上がったのか確認するため、ステータスと念じた。
名前 :
種族 :スケルトン
状態 :平常
ポイント:4
LV:2/10
HP:26/26
MP:15/15
攻撃:14
防御:16
俊敏:8
魔攻:2
魔防:2
スキル:《夜目》《鑑定》
ユニークスキル:《ガチャ》
《運試し》
《叡智(改)》
あのスケルトンとレベルが一緒なのに全体的に俺のステータスの方が多いな。個体差でもあるのか?どうなんだい叡智君。
『ステータス上昇率には個体差があります』
やっぱりそうか。それより、しっかりガチャポイントがあいつの分俺に上乗せされているな。あとアイツみたいのを何十回も倒さなければいけないのか。ガチャまでの先は長いな。
それより、あの骨はそのままでいいのか?埋めたりした方がいいのか?叡智、教えてくれ。
『倒された魔物は数分すればダンジョンに吸収されるため、放っておいても良い』
ん?ダンジョン?この洞窟はダンジョンなのか?どんなダンジョンなんだ叡智君。
『死の洞窟という名のダンジョンであります。
出てくる魔物は主にアンデット系。スケルトン、ゾンビ、グールなどです。
死の洞窟は地下30階層まであり、地下に行くほど魔物が強くなります。現在の階層は1階層です』
死の洞窟とか物騒な名前だな。
それに一階層か。アンデットとかが来るってことはゴブリンとかはいないってことね。
まあ、今は外に出るよりレベルを上げながら地下に潜って強くなった方がいいのかな?ちょうどダンジョンだからレベル上げやすいし、このダンジョンをある程度攻略するまで地上に出ないことにしよう。アクシデントとかがない限り。
俺はそれを誓うと、レベルを上げるためスケルトンなどの下級の魔物を探し、レベルを上げに行くのだった。
少しの間はダンジョンに潜らせるつもりです。
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