ボス部屋で進化
次回の話を投稿したらしばらく休載します。ご了承お願いします。
デイルが最後の階層である三十階層に待ち構えていることを書いてないことに気付きました。加えておきます。
ヴァンパイアの血液を吸血鬼の血に名前変更しました。
暗い暗い広々とした洞窟の中。そこには一匹の魔物と無数の人間の死体が散乱している。
そんな腐臭漂うダンジョンの二十層で俺は目を覚ました。
あれ?俺死んでいない?デイルは?
俺はすぐさま辺りを見渡す。しかし、デイルこと悪魔の姿はなく、無数の死体のみしかなかった。
どういうことだ?叡智教えてくれ?
『デイルという悪魔はあなたを見逃しました。
デイルの言っていたことを箇条書きで簡単にまとめさせてもらいます。
・デイルは自身と対等の実力を持った相手を探していました。
・ガースという階層ボスの強化版を倒したことにより、あなたはその候補に選ばれました。
・しかし、今のあなたでは力も経験も足りていません。
・そのため、下の階層で吸血鬼の血を浴びて強化された魔物と戦ってもらいます。
・三十階層に私がいるのでそこにたどり着いてください。
・上の階層に行こうとした場合は殺します。
・私を楽しませてくれ。
以上です。』
つまり、俺はこのダンジョンから逃げることはできない。そして、強制でゲームでいう裏ボスみたいな存在と戦わなければならないと。
ふざけんなよ!勝てるわけないじゃん!ガースでもギリギリなのにそれ以上の奴と戦うの?むりげーだろ。ふざけろ!
俺は内心で憤慨する。これは俺の中にそうであってほしくないという気持ちが残っているからこんなことを思ってしまうのであろう。
だが、逃げれば確実な死。逃げなければ高確率の死。
どちらを選んだほうが良いかは馬鹿な俺でもわかる。
やったろうじゃねぇか!見てろよデイル!お前を小指で倒せるくらい強くなってやる!
そうと決まれば進化だ!ガースを倒したからレベルが上がってレベル一から一気にMAXまで到達したんだ。だいぶステータスも上がっているんじゃないか?
俺はそう決めるとすぐさまステータスを開示した。
名前 :
種族 :スケルトルアサシン
状態 :平常
ポイント:611
LV:40/40
HP:626/626
MP:538/538
攻撃:565 +80
防御:524 +80
俊敏:632 +80
魔攻:349 +80
魔防:349 +80
スキル:《夜目》《鑑定》《投擲》《糸操作&放出》《隠密》《煙化》《瞬歩》《気配察知》《身体強化》《空庫》《鬼怒化纏》《骨部位再生》《骨増殖》《影縫い》
ユニークスキル:《ガチャ》
《運試し》
《叡智(改)》
《進化先》
・スケルトンエンペラー
・スケルトンキング
・モーダー
ん?モーダー?なんだそれ?
俺は首を捻っていた。理由は今まで出てきた進化先の名前にはいつもスケルトンやスカルと言う骨に関係しそうな名前ばかりだったからだ。
まぁ、聞けばわかるか。叡智。進化先の情報をスケルトンキングだけ省いて教えてくれ。
『スケルトンエンペラー:スケルトンの最上位種にして最終進化形態。統率に優れており、多くのスケルトンを従える。スケルトン以外の魔物を従えることもできる。自身より弱く、自身に従わない魔物は強制的に操り、支配下に加える。配下とともに魔物の王国を作ったりした歴史はあるが、すぐに滅びてしまった。配下を強化したり従える力に特化しているが基礎能力値が高く、一対一の戦闘を得意とする。状態異常をすべて無効にする力を持つ。
モーダー:機動力に特化した魔法が使える攻撃型のスケルトン。敵を翻弄することが得意。並の人間では視覚に捉えることも難しいと言われている。集団で行動することを嫌うが、どうにもならない危機的状態の時は集団で行動する。集団で行動された場合、五体揃うだけで町一つ崩壊させた歴史がある。使える魔法は火属性魔法。』
これはどっちにした方がいいか。素直に最終進化形態のスケルトンエンペラーを選んで鍛えるか、進化先のあるモーダーを選んでさらなる進化を目指すか。
本来はスケルトンエンペラーを選んだ方が良いのかもしれないのだが、本当にそれでデイルに勝てるのだろうか。数で押して勝てるのだろうか。そんなにデイルは甘かっただろうか。
答えは否。俺より弱い配下とともに戦って勝てる可能性は低い。それに、配下にできるかも怪しい。配下にするくらいならポイント貯めてガチャを引いた方が良い。
なら、これは次の進化を期待してモーダーの方が良いな。魔法も使ってみたいし。
俺はそう考えるとボス部屋の壁にもたれかかった後、進化先をモーダーと強く望む。
するといつも通り、急な眠気が襲ってくる。
俺はそんな眠気に身を任せながらあることを誓う。
俺は強くなってデイルを絶対に倒す。そして生きてやる。この異世界で!
そう誓うと同時に俺は意識を暗闇へと落とした。




