鬼怒化纏発動
頑張ってストック貯めようとしたけど、三話くらいしか作れなかった。
追記、読み直したら鬼怒化纏中は叡智使用可能なこと書いてなかったので付け加えておきます。
そろそろ《煙化》の効果が切れてくる。
いや、効果切れの時間はまだ3分くらいあるのだがガースがグギャグギャ騒ぎながら俺を探すために土煙を払おうと手で風を起こしているため、煙がなくなり始めているのだ。
煙がすべてなくなればそこに残るのは俺という名の人型の煙のみ。
魔法以外の攻撃は受けないが、もし奥に座っているデイルが魔法を持っていた場合、俺は恰好の的である。
デイルが攻撃しないとは限らないため、そして魔法を持っていないとも限らないためその場に滞在するのは得策ではない。
叡智が言っていたが、煙化を解くのにも少し時間が必要らしい。
だから効果が切れる、いや効果を切るのである。
「グギャギャ!」
煙から俺を見つけたガースは自身の手を振り被り、俺を引き裂こうと走って近づいてくる。
その振り被った手の爪には毒が纏われていることがすぐにわかった。毒爪を使ったのであろう。
ガースは毒を纏った爪を俺に向かって振り下ろす。
俺はすぐさま瞬歩を使い、ガースより少し離れたところへ移動する。
そして隠密を使い、ガースに気付かれないようにする。
瞬歩で逃げたことにより、ガースの毒の爪は俺に当たることはなく、地面の方へと向かう。
地面に向かった毒の爪は地面を少しだけ抉り小さな穴ができる。
毒の酸性の効果により抉った傍から土が溶け、抉った部分の穴はさらに深くなる。
毒やばすぎ。そう言えば状態異常(毒)を付与されたらどうなるの?
『継続ダメージを受けます。効果値はMAXHPの1000分の1を10秒に一回のダメージです。元の状態が悪かったりすると眩暈などの他の状態が付与される場合もあります。レベルが離れすぎたりすると付与されません』
めっちゃ溶かすし継続ダメージ・・・ヤバイなそれ。
俺はそんなことを考えながら鬼怒化纏を発動する。
するとステータスと同じようなウィンドウが表示される。
『鬼怒化纏を発動される場合、現在自発的に発動しているスキルの《身体強化》《隠密》《煙化》《夜目》が解除されます。よろしいでしょうか?YESorNO ※鬼怒化纏発動中は他のスキルを発動することができません』
なんだこのウィンドウ?鬼怒化纏の説明された時にはこんなのなかったはずだけど。
叡智、これはどういうこと?
『分かりかねます。このスキルを持っている人間はいないため、おそらく神が原因かと』
神か、叡智の知識は神に改造されているらしいし、神の知識の入れ忘れってことか。しっかりしろよ神!てか、解除されるスキルに叡智は含まれないのか。神に改造されたのが原因か?まあいいや。
俺はとりあえず煙のまま『YES』をタップする。
そしたら再びウィンドウが表示される。
『鬼怒化纏発動時間は10分間です。鬼の姿になる場合は念じてください。以後このウィンドウの表示をOFFにしますか?』
『はい』と俺は念じる。
それと同時に煙化は解除され、ガースの目の前に俺は姿を現す。視界が少し暗くなったが、慣れていたせいかあまり変わらなかった。
姿を現した俺を見てガースはすかさず突進しようとしてきたが途中でやめた。
おそらく俺が強くなっていることが直感でわかったのだろう。
だが、攻撃を止めたなら先手必勝。こちらが先に攻撃できる。
俺は手に持つ破者の剣に魔力を注ぎこみ、思いっ切り地面を蹴った。
予想以上のスピードに驚いて剣を落とそうとしてしまったが、何とか持ちこたえ、剣を真っ直ぐ構えた。
ガースは俺のスピードに全く反応できず、その場で立ち尽くしている。
俺はそんなガースの腹に剣を突き刺す。
突き刺した時、まるで豆腐を刺して居るように柔らかかった。
「グギャぁァぁ!!」
俺の攻撃力、剣の刃、俺の持った運動エネルギー、そのすべてが合わさった攻撃をガースは受け、あまりの痛みで途轍もなく大きな悲鳴を上げる。
うるさッ!それより、早く離れないと!
俺はガースから剣を抜こうとする。
どうせこんなに柔らかいならそのまま抜くよりこうした方がいいだろう。
俺はガースの刺さった部分から横薙ぎにする。
そうすることによりガースの横腹に大きな裂け目ができた。
横に切ることにより、ガースの横腹から剣が抜けたため、俺はすぐさまその場から離れた。
「グギャあああああ!!!!」
ガースは先程より大きな声で悲鳴を上げる。
人間がいれば鼓膜が一瞬で破けるくらいの大きさで。
うるせー!一回攻撃しただけだろ!うるさすぎだろ。俺だって叫ばなかったぞ!叫べないけど。
だが、こんなに悲鳴を上げるってことはかなりのダメージが入ってる証拠!
このまま行けるんじゃないか!?
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