異世界初のガチャガチャ
手紙を読み終わった俺は俺の向かいの壁を向きながら心の中で質問することにした。
叡智、ステータスはどうやって確認するんだ?
『ステータスと念じる、または唱えることで目の前に表示されます』
そうか、ありがとう。
俺は早速ステータスと念じる前に一つ確認することにした。
この身体は声帯がないため声を発せない。音を出すとしても歯と歯を顎の力で合わせ、カチカチ音を鳴らすくらいしかできない。
しかし、声帯がなくとも声を発するように頑張れば唱えてステータスを確認できるかもしれない。あきらめなければ何でもできるんじゃないか?
『無理です』
無駄な時間でした。
俺は素直にステータスと心の中で唱えた。
名前 :
種族 :スケルトン
状態 :平常
ポイント:101
LV:1/10
HP:20/20
MP:10/10
攻撃:11
防御:13
俊敏:5
魔攻:0
魔防:0
スキル:《夜目》
ユニークスキル:《ガチャ》
《運試し》
《叡智(改)》
ガチャ?異世界でガチャガチャができるのか?てか、ポイント101って1多いし。
まあ、分からないことは叡智に聞くか。
叡智、俺の持ってるスキルの効果を教えて。
『ガチャ:ポイントを100使うことにより一度カプセルトイを回すことができる。中身は回してみなければ分からないがスキルなどが入っている。出てきたスキルなどは自分の物にできる。比較的スキルが当たりやすい。
運試し:ポイントを30使うことにより一度カプセルトイを回すことができる。中身は回してみなければ分からないがスキルなどが入っている。出てきたスキルなどは自分の物にできるが1時間後に消滅する。比較的スキルが当たりやすい。
叡智(改):人間の知っている知識はすべて知っている。神に改造され、少し神のみ知っている知識も知っている。基本的にQ&Aで答える。
夜目:暗い場所でもある程度目が効くようになる。』
ガチャはスキルなどが入っているのか。てか、ガチャの名前ってカプセルトイって言うんだ。知らなかった。まあ、これからもガチャって言うけどね。
運試しも普通より多く引けるけど消えちゃうのか。緊急の時とかに使いそうだな。
叡智は改造されてるのか。まあ、神の知識がなきゃガチャや運試しの効果なんか分からなそうだしな。
そして夜目。これのおかげで周りは薄暗いけど見えるが、もしこのスキルがなかったら真っ暗なのか?目が覚めて真っ暗だったら俺ちびっちゃうよ?
でもガチャのスキルなどってスキル以外に物が入っているのか?でも、まずは回してみなきゃわかんないな。転生祝いでポイント持っているし。
叡智?ガチャってどうやるの?それとポイントについて教えて?
『大体のスキルは念じたり、唱える。もしくは無意識に発動しています。《ガチャ》と《運試し》は前者ので、《叡智(改)》は後者です。
ポイントとは魔物や人間などの生物が誰しも持っているもの。
どの生物も生まれた時に1ポイントを持っています。
ポイントを手に入れる方法はポイントを持っているものを殺すこと。殺した場合、亡くなった者が持っていたポイントは殺した者に上乗せされます。
もし、老衰や病など事故で亡くなった場合は死んだ者の一番近くにいた生物にポイントが明け渡されます。』
ふむ、じゃあ人や魔物をたくさん殺しているものを殺せばそのポイントは自分の物になるということか。
手に入れる方法は他になさそうだし、大変だな。
まあ、そんなことはまだ置いておいてガチャをするか。
俺はガチャと念じた。すると、目の前にステータスに似たような画面が出現した。
『《ガチャ》又は《運試し》を使用する際、カプセルトイを出現させますか?
YES/NO(あとから変更可能)』
カプセルトイ?あの大きな箱を出現させるか?
決まってる。もちろんYESだ。
俺はあのレバーを回す感覚が好きなんだ。
使用する際って書いてあるから使い終ったら消えるだろう。でも、一応叡智に聞いておこう。それと、使用しない場合どういう風にやるのか。
『ガチャスキルを思い浮かべながら解除と念じる、または唱えれば霧となって消えます。
出現しない場合、頭の中で景品が出てくる。その中身をどうするかは自分で決めることができます。しかし、1時間以内に用途を考えなければ自動的にスキルの場合自分のステータスの中に、物の場合その場に出現します。運試しの場合、頭の中に残っていた1時間分は時間消費に関係ありません。』
つまり、ガチャガチャ(カプセルトイ)を出さなければ戦闘中でも使えて、運試しの場合、最高で二時間そのスキルを持つことができるということか。使用は1時間しかできないけど。
これは良い事聞いた。でも、緊急でないときは回すことにしよう。
俺はウィンドウのYESをタップした。
すると何もなかった空間にガチャガチャが出現した。見かけも中身も前世のガチャガチャそっくりで、中身もしっかりカプセルだった。
俺は少し驚いたが、すぐにガチャガチャのレバーに手を伸ばした。
そして俺はレバーに手をかけ、捻った。
レバーを回したせいで中身のカプセルが動き、ガタガタと音を鳴らす。
レバーは一回転し、ガチャガチャから真っ黒なカプセルが排出された。
俺は恐る恐る黒いカプセルを手に取り、黒いカプセルを空けた。
中身は白い靄だった。
靄はカプセルの中身から出た途端、真っ先に俺の身体の方に飛んできて、俺の身体に吸い込まれていく。
すると、頭の中に叡智とは違う声のアナウンスが流れた。
『スキル《鑑定》を獲得しました』
鑑定スキルはあった方が書きやすいため手に入れさせました。
なんか、すみません。
良ければブックマークお願します。