戦い損
俺は目覚めた。
うーん。ん!?あれ!?俺生きてる!?永遠の眠りについてない?もしかしてここは天国?いや、魔物だったから地獄?
俺は辺りを見回し、現状を確認しようとする。
俺のいる場所は気絶する前まで居た洞窟。俺の背には俺が衝突したことにより凹んだ壁。そして俺の目の前には見知らぬクレーターとその真ん中に置いてある二つの魔石。一つは拳くらいの大きさで、もう一つは小指の第一関節ほどの大きさでしかない。そして、いつも俺の近くにいたリトルデビルは今いない。
俺は一応クレーターの真ん中に置いてある魔石二つを鑑定で確認することにした。
【リトルデビルの魔石】
リトルデビルの体内にある魔石。冒険者には高値で取引されている。大きさは基本的に他の魔石より小さい。
【ハイゾンビの魔石】
ハイゾンビの体内にある魔石。この魔石がハイゾンビの核を作っている。
リトルデビルとハイゾンビの魔石のみが近くにあってそこには一つのクレーター。この状況からこの現状を表しているのは・・・。うん、分からん。てか、核を作ってるって何?よくわからん。
そんな時は叡智に聞いてみた方がいいな。
叡智、どうしてこんな状況になっているんだ?
『あなたが気絶している間のことをまとめて話しますと、あなたは気絶し、いきなりリトルデビルがハイゾンビに触れてすぐに爆発。そのせいで地面にクレーターができました。ハイゾンビはそれと同時に跡形もなくなりました。』
ほー、じゃあ、あのリトルデビルは助けてくれたってこと?
『そうなります。』
じゃあ、あのリトルデビルには感謝しなきゃな。
俺はそう思ったあと、リトルデビルの魔石を拝んだ。
それともう一つ。核を作ってるってどういうこと?
『どうやらハイゾンビには核を何個か持っていたようで、今回は爆発によりハイゾンビは核を無くし、死んだようです。この情報は先程分析したことにより得た情報のため、今までこのような情報は知りませんでした。』
うーん。そうだな。叡智には人と神様の知識少ししか入ってないって言ってたし、叡智は悪くない。
俺はそう思いながら、地面の魔石を回収し、空庫に入れた。
なぜこんなことをするかというと、叡智が『空庫を手に入れたのなら魔石を入れることをお勧めします。後々に必ず役に立つかと思います。』と言われたから空庫を手に入れてからこの階まで倒した魔物の魔石は俺の空庫の中で眠っている。
それよりもレベルは上がってたりはしないかな~。
俺はレベルを確認したが、やはり変わっていなかった。ついでにポイントも増えていなかった。
そうだよな。俺は腕や足を糸で落としただけ出しな。再生されてたし。当然か。
俺は少し戦い損だと不満に思いながらなくなった足を糸で補い、下の階へと歩いていった。
面白かったらブックマークお願します。
しばらく投稿を控えます。




