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山の日記

春終期 18日


私たちは、ルムベル火山にあるドワーフの集落を訪れました。


大きな採掘場があり、製鉄や加工まで行っている、本当に大きな集落です。


ドワーフは、エルフから派生した種族で、外見の特徴(長い耳や、綺麗な目など)はよく似ていますけど、肌の下に溶岩が通っているかのような血気があるところが、一番の違いでしょうか。


彼らは会話の節々に、エルフ語を使います。

ヒグドナは意味を分かっていたみたいですが、私には全く分からず、会話の流れでなんとなく理解しようとしていました。(ほとんど分かりませんでした……)

以前、砂漠でエルフ語に出会った時、少しだけ習いましたが、あれくらいでは日常会話は難しいようですね……。


その集落ではシュリンガという生贄の風習がありました。

命を捨てて自然現象を食い止めようとする風習は、よくあるものらしいです。


ヒグドナからは現地の文化を変えるようなことは二度とするな、とこっぴどく叱られましたが、私には目の前で死にたくないと言っている彼女を放っておけなかったので、少しばかり手を出させてもらいました。


結果を見れば、やってよかったと思っています。


ひとりの少女の命だけでなく、今後起こりうる採掘場の事故についても正しく対策を練る準備もしてもらえたのは、本当に幸運でした。


ここに限った話ではないのですが、身を投げてどうにか許してもらおうという気持ちは、私にはよくわかりません。

抗うことを諦めた命が、どうしてそれほど価値のあるものだと思えるのでしょうか。

あまり、こういう話を人にする機会がないので、余計にそう思いました。


ドワーフのヨルハからお礼にいただいた綺麗な鉱石ナイフは、夜になるとぼうっと光るものでした。

布でくるむと見えなくなるほどの弱い光が、本当に美しく、何度も取り出しては眺めてしまいます。

ラッツリックには、不思議な魅力がありますね。


さて、次は港町エンゲイトです。

イザベルタさん、まだ停泊してるのかな?

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