砂漠の日記
春中期 34日
私とヒグドナは、砂漠の町サマクを訪れました。
こんなに砂漠を歩いたのは初めてのことでした。
その時の心情を正直に言うならば、二度と歩きたくないし、次来ることがあったら、砂漠を歩くための馬でも借りようと思いました。
(砂漠に入るまで誰にも会わなかったため、借りられなかったのでした)
レンドル砂漠は、数十年のうちにすっかり姿を変え、ヒグドナにも道が分からなくなっていたようです。
そうなれば、私には全く、どれくらいの距離を歩かなければならないのか、見当もつきません。
辛かった……。
さてさて、ちゃんと(?)楽しかったこともありましたよ。
砂漠には、エルフの作った聖域があり、そこにはとても綺麗な景色がありました。
光る水晶に照らされた洞窟や、それに反応して光る砂は、とてもこの世のものとは思えない、幻想的な風景でした。
有名なサマクの砂時計が見られなかったのは残念でしたが、初めてのことがたくさんあり、私にとって良くも悪くも充実した旅路となりました。
このあと、どこへ向かうのか、ヒグドナは教えてくれません。
(少し意地悪なんです)
私がもう少し地理に詳しければ、自分で分かるのに……!
今の目標は、地図を読めるようになること、です!
あと、方向音痴も少しは改善したい……。
次は、もう少し涼しいところだといいなぁ……。