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百合(ゆり)
掌を重ねて一言
「あなたを愛しています」
呪いにかけられた二人は今日もガラスに隔てられた部屋で
一つになれないままで
いくつもの言葉を交わして
しとやかに重い沈黙は、いつからか優しさに変わっていた
言葉があなたを惑わせるだけならば
僕はもう口を開くことはないだろう
もしも今、あなたがいなくなってしまったら
この悲しみや恐ろしさも一緒に消えてしまうのだろうか
様々な幸せを願ったこの祈りがどうかあなたへ届きますように
あなたが幸せになるのならばどんな穢れだって僕が背負おう
あなたが純潔でいるためならば




