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船
東の海に船を浮かべて、誰よりも早く旅立とう
あなたのために旅立つ私をあなたは知っているだろうか
悲しみが語りかけてくる
ボクらは永遠に一緒に、寄り添ってこの広い海を漂う
数え切れない程の人間の涙でこの海は出来ている
この海にはあなたの、そして僕の涙も入っているの
彼岸に咲く紅い花は
あなたがさしていた日傘によく似ていて
岬を望む灯台から鐘が鳴り響く
美しいシスターの声と一緒にこの悲しみの声が君へ届かないように
西の海へと流れていく船の中で一人
今日も悲しみとともに流れていく




