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湖
一人の湖畔は寂しくて何故だか涙が止まらない
もうあなたから愛されることも
必要とされることもない
そんなこと、分かっていたのに
分かってしまっているのに。
あなたと手をつないだ最後の夜
離さないで、そう言えなかった私を何度責めただろう
ただあなたの中で眠らせて欲しかった
その言葉が言えていたら、今は違っていたのかな
もう一度だって抱きしめてくれないの?
あなたのぬくもりが消えてしまう前に、もう一度だけ
もう一度だけ、強く抱きしめて欲しいの
湖の上を照らす星屑に何度も願うよ
かなわない願い事を
――離さないで、ずっと。あなたとつながっていたい。
あなたの手で、もう一度だけ抱き寄せて
その腕の中で眠らせて




