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勿忘草(わすれなぐさ)
勿忘草が咲く頃に
花びらの色と君の笑顔を思い出す。
飛行機雲が線を引く大空に
僕らの夢を打ち上げたあの日
目まぐるしく過ぎる日々に
僕らはいつしか離れ離れになって
曖昧なことは少しずつ薄れて見えなくなって
単純なことは知らないうちにしまいこんでた。
駆け出した一人の午後
誰もいない街を走り抜けて
「またね」
君の声がいつまでも響く頭をふって
僕はあの大空へ飛び込んだ。
曖昧で単純だったあの日を忘れないために。
たくさんの色で彩られたあの世界を失わないために。
「やっとまた会えたね」
そう涙目で笑う君は、あの日の空よりもずっと綺麗で




