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鏡
私は鏡が嫌い。
鏡に映った私は、昨日の私にとてもよく似ていて。
「悲しかった」「辛かった」
そう言われているような気がして。
でも、きっと違うんだろう。鏡に映った私も、私。
「悲しかった」のも「辛かった」のも私。
嫌だった過去に蓋をして目を背ける。
それが分かって、はじめて少しだけ前を向けた気がして。
いつしか鏡の中の私は、もう何も言わなくなっていた。
私は少しだけ鏡が好きになって。
鏡に映った私は、昨日の私にとてもよく似ていて
「頑張れ」
そう言われた気がした。
私は明日に向かって歩き出す。
明日の私が、今日の私を好きになれるように




